Trademark Appeal Case
品質・用途表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−26163(T2004−26163/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第6類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年3月12日に登録出願され、その後、指定商品については、同16年7月5日付けの手続補正書により、第6類「屋根に使用する緊結用金属製ボルト」と補正されたものである。
2.原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、白抜きの片仮名文字で『ルーフ ボルト』と表してなり、該構成中『ルーフ』の文字部分は、『屋根』の意味合いを有する英語『ROOF』を片仮名で表示したものであり、『ボルト』の文字部分は、『鉄・木材などの継手・仕口部の緊結用金属製品』(建築カタカナ語・略語辞典参照)の意味合いを表すものであり、本願商標は全体として、『屋根に使用する緊結用金属製品』の意味合いを表すものであるから、これを本願指定商品中前記文字に照応する商品に使用しても、これに接する者は、前記意味合いを把握、認識するに止まり、単に商品の品質、用途を表したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、また、商標法第3条第2項の適用も採用できないとして、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「ルーフ」の文字と「ボルト」の文字の間に少しの間隔を設けた「ルーフ ボルト」の文字よりなるものと認められるところ、例えば「株式会社岩波書店 広辞苑第五版」をみると、その構成中、「ルーフ」の文字は、「屋根。」と記載、同「ボルト」の文字は、「金属丸棒の一端にねじを切り、普通は他端に直径より大きな四角・六角などの頭をつけたもの。ナットとともに部品の締付け・結合に用いる。」と記載がある。
そして、本願指定商品を取り扱う業界においては、屋根部材を取り付けるボルトを「ルーフボルト」と称している事実が、以下のインターネットの情報等からも認められる。
(1)若井産業株式会社のホームページ(http://www.wakaisangyo.co.jp/product/item/f_yanebolt/f03-seppanbolt_etc01.htm)には、「ルーフボルト・折板用セット」の見だしのもと「ルーフボルト」の写真とともに商品コード、品名・サイズ、容量及び価格の記載。
(2)大日本プラスチックス株式会社のホームページ(www.daipla.co.jp/product/arch/const02.html )には、「施工資料 ポリカーボネート折版」の見だしのもと「施工方法と注意点」の「(6)中間ボルト(ルーフボルト)のピッチは約500mmに・・・」との記載、「部材に関する注意」には「タイトフレームのナット、ルーフボルトそれぞれに使用されているパッキンは・・・」との記載及び「ゴムパッキン付きルーフボルト」の記載及びその写真。
(3)株式会社サカタ製作所のホームページ(http://www.sakata-s.co.jp/catalog/top.html)には、「絵で見て探す/重ね式」の表の中に「10/ルーフボルト」の記載、「カテゴリー別に見る」の中の「副資材」をみると「ルーフボルトR−8」、「ルーフボルトR−8B」との記載。
(4)http://www.vessel.co.jp/news/LA/index.htmのホームページには、「ベッセル 深穴ソケットビット」の見だしのもと「用途」として「14mm/折板屋根取付(ルーフボルト)設備・配管工事など」との記載。
(5)信越ポリマー株式会社の「シンエツナミイタ総合カタログ」の13頁には「折版の施工方法」の「取り付け」の項に「・・・取り付けは、タイトフレーム・固定ボルト、ルーフボルトを使用してください。」との記載。
そうすると、本願商標は別掲のとおりの構成よりなるところ、最近の文字のデザイン化傾向からすると「ルーフ ボルト」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で表してなるとみるのが相当であり、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が屋根に使用するボルトであると理解するにとどまり、本願指定商品の品質、用途を表示したものと認識し、自他商品の識別標識としての機能を有しないといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標について使用による商品の自他商品識別性を有する旨主張し、甲第1号証ないし甲第21号証(枝番を含む。)を提出している。
しかしながら、請求人(出願人)提出の甲各号証についてみるに、1993年10月現在の商品カタログ(甲第11号証の1)及び2005年1月現在の商品カタログ(甲第12号証の16)他により、1993年より現在において、「屋根用ボルト(ファスナー)」について本願商標と社会通念上同一である商標が使用されていることが認められ、請求人(出願人)の作成に係る平成10年4月から同16年3月までの年度販売数量(甲第3号証)が示されているとしても、本願商標がわが国において広く認識され、自他商品の識別力を有するものであることを示す客観的な証明としての商品の取引実績や同業者の証明書等の提出がなく、請求人の提出した証拠によっては、前記主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、その指定商品について、前記1のとおり補正された結果、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがないと認められるから、商標法第4条第1項第16号に該当しないものになったとしても、上記のとおり、同法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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