1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類「日本酒」を指定商品として、平成16年3月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下「引用商標」という。)は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、何れも現に権利が有効に存続しているものである。
(1)引用登録第3039595号商標は、「弥勒」の漢字と「みろく」の平仮名文字とを二行に縦書きしてなり、平成4年9月4日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同7年4月28日に設定登録されたものである。
(2)引用登録第4105057号商標は、「三六九」の漢数字と「みろく」の平仮名文字とを二行に縦書きしてなり、平成7年10月2日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同10年1月23日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示したとおり、右上に小さく「木曽のさけ」の文字を横書きし、その下に「七笑」の漢字を縦書きし、さらに、これらの各文字の左下に「美禄」(「美」に続く文字は、常用漢字でないので「禄」の文字で表記する。)の漢字を大きく縦書きしてなるものである。
しかして、本願商標中、「美禄」の文字は、請求人(出願人)の提出に係る各証拠によれば、「『びろく【美禄】』酒の異称」(「広辞苑 第五版」)、「『びろく【美禄】』酒のこと」(「三省堂提供オンライン辞書 大辞林 第二版」)等と記載されていることが認められる。
また、インターネット情報においても、「新潟銘醸 大吟醸 美禄」(http://www.rakuten.co.jp/uonuma/484681/484682/)、「龍力 特別本醸造 長生美禄 ... 酒名の『美禄』とは広辞苑によれば『酒』を意味するそうです。」(http://www.asku.com/RV/010S/?_item_id=7006131)等の記載が認められるものである。
そうすると、これらを総合すれば、本願商標中の「美禄」の文字は、「ビロク」と称し、日本酒については商品の識別力を有しないか、識別力の極めて弱い部分といわざるを得ないから、該文字より生ずる「ビロク」の称呼をもって、取引に資せられることはないものとみるのが相当である。
これに対し、引用商標は、「弥勒」と「みろく」の各文字、又は、「三六九」と「みろく」の各文字よりなるから、これらの文字に相応して「ミロク」の称呼を生ずるものである。
したがって、本願商標から、「ミロク」(又は「ビロク」)の称呼をも生ずるとして、そのうえで、本願商標と引用商標が称呼上類似し、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。