1 本願商標
本願商標は、「新府城」の文字を標準文字で書してなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く),米,脱穀済のえん麦,脱穀済の大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として、平成16年7月5日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『新府城』の文字を書してなるものであるが、これは山梨県韮崎市にある『武田信玄一族最後の拠点となった城(国の史跡)』を意味する語であり、近年、韮崎市が中心となり発掘調査等が行われ、再建の動きもあるとの報道がある。そうとすれば、このような公共的建造物である語を、一私人である出願人が独占排他的に採択使用することは公共の利益に反するもので穏当ではなく、登録するには適さない商標と認めるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「新府城」の文字からなるものであるが、該文字について調査したところ、新府城は、武田勝頼によって、1581年に建てられ、翌年に焼失した城であり、現在は城跡が残されているものである。
ところで、商標法第4条第1項第7号における「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標」とは、商標の構成自体が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合及び商標の構成自体がそうでなくても、その登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くところがあり、当該商標登録を認めることが商標法の予定する法秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合や、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合が含まれ、さらに、他の法律によって、その使用等が禁止されている商標も含まれると解されるものである。
これを本願商標についてみるに、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、本願商標の登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くところがあるというものでもない。
また、本願商標をその指定商品について使用することが、商取引の秩序を混乱させ、社会公共の利益に反し、ひいては公の秩序を乱すおそれがあるものということもできず、さらに、社会の一般的道徳観念に反するものとも、他の法律によってその使用が禁止されているものともいえない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。