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結論

勝訴(請求認容)

商標「PAB」の論点抽出失敗(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2005−15363(T2005−15363/J1))

審判番号
不服2005−15363(T2005−15363/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「PAB」
争点(論点)
論点抽出失敗
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2005−15363(T2005−15363/J1)・不服)は、本件商標「PAB」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「論点抽出失敗」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「PAB」の欧文字を標準文字により表してなり、第5類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成16年7月30日に登録出願され、その後、指定商品については、同16年8月4日及び同17年4月6日付けの手続補正書により、最終的に第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、パラアミノ安息香酸(para−aminobenzoic acid)の略称である『PAB』の欧文字を書してなるから、これを、その指定商品中、例えば『薬剤』等に使用しても、『パラアミノ安息香酸を含有する商品』であることを看取、把握させるにとどまり、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「PAB」の文字を書してなるところ、(1)「医学大辞典 縮刷版」(南山堂 1979年3月1日発行)によれば、「パラアミノ安息香酸」の項には、「(パバPABA)ビタミンB複合体の一つとして知られている。このビタミンが欠乏するとネズミの毛色が白色になり、・・・」等の記載が認められる。(2)「医学大辞典 18版」(南山堂 2001年4月10日発行)によれば、「パラアミノ安息香酸」の項に、「(パバPABA)C7H7NO2.(ただし、「C7」「H7」「NO2」のうち「7」「7」「2」は「C」「H」「NO」の右側下半分に記載されている。)PABAと呼ばれるこの物質は葉酸分子中の構成成分である。・・・」等の記載が認めらる。(3)「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」(三省堂 2005年1月20日発行)及び「コンサイス外来語辞典 第3版」(三省堂 1979年12月1日発行)によれば、「PABA」の項に、「[para−aminobenzoic acid]パラ−アミノ安息香酸、アミノ安息香酸のパラ異性体、染料や薬品製造に使用」の記載が認められる。(4)「ランダムハウス英和大辞典 第2版」(小学館 1999年1月10日発行)に寄れば、「PABA」の項に、「[薬学]=para−aminobenzoic acid、・・・」等の記載が認められる。(5)「研究社 新英和大辞典 第6版」(研究社 2002年3月発行)によれば、「PABA」の項に、「[生化学]=para−aminobenzoic acid」の記載が認められ、いずれも、「パラアミノ安息香酸」の略称として、「PABA」若しくは、「PABA」の語が「パラアミノ安息香酸」であるとして使用されている。

さらに、当審において職権により調査したインターネット情報によれば、「パラアミノ安息香酸」の語が「PABA」と略称、記載されており(また、「PABA」の語も「パラアミノ安息香酸」との記載がある。)、「ビタミンBコンプレックスの新しい仲間の一つ。体内で葉酸が合成されるときに構成成分として不可欠。・・・」等の記載が認められ、少なくとも、インターネット情報においては、「パラアミノ安息香酸」の略称として、「PABA」の文字(語)が一般的に使用されている事実が窺われるところである。 そうすると、たとえ、原査定説示の一部の辞典等において、「パラアミノ安息香酸」の略称として、本願商標「PAB」の文字が、上記「PABA」の文字と並列的に使用されている事実が見受けられるとしても、そのことのみをもって、本願商標「PAB」が、「パラアミノ安息香酸」の略称として、需要者、取引者に一般的に理解・認識され、普通に使用されているということはできないものといわなければならない。

してみると、本願商標は、これをその指定商品のいずれの商品について使用しても、商品の品質等を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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