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Trademark Appeal Case

不使用取消審判における使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30291(T2005−30291/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4514557号商標(以下「本件商標」という。)は、「TEAMS」の文字を標準文字で書してなり、平成12年4月14日に登録出願、第39類「鉄道による輸送に関する情報の提供、車両による輸送に関する情報の提供、船舶による輸送に関する情報の提供、航空機による輸送に関する情報の提供、道路情報の提供、主催旅行の実施、旅行者の案内、旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ、スーツケースの貸与」及び第42類「宿泊施設の提供の媒介又は取次ぎ、宿泊施設に関する情報の提供、飲食物の提供に関する契約の媒介又は取次ぎ、電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、通訳、翻訳、会議室の貸与又は展示施設の貸与に関する契約の媒介又は取次ぎ」を指定役務として、平成13年10月19日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」については、その登録は取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。との審決を求める。と主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

(1)本件商標は、平成12年4月14日に商標登録出願がなされ、平成13年10月19日に設定登録され、現在に至っているものである。

(2)しかして、被請求人は、本件商標を、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について継続して3年以上日本国内において使用していない。

(3)よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件審判につき、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

2 答弁に対する弁駁

(1)答弁書の「理由」について

(ア)被請求人は、答弁書において「本件については、」「既に大手プラント企業(乙1号証)および大手製鉄企業グループにおいて導入され」と述べている。

しかしながら、「導入」されたものが「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」であることについての具体的な説明はなされていない。

また、「大手製鉄企業グループ」に導入されたことを示す証拠方法も提出されていない。

(イ)答弁書には、「2〜5年継続利用しており」とあるが、その時期についての説明はなく、これを立証する証拠方法の提出もない。

(ウ)被請求人は、「弊社において現在も各企業ならびに各団体に対して、営業面で日常的に「TEAMS」の売込み(乙3号証・乙4号証)を図っている」旨述べている。

しかしながら、いかなる企業や団体に売込みを図っているのかについての具体的な説明はなく、各企業ならびに各団体に対して売込みを図っている事実を証明する証拠方法も提出されていない。

また、売込みが図られている「TEAMS」の内容についての具体的な説明も全くなされていない。

さらに、商標の「使用」については商標法第2条第3項各号に規定されているところ、「売込み」及び「売込みを図る」という行為は同条に規定する「使用」には該当していない。

(エ)以上のとおり、被請求人は答弁書において、本件商標の使用に係る商品・役務名、使用時期、使用場所等といった本件商標の具体的な使用についての説明を行なっていない。

よって、被請求人は、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用していることを証明していない。

(2)各証拠方法について

ア 乙第1号証について

(ア)乙第1号証は、「取引形態」、「トラベルマネージメント業務に関する契約書」、「ビジネスモデルの通常実施権許諾協定書」及び「ソフトウェアのサポートに関する覚書」を提出しているが、本件商標が記載されているのは「取引形態」に関する書面のみであり、それ以外の書面では本件商標は使用されていない。

(イ)「取引形態」に関する書面に記載されている本件商標はどのような商品又は役務について使用されているのか、具体的な説明がないので不明である。

(ウ)「取引形態」に関する書面と、「トラベルマネージメント業務に関する契約書」、「ビジネスモデルの通常実施権許諾協定書」及び「ソフトウェアのサポートに関する覚書」とがどのような関係にあるのか、その説明がないため不明である。

(エ)「取引形態」に関する書面には日付が無いので、使用時期が不明である。

(オ)「トラベルマネージメント業務に関する契約書」、「ビジネスモデルの通常実施権許諾協定書」及び「ソフトウェアのサポートに関する覚書」の日付はすべて、本件審判請求の登録前3年以前の平成12年7月3日であり、これらの契約等がいつまで続いていたかは不明である。

(カ)以上のことから、乙第1号証は、被請求人が本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用していたことを証明するものではない。

イ 乙第2号証について

乙第2号証は、「機密保持契約書」であり、本件商標の使用状況とは直接関係がないので、乙第2号証によって、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用していたことを証明し得ない。

ウ 乙第3号証について

(ア)乙第3号証は、日付が入っていないため使用時期が不明である。

(イ)乙第3号証の第2頁、3頁及び4頁には、「TEAMS」の内容についての若干の記載がある。

しかしながら、第2頁の上部には「旅費清算・管理システム Travel Expense Accounting & Management System TEAMS」とあること、また、第4頁には「TEAMSは、出張に関わる一連の書類をWebにて電子化し、なおかつそれによって重複する作業プロセスをできる限り簡略化することが可能です。また、必要に応じて、リアルタイムに出張データを閲覧することができます。」の記載から、被請求人は「TEAMS」を、「旅費清算・管理システム」の名称として使用していることは明らかである。

(ウ)よって、乙第3号証は、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」についての使用には当たらず、乙第3号証は、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用していたことを証明できるものではない。

エ 乙第4号証について

乙第4号証中本件商標の記載があるのは、第9頁のみである。

そして、ここにも「TEAMS」「Web対応『旅費清算・管理システム』」と記載されているので、被請求人が「TEAMS」を、「旅費清算・管理システム」の名称として使用していることは明らかである。

また、乙第4号証も日付が無く、使用時期は不明である。

よって、乙第4号証における被請求人による本件商標の使用も、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」についての使用には当たらず、乙第4号証も、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用していたことを証明できるものではない。

オ 以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用していたことを証明していない。

したがって、指定役務第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」についての本件商標の登録は、商標法第50条第2項の規定による取消しを免れない。

よって、請求の趣旨のとおり審決を求める。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める。と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

本件については、乙第1号証ないし乙第4号証のとおり、既に大手プラント企業(乙第1号証)および大手製鉄企業グループにおいて導入され、2〜5年継続利用しており、また当初において現在も各企業ならびに各団体に対して、営業面で日常的に「TEAMS」の売込み(乙第3号証及び乙第4号証)を図っているため、商標登録の取消請求には応じられない。なお、乙第1号証及び乙第2号証に関しては、営業上の機密事項であるため契約先企業名については削除してある。

第4 当審の判断

1 被請求人は、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用をしている旨主張しているのでその点について検討する。(1)知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成18年(行ケ)第10105号(平成18年8月9日判決言渡))で認定された事実は、概略以下のとおりである。

ア 被請求人(商標権者)の使用

(ア)平成14年5月28日、株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントに対し、「旅費精算システムTEAMS手配プロセス」と題する提案書(甲17)を交付して、チケット発注と原告への支払いプロセスの概要を説明している。

(イ)平成14年12月16日、川崎重工業株式会社に対し、「海外旅費精算システムその構築に関するご提案」と題する提案書(甲19)を交付して、海外旅費精算システムであるTEAMSの概要を説明している。

(ウ)平成12年6月20日、日本ケイデンス株式会社との間で「出張申請経費精算アウトソーシング事業に関する覚書」(甲14)を取り交わし、出張申請経費精算システムの運営上必要となるソフトウェア、ハードウェア等の開発を行っていたが、平成15年12月1日、ケイライントラベル株式会社とともに、川崎重工業株式会社との間で、「旅費精算システム(TEAMS)」に関するソフトウェア使用許諾契約(甲26)を締結した。

(エ)平成16年11月9日、日本ミクロコーティング株式会社に対し、「Tokyu Streamlines サービスのご案内」と題する提案書(甲8)を交付しているが、その中で、Information Technology(受発注・旅費精算システム)の1つとして、「旅費精算ユニットTEAMS Web対応「旅費精算・管理システム」」を掲げている。

イ 通常使用権者(東急ストリームライン株式会社)の使用

(ア)被請求人(商標権者)と東急ストリームライン株式会社との関係

被請求人(商標権者)と東急ストリームライン株式会社は、原告の国際旅行事業及びビジネストラベル事業を東急ストリームライン株式会社に承継させるために吸収分割を行い、平成15年1月6日にその旨の登記を経由した。原告は、吸収分割に先立ち、「全国を網羅する東急観光。・・・平成15年1月、個性的な3つの顔が新たに誕生いたします。」として、東急ストリームライン株式会社を含む3社を紹介するチラシ(甲6)を作成、配布したが、これには、東急ストリームライン株式会社について、「・・・幅広いサービスを提供する国際旅行と、ご出張の手配から精算までをシステム管理することにより、トータルな旅費出張費削減を実現するビジネストラベルマネジメント。このふたつの仕事を両輪として、グローバルな視点で活躍されている国内外のお客様に質の高い旅行サービスをお届けします。」と説明していることから、被請求人(商標権者)が本件商標について東急ストリームライン株式会社に通常使用権を許諾したと推認することができる。

(イ)平成15年にウェブページを開設したが、少なくとも同年10月17日の時点のウェブページ(甲22)において、BTM事業(Business Travel Management)について、「当社では、お客様の多様なニーズにお応えする為、各システム構成を機能ごとにユニット化しております。」との案内文のもとに、「ユニット構成」の1つとして、「●旅費精算ユニットTEAMS Web対応「旅費精算・管理システム」」を掲げ、さらに、TEAMS(Travel Expense Accounting & Management System)につき、「出張に関わる従来の出張申請→手配→精算→支払等の業務で重複していたプロセスを見直し、Web上で電子的に処理・管理する旅費精算・管理システムです。(有料)」と説明している。

(ウ)平成15年2月27日、富士ゼロックスゼネラルビジネス株式会社FXトラベルに対し、「TOKYU BUSINESS TRAVEL MANAGEMENT PLAN」と題する提案書(甲23)を交付して、TEAMSにつき、「出張申請→手配→精算→支払等の業務で重複していたプロセスを見直し、Web上で電子的に処理・管理する旅費精算・管理システム」として、その内容を説明している。

(エ)平成15年3月25日、株式会社オギハラに対し、「ビジネストラベル・マネジメントに関するご提案書」と題する提案書(甲24)を交付して、TEAMSにつき、「出張申請→手配→精算→支払等の業務で重複していたプロセスを見直し、Web上で電子的に処理・管理する旅費精算・管理システム」として、その内容を説明している。

(オ)平成15年3月26日、経済産業省に対し、「旅費法に基づく精算業務の受託提案」と題する提案書(甲25)を交付して、「旅費精算・管理システム」であるTEAMSの内容を説明し(なお、見積りの前提として、「本件で提案する弊社システム「TEAMS」は、一般企業向けに開発した旅費精算・管理システムであり、現時点では官公庁の業務フロートと異なる部分があるため、旅費法令等のすべてをシステムでカバーするまでには至っておりません・・・将来的に弊社システムのバージョンアップに伴い、・・・人件費がメインとなる受託料が引き下げられる可能性があります。」と記載されている。)

(カ)平成15年9月10日、独立行政法人産業技術総合研究所に対し、「出張旅費に関する事務処理システムの構築、運用及びに導入準備業務に関するご提案」と題する提案書(甲29)を交付して、出張旅費精算システム(TEAMS)の内容を説明している。

(2)上記の事実によれば、被請求人(商標権者)の旅費精算・管理システムとは、従来の出張申請、手配、精算及び支払等の業務で重複していたプロセスを見直して、Web上で電子的に処理・管理しようとするプログラムで、顧客の需要に応じて適宜カスタマイズされるものであるから、このようなシステムの提供は、本件役務である「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に当たるということができる。そして、本件商標の審判の請求の登録前3年以内に、被請求人(商標権者)は、この旅費精算・管理システムをTEAMS(Travel Expense Accounting & Management System)と称して、これを記載した提案書を顧客に交付し、また、東急ストリームライン株式会社も、被請求人(商標権者)から通常使用権の許諾を得て、TEAMSに関する広告を内容とする情報を原告のウェブページに掲載したり、これを記載した提案書を顧客に交付したりしている。

2 以上のとおりであるから、被請求人(商標権者)又は通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に当たる「旅費精算・管理システム」について本件商標を使用しているものと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、請求に係る指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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