sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30172(T2006−30172/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3333882号商標の登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3333882号商標(以下「本件商標」という。)は、「スマートライン」の文字を書してなり、平成5年1月29日に登録出願、第9類「温度計,圧力計,液面計,湿度計,熱量計,粘度計,濃度計,密度計,流量計,ガス分析計,自動調節機械器具,配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、同9年7月25日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証の1及び2を提出した。

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次にように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び同第2号証(枝番を含む。)を提出した。

本件商標は、プラントや工場等に設置される被請求人のフィールド機器、サニタリ機器等の総括的な名称として永年使用しているものである。

(1)まず、乙第1号証は、被請求人が食品業界の顧客向けに作成した販売促進用の資料であるが、左上に「スマートラインに最適」と本件商標が使用されている。その下には「スマートライン」の主力製品の一部である、電磁流量計や圧力センサ、発信器等が示されていることからも、「スマートライン」がこれらの製品に関する名称であることは容易に推測できる。

次に、乙第2号証として、乙第1号証にある各製品の内容を具体的に示すためイメージカタログを提出する。これらより、温度発信器には温度計が、電磁流量計には流量計、圧力センサには圧力計、発信器には圧力・液面計が含まれていること、それぞれはセンサにより自動で調節・制御を行う機械器具であること、また通信によって、遠隔から測定の調節・制御が可能な遠隔測定制御機械器具であることは、記載の内容から明らかである。

最後に、使用の時期については、乙第1号証右下に「改訂:2005年7月」と示されていることから、本件審判請求の登録以前より使用されていることは事実である。

(2)被請求人は、各種の測定機械器具である個別商品又は包装に本件商標を貼付する証拠は提出しない。

被請求人は、本件商標を使用する器具を一般的なユーザではなく、いわゆる計測システムにかかる測定機械器具の取引業者に向けて販売しており、また本件商標は、これらのシステム商品の仕様を示す商標として使用されることが重要であったこと、システム商品の商標として使用されることが多いために個別の商品やその包装等に本件商標を使用する必要性が低かったこと、及び実際に機器に刻印等をしていたとしても通常は取引者が注意を向ける対象ではない当業界での取引の情況があることである。

したがって、商品に関する広告、チラシ等の取引書類に標章を付して展示し、又は頒布する行為のみでも、本件商標の使用として認められるべきである。

4 当審の判断

本件商標は、前記のとおり「スマートライン」の文字よりなるところ、被請求人は、本件商標をプラントや工場等に設置される被請求人のフィールド機器、サニタリ機器等の総括的な名称として永年使用している旨主張し、乙第1号証及び同第2号証(枝番を含む。)を提出するので、以下検討する。 乙第1号証は、被請求人が「食品業界向け販売促進用資料」と述べるリーフレットであり、これには「山武のフィールド機器 サニタリ機器のご紹介です!」の文字の上部に「スマートラインに最適」の文字が表示されていることが認められる。

しかしながら、「スマートラインに最適」の文字は、同じ書体、同じ大きさで一体的に表されており、その全体より生ずる意味合いも、同資料に掲載されているサニタリ形電磁流量計、圧力センサ、サニタリ・フランジ形発信器などの機器がスマートラインに最適なものである旨を記述した一体不可分の構成よりなるものといわなければならず、「スマートライン」の文字部分のみで自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認めることができない。

してみれば、「スマートラインに最適」の文字は、商標として認識されることを前提としてみても、本件商標と社会通念上同一のものということはできず、他に、乙第1号証には本件商標と社会通念上同一と認め得る商標は見当たらない。

乙第2号証(枝番を含む。)は、各種商品が掲載されたカタログであるところ、これらには、「現場第一のスマート電磁流量計」、「スマート差圧圧力発信器」、「アナログ計器からスマート機器への更新」、「スマート機器からフィールドバスへのアップグレード」などの文字が見受けられるもの、本件商標と構成文字を同一にする「スマートライン」の文字、あるいは本件商標と社会通念上同一と認め得る商標は見当たらない。

そうとすれば、被請求人の提出に係る証拠には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は使用されているということはできないから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について本件商標を使用した事実を証明していないといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。