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Trademark Appeal Case

著名略称の使用識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第10899号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「HP」の欧文字を書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)、電気材料」を指定商品として平成3年10月31日に登録出願されたものであるが、指定商品については平成7年7月26日付け手続補正書により「電気磁気測定器,ローカルエリアネットワーク機器,電子応用測定機械器具,電子計算機[中央処理装置およびその周辺機器(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープを含む。)]」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、商品の品番・規格等を表す記号、符号表示として一般に採択使用されているローマ文字の『HP』を書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するも、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなるものであって、本願商標は、商標法第3条1項第5号に該当するものである。出願人は、補正後の指定商品との関係で、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備する旨主張しているが、提出に係る証拠をみても、『HP 3070』『HP ME10』等の使用例は、全体として商品の種別、型式、規格等を表したものと認識されるに止まると認められ、取引者、需要者は、『HP』の文字部分が特定の商品に使用されている商標と認識する必然性はないとみるのが相当であり、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備しない。」旨の拒絶の理由で本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

A 本願商標の指定商品である電子応用機械器具をはじめ各種商品の製造・販売に関わる事業者は、自己の製造、販売に係る商品について、その製品管理又は取引上の便宜性から、欧文字の1文字ないし2文字よりなる標章を当該商品の規格、形式又は品番を表示するために普通に使用しているのが実情である。

しかして、本願商標は、前記した構成よりなるものであって、欧文字の「HP」を普通の書体で表示したものであるから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものといわなければならない。

したがって、この点に関する原査定の判断は妥当なものである。

B 請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備していると主張し、証拠方法として第1号証ないし同第103号証(枝番を含む)を提出しているので、以下、この点について検討する。

提出された各号証を総合して検討すれば、「HP」の文字は、請求人の商号の略称として使用され、かつ、著名なものとなっているということができるものである。

また、第17号証、第18号証、第20号証、第22号証、第24号証、第85号証乃至第89号証(枝番を含む)の東京商工会議所、日本電子機械工業会外の本願指定商品に係る工業会、取引業者、研究従事者などによる証明書を総合して検討すれば、本願商標を構成する「HP」の文字は、請求人が本願指定商品に使用する商標として取引者、需用者間において知られていると認定し得るものである。

一方、本願商標が、その指定商品に使用されているとして提出された、第36号証(カタログ)外には、商品「オシロスコープ」(「電気磁気測定器」に含まれる)について「HP 54603B」などの商標が、商品「光測定器」(「電子応用測定機械器具」に含まれる)について「HP 8153A」などの商標が、商品「電子計算機」について「HP 9000コンピュータ」などの商標が、第39号証の2(カタログ)には「ローカルエリアネットワーク機器」について、「HP Network Printer」の商標が使用されているが、前記したように「HP」の文字が、指定商品との関係において、請求人の著名な略称ということができ、かつ、請求人の使用する商標として取引者、需用者間において知られていると認定し得ることから、これらの「HP 54603B」、「HP 8153A」、「HP 9000コンピュータ」、「HP Network Printer」などにおける「HP」の文字は請求人の著名な略称であって、自他商品識別標識として認識され、「HP」以降の「54603B」、「8153A」、「9000コンピュータ」、「Network Printer」などの文字は商品の規格・品番などを表すための記号・符号表示、あるいは、商品の品質を表示したとの認識がされるものというのが相当である。

さらに、各号証によれば、本願商標は、その指定商品について1970年頃から使用され、以降、新聞・雑誌・展示会等で相当量の宣伝がなされた事実が認められるところである。

そして、以上の事実・認定を総合して検討すれば、本願商標は、これと社会通念上同一といえる商標がその指定商品について使用された結果、本願指定商品の取引者、需要者間において、請求人の取り扱いに係る商品の商標として認識されているとみても差し支えないものと判断される。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しているから、本願商標が自他商品識別機能を有しない旨の理由で本願を拒絶することはできないものである。

その他、本願を拒絶する理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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