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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31144(T2005−31144/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第441408号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第441408号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和27年11月4日に登録出願、第1類「風邪に用ふる薬剤(散薬、粉末薬、丸薬、錠薬、前薬、浸剤、振出し、茶剤、煉薬、含嗽剤、内服用水剤、乳剤(内服薬)膏薬、薬飴)」を指定商品として、同29年3月3日に設定登録されたものである。

なお、指定商品については、平成17年1月19日に指定商品の書換登録がされ、第5類「風邪に用いる薬剤(散剤,粉末薬,丸薬,錠薬,煎薬,浸剤,振出し,茶剤,煉薬,含嗽剤,内服用水剤,乳剤(内服薬),膏薬,薬飴)」と書き換えられている。

2 請求人の主張

(1)請求の理由

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む)を提出している(なお、請求人は、審判請求書添付の証拠を「甲第1号証ないし甲第2号証(枝番号を含む)」とし、弁駁書添付の証拠を「甲第1号証ないし甲第4号証」としており、証拠の表示番号が重複しているため、後者については、「甲第3号証ないし甲第6号証」に訂正した。)。

請求人が鋭意調査した限りにおいては、本件商標が商標権者によって継続して3年以上いずれの商品においても日本国内において使用されている事実を発見することができなかった。また、商標登録原簿を見ても専用使用権および通常使用権は設定登録されておらず、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もない。

更には、本件商標を使用していないことについての正当な理由も認めることができない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その商標登録の取消を請求するものである。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)乙第3号証ないし乙第6号証の「出荷案内」は、宛て名が明記されてはいるが、何処に在住する注文者へのものであるのか不明であると共に、これらの各「出荷案内」と関連した注文書、受領書、代金支払書、その他の取引事実を証明する書面等が全く提出されていないので、実際に注文者との間で取引に供されたものであることの確証が得られないので証拠力がない。

(イ)乙第7号証の1(薬袋の全体表面写真)及び乙第7号証の2(薬袋の全体表面における上部分の拡大写真)に表示されている商標は、本件商標の使用には当たらない。本件商標は、「風に一番バン」までの文字が同書同大で一連一体に縦書きされ、その下部にアルファベットによる「BAN」の文字が「風邪に一番バン」の文字全体と一体に左横書きしてなる構成であって、本件商標とは社会通念上同一と認められる範囲内の構成態様とは明らかに異なったものである。

(ウ)請求人が調査した限りでは、被請求人が本件商標を本件審判請求の予告登録日前3年以内に使用している事実はない。

被請求人は、少なくとも、本件審判請求の予告登録日前3年よりも相当以前に、それまで使用していた「風邪に一番バン」の商標を「風にバン」及び「風バン」の商標に変更して、その使用は現在に至っている。その証左として、日本国内で流通する各医薬品の詳細を掲載した情報誌「一般薬 日本医薬品集」(財団法人日本医薬情報センター編集、株式会社じほう発行)を甲第3号証ないし甲第6号証として提出する。

したがって、「風邪に一番バン」の商標を付した乙第7号証の1及び乙第7号証の2の写真に係る薬袋は、現在は明らかに使用されていない薬袋であるから証拠力はない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。

被請求人は、本件審判請求の登録日の3年前よりも以前である昭和27年に厚生省から、本件商標に係る医薬品の製造許可を受けて以来、現在に至るまで継続して、本件商標を「風邪に用いる薬剤」に使用しているものである。この事実は、乙第1号証ないし乙第7号証の2によっても明らかである。

したがって、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録日の3年前よりも以前から現在に至るまで、継続して「風邪に用いる薬剤」に使用していることは明らかであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定には該当しない。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、乙第3号証ないし乙第6号証は、いずれも「出荷案内」と題する書面であり、乙第3号証は、鶴井弘宛の平成16年6月21日付出荷案内であり、乙第4号証は、米田誠宛の平成16年9月10日付出荷案内であり、乙第5号証は、森田充彦宛の平成16年9月22日付出荷案内であり、乙第6号証は、阪本卯蔵宛の平成16年10月25日付出荷案内であって、いずれの出荷案内にも、品名欄に数種類の商品が記載されている。

乙第7号証の1は、薬袋の表面の全体写真と認められるものであり、乙第7号証の2は、当該薬袋の上部の拡大写真と認められるものであって、薬袋最上部の横長黒地部分には、赤色で「風に一番」の文字が比較的小さく横書きされ、その後部に、該「風に一番」の文字に比べて格段に大きく、金色で丸みをもった片仮名文字の「バン」の文字が横書きされており、中央部分には、大きく表された女性の写真の周辺に「かぜの/初期の/治療に」の文字と「抗ヒスタミン剤配合」の文字が配されており、「バン」の文字の下には、三角形内に「NIK」の文字が記載され、下欄には「日本医薬品製造株式会社」の文字が記載されている。

(2)被請求人は、上記乙各号証により、本件審判の請求の登録(平成17年10月5日)前3年以内に、本件商標を「風邪に用いる薬剤」に使用していたことが明らかである旨述べている。

しかしながら、本件商標と乙第7号証の1及び2の薬袋に表示されている商標とが社会通念上同一と認められる範囲内の商標であるとしても、乙第7号証の1及び2の薬袋自体が本件審判の要証期間内に使用をされたものであることを認めるに足る証拠(例えば、該薬袋を製作した会社の証明書等)もなく、また、乙第3号証ないし乙第6号証をもってしては、乙第7号証の1及び2に示されている商品が各名宛人へ出荷されたものとみるのは困難である。

すなわち、乙第3号証ないし乙第6号証の品名欄には、いずれも、手書きの文字で、「風に一番バン」の商品名が記載されているように見えるが、この文字中の「一」の文字は、いずれも「に」と「番」の文字の間に、極めて短く、いかにも窮屈そうに表示されている。一般的に「一」の文字や長音の横棒などは、比較的伸びやかに書かれる傾向にあり、現に、乙第5号証の品名欄に記載されている「ノーハレ顆粒」及び「ノーハレ顆粒差袋」の文字中の長音部分は伸びやかに書かれている。しかも、「ノーハレ顆粒差袋」の文字は、品名欄を越えて書かれていることからみれば、「風に一番バン」の文字についても、品名欄に納めて書かれなければならなかったとする格別の事情は認められない。

そうとすれば、「風に一番バン」の文字中の「一」の文字のみが極めて短く窮屈そうに表示されているのは、いかにも不自然なものといわなければならない。

しかも、請求人の提出に係る「一般薬/日本医薬品集」(甲第3号証ないし甲第6号証)によれば、1996年ないし2005年当時に流通していた被請求人の商品のうち、乙第3号証ないし乙第6号証の「出荷案内」に記載されている「ノーハレ(顆粒)」、「やまと丸」、「バンヒントDX」、「神州丸」等の商品は掲載されているが、本件商標に近い名称の商品として掲載されているのは、「風にバン糖衣錠E BanE」、「風バン Ban」、「風にバン」、「かぜにバンBan」、「カゼにバンBan」、「風バンBan」等の商品であり、上記各名宛人へ出荷されたとされる平成16年(2004年)及びそれ以前においても、「風に一番バン」の商品が流通していたとする記載は見当たらない。

してみれば、乙第3号証ないし乙第6号証に記載されている「風に〜」の表示は、乙第7号証の1及び2に表示されている商品名である「風に一番バン」の商品名とみるには疑問が残り、「風に一番バン」の商品が各名宛人へ出荷されたものとは俄に認め難いところである。

また、甲第5号証及び甲第6号証の「一般薬/日本医薬品集」によれば、被請求人は、本件審判の要証期間内に、「風バンBan」、「風にバン糖衣錠E BanE」の風邪薬を販売していたことを認めることができるが、これらの商標は、本件商標と対比した場合、構成文字に共通する部分があるとしても、称呼を異にし、商標から受ける印象を全く異にするものであるから、最早、本件商標と社会通念上同一と認められる範囲内の商標ということはできない。

そして、被請求人は、他に、本件商標をその指定商品について使用をしていたことを裏付けるに足りる証拠を提出していない。

(3)以上、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。

したがって、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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