Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90146(T2006−90146/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4921096号商標(以下「本件商標」という。)は、「エンジェルネット」の片仮名文字と「ANGELNET」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成17年5月17日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月24日に登録査定、同18年1月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人イーエムアイ(アイピー)リミテッド(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由として引用する登録第455647号商標は、「ANGEL」の欧文字を横書きしてなり、昭和29年3月4日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同29年11月15日に設定登録されたものである。
また、申立人は、その外に、別掲(1)ないし(6)に示したとおりの6件の登録商標を引用している(以下、上記商標を含めて、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「ANGEL/エンジェル」の文字部分は、申立人の商標として極めて著名であり、しかも、「NET/ネット」の部分は、「ネットワーク」の略語として日常頻繁に使用され、本件商標の指定商品との関係では自他商品識別標識として機能しない。そうとすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、「ANGEL/エンジェル」に注意を惹かれ、この部分を他の構成要素と分離して捉えるは必定である。
したがって、本件商標と引用商標とは「エンジェル」の称呼、「天使」の観念を共通にする類似の商標であり、指定商品も抵触する。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、世界最古のレコード会社であり、同社のクラシックレーベルとして「ANGEL」の文字及び天使の図形を戦前より使用しており、申立人のレコードは、いわばレコードの歴史にも相当すると言ってよい。
わが国においても、昭和28年12月、東京芝浦電気株式会社(現在の東芝)が英EMI等と原盤契約を結び、昭和30年9月にANGELレコードの発売を開始した。
このような永年の使用により、本件商標が出願された平成7年頃には既に、「ANGEL/エンジェル」の商標は、申立人ないしは東芝イーエムアイ社のクラシックレコードのレーベルとして、世界のクラシックファンの間ばかりでなくわが国の取引者、需要者間においても著名なものとなっていたものである(甲第9号証ないし同第24号証)。
したがって、引用商標は、本件商標が出願された時点でも既に「レコード」の商標として著名であったから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであり、また、「レコード」と関係の深い「CDプレーヤー、レコードプレイヤー、テープレコーダー、ビデオレコーダー、テレビ受信機並びにレコード、録画済みビデオディスク」等に使用された場合には、該商品が請求人ないしは東芝イーエムアイ社の業務に係る商品であるとその出所について混同を生じるは必定であるから、商標法第4条第1項第15号にも違反して登録されたものである。
(4)したがって、本件商標の指定商品中の第9類に属する指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する片仮名文字及び欧文字の各構成文字は、いずれも同書、同大に外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「エンジェルネット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「ネット/NET」の文字部分が「ネットワーク」の略語として用いられている場合があるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろその構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「エンジェルネット」の称呼のみを生ずるものであって、単に「エンジェル」(天使)の称呼・観念が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「エンジェル」(天使)の称呼・観念をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
上記のとおり、本件商標と引用商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
してみれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を直ちに連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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