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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90480(T2005−90480/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4871673号商標の指定商品中「文房具類」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4871673号商標(以下「本件商標」という。)は、「桜あそび」の文字を標準文字で書してなり、平成16年8月2日に登録出願、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て,製本用のクロス・紙表紙・糸・ひも・バインダーなどの製本用材料,プラスチック製包装用袋,プラスチック製包装用フィルム,プラスチック製気泡状包装材料,事務用ゴムバンド,紙製便座シート,紙製又はプラスチック製の簡易買物袋,ブックエンド,事務用文具収納棚,書類箱,紙製バッチ,パスポートホルダー」を指定商品として、平成17年6月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立理由

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第8号に該当し、その登録は取り消されるべきであるとして、本件登録異議の申立ての理由を要旨つぎのように述べた。

(1)本件商標は、その構成より「さくら」の称呼、観念が生ずるところ、申立人の引用に係る登録商標、すなわち、昭和33年7月31日に登録出願され「櫻」の文字を書きしてなり、第51類「文房具」を指定商品として、昭和34年9月28日に設定登録された登録第542446号商標及び昭和33年7月31日に登録出願され「さくら」の文字を縦書きしてなり、第51類「文房具」を指定商品として、昭和34年9月28日に設定登録された登録第542443号商標と類似する商標である。

(2)「SAKURA」「サクラ」の各文字よりなる商標、「桜の図形」及び「桜の図形」と「SAKURA」「サクラ」の各文字との結合した商標(以下まとめて、「引用未登録商標」という。)は、大正15年から申立人の業務に係る商品であるクレヨン等について使用を開始し、その後も継続的に使用しており、かつ、申立人のハウスマークでもあり、申立人の取り扱いに係る多くの商品に使用されていて、これら商品の市場占有率は、いずれも50%前後に上る。さらに、申立人は、引用未登録商標を使用した申立人の商品について、テレビや業界紙等を通じて宣伝活動を行っている結果、引用未登録商標は、本件商標の登録出願時には、その指定商品の分野において周知性を獲得していたものである。そうすると、本件商標中の「桜」は、取引上要部として機能するときがあるから、本件商標と周知性を有する引用未登録商標は、称呼及び観念が類似するものである。また、引用未登録商標は、申立人の商標として広く知られているから、本件商標をその指定商品について使用した場合は、その需要者が該商品を申立人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)そして、本件商標中の「桜」は、申立人の著名な略称であり、その使用についての承諾はしていない。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標はその指定商品中の「文房具類」については、商標法第4条第1項第15号に該当するものとして、商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。

甲第11号証ないし甲第21号証、甲第24号証ないし甲第30号証及び上申書(平成17年11月10日付)の参考資料1ないし3によれば、申立人は、大正15年から、引用未登録商標を申立人の業務に係る商品であるクレヨン、パステル等の絵画用材料について使用を開始し、その後も、クレヨン、パステル、絵の具などの筆記具等を中心とする文房具について使用し、引用未登録商標は、申立人のハウスマーク的存在となっていること、申立人は引用未登録商標を使用した同人の商品について、テレビや業界紙等を通じて、継続的に宣伝活動を行っていること、申立人の取り扱うクレヨン、パステル、絵の具等の市場占有率は、いずれも50%前後に上ることなどが認められ、引用未登録商標は、申立人の業務に係る商品「クレヨン等の絵画用材料」等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願時には既に、需要者の間に広く認識されていたものみて差し支えないものである。

そして、本件商標は、前記1のとおり、「桜あそび」の文字を書してなるものであるところ、構成全体をもって、親しまれた熟語的意味合いを有するものは認め難いところであり、容易に「桜」と「あそび」の2語を結合したものと理解されるものであって、かつ、これを常に不可分一体のものとしてのみ把握されるべき格別の事情も見出し難いものであるから、本件商標をその指定商品中の絵画用材料等の文房具類との関係においてみれば、これに接する需要者は、その構成中の「桜」の文字部分に印象づけられて取引に資する場合が決して少なくないものということができる。

そうすると、本件商標中の「桜」の文字部分は、「クレヨン等の絵画用材料」等について使用され、需要者の間に広く認識されている引用未登録商標と称呼、観念において類似する商標であるから、本件商標をその指定商品中の「文房具類」について使用した場合は、これに接する需要者をして、引用未登録商標を想起又は連想させ、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとみるのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「文房具類」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ない。

4 当審の判断

(1)本件商標についてした先の取消理由(上記3)は妥当であって、これに対し商標権者は、所定の期間内に何ら意見を述べるところがない。

してみると、本件商標の登録は、指定商品中「文房具類」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

(2)本件商標の指定商品中「文房具類」を除く、その余の指定商品については、申立人の引用に係る登録商標の指定商品「文房具」とは非類似の商品である。また、「桜」と「あそび」の2語を結合したものと理解される本件商標が熟語的意味合いを形成することがないとしても、前述の如き特段の事情が存する場合は別として、該構成中の「桜」の文字(語)自体から連想・想起されるのは、一植物を或いは国花、お花見の対象や色彩等であり、これらは日常的に広く親しまれているものということができ、甲各号証からはこれを越えて、その余の指定商品についてまでその視点を移し、引用未登録商標を連想・想起するとはいい難く、その周知・著名性が及ぶものとするのは困難であり、かつ、「桜」の文字(語)が申立人の著名な略称であるとすることもできない。したがって、本件商標は、その指定商品中の「文房具類」を除く、その余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号及び同第10号、同第15号及び同第8号に該当するものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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