Trademark Appeal Case
「香」の識別力と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 判定2006−60041(T2006−60041/J6) |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | other |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第735137号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり、「開運香」の文字を縦書きしてなり、昭和39年4月3日に登録出願、第4類「薫料」を指定商品として、同42年3月7日に登録出願され、その後、4回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、現在、有効に存続しているものである。
第2 イ号標章
被請求人が商品「線香」に使用する標章として請求人が示す標章(以下、「イ号標章」という。)は、別掲(2)の写真に表されたとおりの構成よりなり、「開運」の文字の略字を筆書き様に縦書きしてなるものである。
第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第16号証を提出した。
1.理由の要点
本件商標は、漢字縦書きで「開運香」と表してなるところ、「香」の文字は商品の品質を表示する自他商品識別機能を果たさないものであるから、前半部の「開運」の文字に相応した「カイウン」の称呼及び「運が開けること。幸運に向かうこと。」の観念を生ずるものである。
一方、イ号標章は、漢字縦書きで「開運」と表してなるものであるから、「カイウン」の称呼及び「運が開けること。幸運に向かうこと。」の観念を生ずることは明白である。
したがって、両者は「カイウン」の称呼及び「運が開けること。幸運に向かうこと。」の観念を共通にする類似の標章である。
また、本件商標にかかる指定商品第4類「薫料」に、イ号標章の使用商品「線香」が属することも明瞭である。
2.判定請求の必要性
請求人は、本件商標の商標権者であるが、被請求人が商品「線香」にイ号標章の使用をしていること(甲第1号証)について、平成18年7月3日付けの警告書にて、被請求人に対し、前記商標登録の商標権を侵害するものである旨の警告を発した(甲第2号証)。
これに対し、被請求人は、平成18年7月12日付けの回答書において商標権侵害の事実を否認した(甲第3号証)。
これに対し、請求人は、平成18年7月20日付け再警告書をもって被請求人の主張はいずれも根拠がない旨を指摘して再度警告した(甲第4号証)。
然るに、被請求人は平成18年7月27日付けの回答書において再度商標権侵害の事実を否認してきた(甲第5号証)。
請求人は、被請求人が使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属することは明白であると確信するものであり、本判定を求める次第である。
3.イ号標章の説明
被請求人は京都府京都市東山区祇園町北側277において、薫香・線香・念珠の販売店舗を構えている。
請求人が祇園界隈を訪れた際、当該店舗に立ち寄って購入したのがイ号標章を付した商品「線香」であり、甲第1号証に示すとおり、紙箱表面の上部に図形を背景に「開運」の文字を行書体風に表したシールが貼られ、下部に自社店舗名を所在と電話番号を添えて表している。
また、この紙箱内部に線香が納められているが、線香を束ねた紙片の前面に、紙箱表面に貼着したシールと同様のシールが貼られている。
したがって、当該シールに表された「開運」の表示は、被請求人が販売する線香の商標として使用されていることは明白である。
第4 被請求人の答弁
被請求人は、本請求に対し、何ら答弁していない。
第5 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおり、「開運香」の文字を縦書きしてなるところ、その構成中「香」の文字は、本件指定商品中「線香」等との関係においては、商品の品質を表示したものと理解、認識させるにすぎず、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
また、商品「線香」の商標として、「〇〇香」の商標が市場にも多数存在するものである。
そうすると、本件商標に接する需要者、取引者は、本件商標の構成中の「開運」の文字に着目し、取引に当たる場合も決して少なくないというべきであるから、該文字に相応して、「カイウン」の称呼及び「運が開けること」の観念をも生ずるものといわなければならない。
他方、イ号標章は、別掲(2)の写真に表されたとおり、茶色の矩形太枠内に薄緑色の図形及び薄茶色の図形を上下に配し、それらを背景にして、「開運」の文字の略字を筆書き様に縦書きしてなるところ、これよりは、「カイウン」の称呼及び「運が開けること」の観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標とイ号標章とは、外観において差異を有するとしても、「カイウン」の称呼及び「運が開けること」の観念を共通にする、互いに紛れやすい類似するものというのが相当である。
また、イ号標章が使用されている商品「線香」は、本件商標の指定商品に含まれるものである。
したがって、商品「線香」に使用するイ号標章は、登録第735137号商標の商標権の効力の範囲に属するものである。
よって、結論のとおり判定する。
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