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Trademark Appeal Case

原材料表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−18534(T2005−18534/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第29類「豆腐,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,納豆,豆乳」を指定商品として、平成16年12月24日に登録出願されたものであるが、指定商品については、原審における同17年7月20日付け提出の手続補正書により、第29類「豆腐,油揚げ,凍り豆腐」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、「天然にがり」の文字と「大豆」の文字を大きく二段に書し、「天然にがり」の文字の後ろに、赤色四角形の中に「と」の文字を白抜きで書し、「大豆」の文字の後ろに、「だけで」及び「作りました。」の文字を書した構成よりなるところ、文字を多少装飾しているとしても、本願商標全体として「天然にがりと大豆だけで作りました。」の文字を表したものと認識されるにとどまるとみるのが自然である。そうとすれば、これを本願指定商品に使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、単に、商品の原材料、製法、品質を表示しているものと認識するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、これを構成する「天然にがり」、「と」、「大豆」及び「だけで作りました。」の各構成文字は、それぞれの書体及び大きさに相違する点があり、また、「と」の文字部分がやや図案化され、着色されているとはいえ、かかる構成にあって、これ自体が並列の意を表す助詞であると理解する以上に特異な字体とはいい難いところである。

そして、一般に、標章などが商品の包装、ラベル等に付される場合、各種レタリングされた書体が多種多様に用いられており、本願商標の構成態様が格別なものとも認め難く、この程度の書体、文字の装飾の方法は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱していないものというべきであって、「天然にがり」、「と」、「大豆」及び「だけで作りました。」の各文字により構成されているものとして認識される以上にかかる構成態様が強く印象されるほど特徴あるものということができない。

したがって、本願商標は、全体として「天然にがりと大豆だけで作りました。」の文字を表示したものと認識するにすぎず、これをその指定商品である「豆腐,油揚げ,凍り豆腐」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「当該商品が天然にがりと大豆だけを使用して製造したもの」であること、すなわち、商品の原材料、製法、品質を表したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものとみるのが自然である。

2 なお、請求人(出願人)は、「本願商標の構成は、商品の原材料、製法又は品質を表示するものではなく、また、その構成は、顕著な外観、決して普通でない外観の下に渾然一体として斬新な印象を与えて識別力を発揮するものであるから、本願商標は一体不可分の「天然にがりと大豆だけで作りました。」として個性を有し、全体として感覚的に把握されて自他商品の識別標識として機能を発揮するものである。さらに、本願商標をその指定商品に現実に使用しており、自他商品の識別標識としての機能を発揮している。」旨述べて、本願商標は登録されるべきであると主張する。

しかしながら、本願商標の構成全体は、前記1のとおり、商品の識別標識として、格別に顕著な点はなく、いまだ普通に用いられる方法の域を脱していないものというべきである。

しかして、商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年9月4日判決 東京高裁平成12年(行ケ)第76号)と判示されているところであり、これを踏まえれば、たとえ、本願商標の構成自体が、商品の品質等を表すものとして、現実には使用されていないとしても、別掲(2)(ア)ないし(オ)に挙げるような、請求人(出願人)以外の者が、本願指定商品の原材料として、「天然にがり」及び「大豆」のみを使用しているという状況の下において、請求人(出願人)が、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「当該商品が天然にがりと大豆だけを使用して製造したもの」であることを認識するにとどまり、結局、本願商標は、商品の原材料、製法、品質を表示するにすぎないものというべきである。

また、使用による識別性の獲得を主張して登録が認められるのは、出願された商標及び指定商品又は指定役務と、使用されている商標及び商品又は役

務とが同一の場合のみに限られるところ、請求人(出願人)の挙げる証拠は、本願商標のみならず、他の文字及び図形も一緒に付されたものであって、請求人(出願人)の取扱いに係る商品の生産高や売上高等も明らかではないこと等よりすれば、かかる証拠によっては、本願商標が請求人(出願人)の取扱いに係る商品を表すものとして、取引者、需要者間にどの程度認識されているか把握することができない。

したがって、これら請求人(出願人)の主張は採用することができない。

その他、請求人(出願人)の主張及び立証をもって、上述1の認定を覆すことはできない。

3 以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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