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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠の信憑性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31529(T2005−31529/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2312837号商標の指定商品「第29類 カレー・シチュー又はスープのもと」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2312837号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲1に示す構成からなり、昭和58年12月29日に登録出願、平成3年6月28日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成14年8月21日、第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求の理由

継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、指定商品中「カレー・シチュー又はスープのもと」について、本件商標を使用した形跡が見当たらないので、商標法第50条第1項の規定に該当する。

(2)答弁に対する弁駁

ア 請求人は、被請求人の提出する登録商標の使用説明書は使用の事実を証明する客観的な証拠として疑わしいと考えるので、別の客観的な証拠の提出を強く希望する。

イ 継続して3年以上日本国内において通常使用権者である宝酒造株式会社が「コーンポタージュスープのもと」について使用していると説明するが、上記3年以上使用している証拠は何ら存在せず、あたかもみりん入りの缶に真新しいラベルをセロファンテープで貼り付けた一種類の写真と取引書類が挙げられているにすぎない。なお、被請求人が立証しなければならないことは、審判の請求の登録前3年以内に商標権権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが使用していることであって、上記3年以上継続使用している証拠ではない。

ウ 仮に、審判請求の登録前3年以内に商標権権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが使用していることを証明したいものであるとしても、提出された写真は、隣に写っているみりん入りの缶に真新しいラベルを4側面にセロファンテープで貼り付けたものであり、スープのもととしての使用の事実を証明する証拠としては限りなく疑わしいものである。まるで、隣に写っているみりん缶を引用したのではないかと思われるのは、そこには70025というような箱が積み上げられており、それを代用すれば今回の写真は容易に作成でき、「取引伝票」もそれに合わせれば容易に作成できるものである。ここで、缶の蓋部分は、「封鍼」「謹製」等というみりん缶と思われるような記載がある。通常、今回のような18リットル缶では、この缶蓋に内容物を表示させる等の重要な部分であるから、この缶蓋の証拠としての提出を希望する。また、「取引伝票」も何故に写ししか提出しないのか理解できず、本物の提出を希望する。

エ また、請求人は今回の一連の事件では11件の請求を行ったが、これら11件の各証拠は、いずれも上記一種類の写真と取引書類が挙げられているにすぎず、不使用取消しを免れるための極めて名目的(形式的)な使用と認定されても致し方ないものであるから、第三者の証明等を含む証拠を更に求めるか、別の客観的な証拠がないと取消しを免れるべきものではない。

3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として登録商標の使用説明書を提出した。

(1)被請求人の反論

(イ)本件商標は、継続して3年以上日本国内において通常使用権者である京都市伏見区竹中町609番地の宝酒造株式会社が、その指定商品中「コーンポタージュスープのもと」について使用している。

(ロ)登録商標の使用に係る商品の写真

「登録商標の使用説明書」に添付提出の写真の商品は、「加工業務用コーンポタージュスープのもと」(18リットル缶入り)で、側面には、本件商標と「タカラ(宝)」の称呼観念を一にする社会通念上同一の商標が鮮明に表されており、本件商標がその指定商品中「コーンポタージュスープのもと」について使用されている。

(ハ)前記商品の販売の事実を証する取引伝票

前記商品の販売事実は、「登録商標の使用説明書」に添付の平成17年4月15日、平成17年5月13日、平成17年6月15日付け受領書により、本件商標の使用に係る商品「TakaRa加工業務用コーンポタージュスープのもと」(商品コード14474)18リットル缶入り各10缶が、前記通常使用権者である宝酒造株式会社が、同社の東日本ロジスティクセンター(千葉県松戸市新作字高田26−1)から、東京都中央区日本橋2丁目15一10の株式会社トータルマネジメントビジネスの経営に係る「アンソロジー」店に販売され、同商品が受領されたことを証する。

(ニ)そして、本件商標の使用に係る「コーンポタージュスープのもと」が本件審判請求に係る指定商品「カレー・シチュー又はスープのもと」に含まれることは明らかである。

(ホ)むすび

上記のとおり、本件商標は、継続して3年以上日本国内において通常使用権者により本件商標がその指定商品中「コーンポタージュスープのもと」について使用されており、本件取消審判請求に係る指定商品「カレー・シチュー又はスープのもと」について、その登録を取り消されるべきではない。

(2)弁駁に対する再答弁

請求人の弁駁は、畢竟独自の見解による言いがかりの域を出ないものであり、本件は、平成18年3月9日付け答弁書について差出しの証拠に基づいて審理されれば足りるものである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出した登録商標の使用説明書(以下「使用説明書」という。)によれば、以下の事実が認められる。

ア 使用説明書に添付された写真には、缶状の物品が現されており、その缶の側面には黄色のラベルが貼付されている。

そして、同ラベルには、上部左に「TaKaRa」の表示があり、また、上部中央には、八稜鏡輪郭内にやや図案化した「寶」の文字を配した標章が表示されている。さらに、「14474」、「18l」、「加工業務用コーンポタージュスープのもと」、「宝酒造株式会社 京都市伏見区」等の表示がある。

イ 使用説明書に添付された受領書の写し(第1葉)は、宛先を「宝酒造株式会社」とする東京都中央区日本橋2丁目15一10の「アンソロジー」の平成17年4月15日付け受領書のものと認められる。そして、当該受領書の品名分類コード欄には「14474」、品名欄には「TaKaRa加工業務用コーンポタージュスープのもと」の各記載がある。

ウ 使用説明書に添付された受領書の写し(第2葉及び第3葉)は、宛先を「宝酒造株式会社」とする上記「アンソロジー」の平成17年5月13日付け及び同年6月15日付けの受領書のものと認められる。そして、これらにも、その品名分類コード欄には「14474」、品名欄には「TaKaRa加工業務用コーンポタージュスープのもと」の記載が認められる。

エ 上記アとイ及びウにおいて、その商品番号と認められる「14474」及び品名を共通にすることから、アに示された商品「コーンポタージュスープのもと」が、前記受領書の各年月日に、宝酒造株式会社からアンソロジーに引き渡されたと推認し得るものである。

オ 商品「コーンポタージュスープのもと」は、本件商標の指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」に属する商品というべきものである。

そして、上記事実より、本件の使用に係る商標は、別掲2の「TaKaRa」の欧文字及び別掲3の「八稜鏡輪郭内にやや図案化した寶の文字を配した標章」(以下、これらをあわせて「使用商標」という。)ということができる。

(4)次に、本件商標と使用商標とが社会通念上同一と認められるか否かについて判断する。

商標法第50条で規定するところの「登録商標の使用」とは、その請求に係る指定商品についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)ほか、同一と認められる範囲(例えば、商標の要部でない附記的な部分を多少変更して用いるとか、横書きの文字部分を縦書きにして用いるとかの場合)にあると解される。

そこで、これを本件についてみると、使用商標は、別掲2の「TaKaRa」の欧文字及び別掲3の「八稜鏡輪郭内にやや図案化した「寶」の文字を配した標章」よりなるものと認められる。

これに対し、本件商標は、別掲1のとおり円輪郭内に草書体で「宝」の文字を上方の中央部分に表し、該文字の下方に特徴のある4本の波状の線図形を顕著に表した組み合わせよりなるところ、その構成全体は外観上一体的に結合されたものとして認識、把握されるものであり、その中のいずれが主要要部分でいずれが附記的部分とするかとの判断をすることはできないものである。

してみると、本件商標と当該使用商標とはその構成上も外観が著しく異なるものであって、本件商標から文字部分のみを抽出して、それを商標と使用したとしても、その使用は、本件商標の使用にあたるということはできない。

そうとすると、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認めることはできない。

(4)したがって、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件請求に係る指定商品「カレー・シチュー又はスープのもと」について、本件商標を使用していなかったものというべきであり、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」について登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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