Trademark Appeal Case
標語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−11437(T2005−11437/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「IT’S GOOD TO PLAY TOGETHER」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,電子応用機械器具及びその部品」及び第41類「娯楽に関する情報を掲載した電子出版物の提供,オンラインによる娯楽に関する情報の提供,インターネット又はコンピュータネットワークを通じた対戦ゲームの提供,その他の娯楽の提供」を指定商品及び指定役務とし、2003年7月10日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成15年10月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『IT’S GOOD TO PLAY TOGETHER』の文字よりなるところ、指定商品及び指定役務中には、ゲームを一人でするだけでなく、複数の人とゲームを行うことが出来るように対応したものがあることからすると、これを『ゲームに関した商品及び役務』に使用するときは、 『一緒に遊ぶ(ゲームを行う)ことは良いことだ』程の、一種のキャッチコピーとしての意味合いを認識させるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱商品、役務や企業イメージに関して、需要者に親しみやすさや好感度、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)などを採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、本願の指定商品及び指定役務中「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ」、「インターネット又はコンピュータネットワークを通じた対戦ゲームの提供」については、近年、インターネット等のコンピュータネットワークに接続し使用するゲーム機が複数発売されてきており、インターネットの普及により、オンラインにおいて複数の人が一緒に遊ぶことも可能となり、遠隔地にいるプレーヤー同士が対戦するゲームや、多人数が同時に参加し仲間となり協力して遊ぶこともできるようになってきている(以上「現代用語の基礎知識2005」、「imidas2005」及び「知恵蔵2005」等参照。)。
そこで、本願商標を見るに、その構成は前記のとおり、「IT’S GOOD TO PLAY TOGETHER」の欧文字を書してなるものであるところ、「GOOD」は「よい」、「PLAY」は「遊ぶ」、「TOGETHER」は「一緒に」の意味を有する英語であり、我が国の英語の普及度からみれば、その他の構成文字も含め、本願商標を構成する各語はいずれも比較的親しまれた英単語といえるものである(以上「コンサイス英和辞典 第13版参照)。また、本願商標中には、自他商品・役務の識別標識として認識されるほど特別に注意を引く部分もないものであるから、全体として一つの叙述文として把握され、「一緒に遊ぶことはよい」といった意味合いを容易に理解させるものであるというのが相当である。
しかして、上記意味合いを看取させるにすぎない本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、自他商品・役務の識別標識として認識するというよりは、むしろ、この語句の有する前記意味合いから、ごく自然に「一緒に遊ぶことは良いことだ」といった商品又は役務のアピールポイントを端的に表現したキャッチフレーズないしスローガンとして認識、理解するというべきである。
そして、本願商標について前記認識、理解を妨げる特別の事情を見いだすことはできない。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けに商品の品質又は役務の質や特長を訴えるための宣伝文句ないしキャッチフレーズの一類型と理解するにとどまり、それをもって自他商品・役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。
なお、請求人は、本願商標を広告に掲載し、需要者への浸透に努めてきた旨述べるところあるが、提出された資料を検討しても、本願商標自体が、請求人の業務に係る商品又は役務について自他商品・役務を識別するための標識として広く知られたものであると認めることはできないものである。
また、他国や我が国における登録例を挙げ、本願商標も登録すべき旨述べるところがあるが、本願商標は、我が国商標法のもとで、その登録の可否が判断されるのであって、諸外国における登録例が直ちに本願商標に関する識別性の判断結果に影響を与えるとはいえないものであり、また、請求人が挙げる登録例は、商標の具体的構成において、本願商標と事案を異にするものであり、本願商標の登録の可否を判断する基準とするには必ずしも適切でなく、それら事例をもって、前記認定が左右されるものではないから、請求人の主張は、採用の限りでない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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