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Trademark Appeal Case

通常使用権の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30135(T2006−30135/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4231782号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成8年10月1日に登録出願され、第29類「牛乳」を指定商品として、平成11年1月22日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判請求費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。

本件商標は、その指定商品について、過去3年間商標権者によって使用された形跡がない。また、専用使用権者及び通常使用権者の登録もないため、この点からも、本件商標は不使用の商標である。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

なお、請求人は、下記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)本件商標は、被請求人たる本件商標権者から許諾を受けた少なくとも以下の通常使用権者によって本件審判請求の登録日(平成18年2月14日)前3年以内に、日本国内において指定商品「牛乳」について使用された事実があるので、請求人の主張は、妥当ではない。

・中央製乳株式会社(愛知県豊橋市植田町字人尻12、以下「中央製乳」と いう。)

・名古屋牛乳株式会社(愛知県大府市東新町1−237、以下「名古屋牛乳 」という。)

・みどり乳業株式会社(愛知県半田市中午町170番地、以下「みどり乳業 」という。)

(2)上記各会社が、本件商標権者より本件商標の使用を許可された者、すなわち、通常使用権者である事実を立証するために、乙第6号証ないし乙第16号証を提出する。

(ア)乙第6号証ないし乙第8号証は、いずれも、平成15年3月31日付けの、上記(1)の各会社からの申請を受けて本件商標の使用を承諾した承諾書の写しである。

(イ)乙第6号証ないし乙第8号証の承諾書において、承諾者の名義人は、「愛知県牛乳普及協会会長佐藤邦夫」となっており、商標権者「竹内稔」の名義とはなっていない。しかし、商標権者竹内稔が実質的に許諾していることは、以下のとおり、乙第9号証ないし乙第13号証から明らかである。

(ウ)まず、愛知県牛乳普及協会は「牛乳の消費拡大の推進を図る」ことを目的として、昭和54年に設立された団体であり、その後、「消費者に新鮮かつ高品質で安全な、愛知県産牛乳を100%使用した牛乳・乳製品であることを示し、県産牛乳の消費拡大とブランド化を図り、酪農、乳業の健全な発展を期すること」を積極的に広告宣伝するために、本件商標につき商標登録を受けることにした。

しかし、愛知県牛乳普及協会は法人格を有さない団体であるため、当時協会の会長であった「竹内稔」の名義により、平成8年10月1日に商標登録出願をし、平成11年1月22日に商標登録を受けたものである。

そして、登録後は、登録商標の管理・運用を愛知県牛乳普及協会が行い、本件商標の使用許諾の承諾については、商標権者竹内稔の承諾の下で、当協会の現会長が実行することとしたのである。

(エ)乙第9号証は、「商標『AiMilk』の取扱い内規及び商標登録名義人使用承諾及び了承事項書類」の写しである。この乙第9号証には、平成11年5月28日に、商標権者竹内稔宅の応接室において、竹内稔が立ち会って協議を行い、佐藤邦夫の専用実施権者の地位を認め、同人名義で本件商標を取り扱うこと、それを商標権者竹内稔が了承した旨が記載されている。

(オ)乙第10号証は、平成10年9月1日施行された「AiMilk商標マーク管理運営規程」の写しであり、使用許諾にあたっての本件商標の表示位置、使用形態、使用承認等について細かく規定されている。乙第6号証ないし第8号証は、この乙第10号証に従って使用の許諾が行われたものであることがわかる。

(カ)乙第11号証ないし乙第13号証は、商標権者竹内稔が、乙第6号証ないし乙第8号証に記載された各会社に対して、通常使用権を許諾したことを追認した通常使用権許諾確認書である。

なお、商標権者が実際に追認したことを立証するため、竹内稔の印鑑証明書(乙第14号証)も提出する。

(キ)これら乙第9号証ないし乙第13号証により、商標権者が通常使用権を黙示的に許諾しており、乙第6号証ないし乙第8号証は、実質的には、商標権者竹内稔が、通常使用権者に対して、黙示的に通常使用権を許諾したことが明らかである。

(3)使用状態を説明すると、中央製乳は、平成15年4月1日より「中央3.6牛乳」なる商品表示のほかに、本件商標と同一の商標を商品「牛乳」のパッケージに付して継続的に使用している(乙第1号証及び乙第2号証)。

名古屋牛乳は、平成15年4月1日より、「名古屋牛乳」という名称の他に、本件商標と同一の商標を、商品「牛乳」のパッケージに付して、継続的に使用している(乙第3号証)。

みどり乳業は、平成15年4月1日より、商品名「みどり牛乳」の牛乳ボトルに本件商標と同一の商標を付して継続的に使用している(乙第4号証)。

(4)乙第15号証は、上記通常使用権者である中央製乳及び名古屋牛乳並びに他の通常使用権者(昭和牛乳、常滑牛乳)が本件商標を付した商品を実際にどのように使用していたか、とりわけ愛知県内の学校給食用牛乳への使用状況を平成17年度に限って調べてまとめた表である。なお、当該表は、愛知県牛乳普及協会の事務局長木島秀雄が作成したものである。

この乙第15号証から、通常使用権者が実際に本件商標を旺盛に使用していたことが明らかである。すなわち、125校の小学校、57校の中学校、6校の養護学校等、13校の給食センターに、本件商標を付した商品「牛乳」を納品していることが明らかである。

(5)乙第16号証の1及び2は、中央製乳及び名古屋牛乳が具体的に納入した先と納入数を小学校と中学校に分けてそれぞれ一覧にしたものである。なお、乙第16号証は、愛知県牛乳普及協会の事務局長木島秀雄が作成したものである。

これら乙第15号証及び第16号証から、通常使用権者により本件商標が旺盛に使用されていたことが明らかである。

(6)さらに、本願商標は商品「牛乳」の広告において、積極的に使用している事実がある(乙第5号証)。

乙第5号証は、その一例として、愛知県幡豆郡吉良町下横須賀柳原56(県道41号衣浦〜蒲郡線の沿道)に平成12年に設置された看板を、平成18年3月27日に撮影した写真であり、本件商標が商品「牛乳」の広告として使用されていることが明らかである。

なお、看板の設置者名として「愛知県牛乳普及協会」が記されているが、これは、本件商標権者の竹内稔が会長を務めていた団体の名称であり、本件商標権者の許可の下で設置されたのである。

(7)以上より、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、通常使用権者が「牛乳」に使用した結果、業務上の信用が化体しているものであり、本件審判の取消の対象とはなり得ない商標である。このような商標登録を取り消すことは業務上の信用の化体しない商標の整理を図るという不使用取消審判制度の趣旨に反するだけではなく、業務上の信用の保護という法目的にも反するものである。

したがって、本件審判請求は成り立たない。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙各号証によれは、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証及び乙第2号証は、牛乳のパッケージの写しと認められるところ、この各々のパッケージには、全面に様々な文字や図形が描かれている中で、「商品名 中央3.6牛乳」及び「製造者 中央製乳株式会社」の文字と、本件商標と文字及び外形を同じくする商標が表されている。そして、乙第2号証中に表された商標は、黄色地に赤色で表されている。

(2)乙第3号証は、牛乳のパッケージの写しと認められるところ、このパッケージには、全面に様々な文字や図形が描かれている中で、「商品名 名古屋牛乳」及び「製造者 名古屋牛乳(株)共和工場」の文字と、本件商標と文字及び外形を同じくする商標が黄色地に赤色で表されている。

(3)乙第4号証は、牛乳瓶を写した写真と認められるところ、この瓶の外側には、「みどり牛乳」、「みどり牛乳株式会社」等の文字と、本件商標と文字及び外形を同じくする商標が青色により表されている。

(4)乙第6号証ないし乙第8号証は、愛知県牛乳普及協会に宛てた中央乳業、名古屋牛乳及びみどり乳業からの、「AiMilK商標マーク使用申請書」及びその申請を受けて当該商標の使用を許諾した、平成15年3月31日付けの愛知牛乳普及協会会長佐藤邦夫名の「AiMilK商標マーク使用承諾書」の写しと認められる。

(5)乙第9号証は、「商標『AiMilk』の取扱い内規及び商標登録名義人使用承諾及び了承事項書類」の写しと認められるところ、これには、平成11年5月28日に、商標権者竹内稔宅の応接室において、愛知県牛乳普及協会の前会長竹内稔が立会って協議を行い、同協会の新会長佐藤邦夫に商標「AiMilk」の専用実施権(専用使用権の誤りと思われる。)を認め、商標権者は竹内稔名義で使用運用すること、これらの協議事項を竹内稔が了承した旨が記載されている。

(6)乙第10号証は、平成10年9月1日に施行された「AiMilk商標マーク管理運営規程」の写しと認められるところ、これには、AiMilk商標権は、愛知県牛乳普及協会が保有し、管理、運営すること、使用許諾にあたっての本件商標の表示位置、使用形態、使用承認申請要件等が記載されている。また、その裏表紙には、本件商標と同一の商標と共に愛知県牛乳普及協会の文字及びその住所等が記載されている。

(7)乙第15号証は、愛知県内の学校給食用牛乳における商標「AiMilk」の使用状況(平成17年度の実績)を一覧にしたものと認められるところ、これには、乙第6号証及び乙第7号証で使用許諾を受けた中央製乳及び名古屋牛乳が納入した愛知県内の小学校、中学校、養護学校等及び給食センターの数及び生徒数等が記載されている。

(8)乙第16号証の1及び2は、前記乙15号証に示された中央製乳及び名古屋牛乳の納入先の詳細と認められ、それぞれが納入した先と納入数等が、小学校と中学校に分けて、各学校別に記載されている。

以上の認定事実によれば、通常使用権者と認められる中央製乳、名古屋牛乳及びみどり牛乳は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、その指定商品「牛乳」について使用していたものと認められる。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品についての登録商標の使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条第1項により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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