結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30126(T2006−30126/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2173632号商標(以下「本件商標」という。)は、「BERGMAN」の文字を横書きしてなり、昭和62年3月16日に登録出願、第12類「自動車、自動車部品、その他本類に属する商品」を指定商品として平成1年9月29日に設定登録され、その後、平成11年10月12日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
被請求人の提出した登録商標の使用の事実を証明する証拠は、いずれも本件商標の使用を証明するものではない。
(ア)本件商標は、「BERGMAN」の欧文字を横一連で表記する文字からなる商標である。
この表記に対する称呼は、我が国においては一義的ではなく、いくつかの称呼が発生する。その発音をカタカナ表記すれば、「ベルクマン」「ベリマン」「ベイルマン」「バーグマン」等々である。
さて、商標法第50条第1項の使用の概念では、連合商標の使用による特則の廃止によって、登録商標の使用の範囲が一般的な我が国の社会通念を考慮して拡大されていることは否定はしない。
しかしながら、このように多数の称呼が発生する場合までを救済することは法は予定してはいない。拡大された登録商標の使用の範囲としてローマ字等でカタカナ表記が認められるのは、例えば次のように一義的に表記が決まる場合に限られるはずである。
「SCHOOL」 → 「スクール」
「HANAKO」 → 「ハナコ」
「MEGUMI」 → 「メグミ」
これらは我が国の社会通念に照らして矢印の左側の文字商標は矢印の右側のカタカナ表記以外の他の読み方をする場合はないため、特例的に登録商標の使用と認められるわけである。
これを本件商標についてみれば、被請求人は乙第1ないし第3号証(枝番を含む。以下同じ。)から本件商標について拡大解釈して「バーグマン」というカタカナで表記される商標の使用をもって本件商標の使用であると主張するものであるが、上記のように「バーグマン」は「BERGMAN」の一義的な称呼ではないため本件商標の使用と必ずしも同一視されるものではない。
したがって、本件商標についてこのような特例が適用される余地はなく、よって商標「バーグマン」の使用は本件商標の使用には該当しないといえる。
(イ)乙第1ないし第3号証は、そもそも本件商標「BERGMAN」とは綴りの異なる別商標「BURGMAN」の使用を証明するものにすぎず、本質的にこれらの証拠は本件商標の使用の事実を証明するものではない。
乙第1号証の1及び乙第3号証の2には、明らかに大きく「BURGMAN」と表されており、「バーグマン」が「BURGMAN」の称呼として使用されていることが看取される。
しかし、「BERGMAN」と「BURGMAN」とは明らかに異なる商標であり、社会通念上両者は同じ商標ということはできない。
これに対して被請求人は、少なくとも乙第2号証の3には「BURGMAN」という文言はないため、「バーグマン」としてのみの単独での使用と認められると主張し、その結果拡大された本件商標の使用に相当するはずであると主張するかもしれない。
しかし、それは以下の2つの点で失当である。
第1に、需要者は、「BURGMAN」という表記がなくとも、総合的に乙第2号証の3に示されているオートバイも「BURGMAN」を「バーグマン」と称呼させていると理解するはずであるからである。
乙第2号証の3に示されたオートバイは、明らかに乙第1号証の1に示されたオートバイ及び乙第3号証の2に示されたオートバイと同一車種である。
そうであれば、需要者は、「BURGMAN」という表記はなくとも、乙第2号証の3のオートバイも「BURGMAN」であると理解するはずでありそれが自然である。
そもそも、商標は商品と密接な関連で使用されるべきであり、形式的にその使用態様を判断すべきではない。
そのため、恣意的に「乙第2号証の3のオートバイだけは『BURGMAN』とは関係ない」という主張をすることは明らかに商標の本質から外れ認められない。
第2に、もし乙第2号証の3を乙第1号証の1等と切り離して考えるとしたならば、上記第一の理由のように本件商標を一義的に「バーグマン」とは読むわけではないことから、「バーグマン」をもってして本件商標の使用と拡大解釈することはできないこととなる。
(ウ)以上のように、「バーグマン」とする表記は、本件商標「BERGMAN」と社会通念上記同一とは認められず、さらに、乙第1ないし第3号証における「バーグマン」の使用は、単に「BURGMAN」の使用にすぎず本件商標「BERGMAN」の使用にも当たらない。
そのため依然として、本件商標は、請求に係る商品について審判請求の登録前3年以内に商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用されていないことは明らかである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第3号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)答弁の理由
(ア)被請求人は、本件商標を東京都葛飾区四ツ木在の「株式会社スズキ二輪(東日本)」(以下「スズキ二輪」という。)を通常使用権者として使用許諾しているものであり、スズキ二輪は、以下のとおり、本件商標を本件審判請求の予告登録日(平成18年2月14日)以前に日本国内において商品「スクーター」について使用しているものである。
(イ)登録商標の使用の事実
(a)スズキ二輪は、本件審判請求の予告登録日以前から本件商標を使用した「スクーター」を自社のホームページに掲載している。
(b)本件商標を付したスクーターは、ヤングマシン2003年1月号別冊付録「世界のバイク/オールカタログ」に紹介されている。
(c)本件商標を付したスクーターは、2004年4月30日発行「最新バイクカタログ2004」に紹介されている。
(2)弁駁に対する第2答弁
本件商標について、「ベルクマン」、「ベリマン」、「ベイルマン」及び「バークマン」等いくつかの称呼が生ずるものの、需要者にとって、この欧文字表記から誰もが頭に浮かぶもっとも一般的な発音を表す片仮名表記である「バークマン」について、本件商標の使用を認められるべきである。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証の1ないし3は、2005年11月10日にプリントアウトされたスズキ二輪のホームページの写しと認められるところ、その第1頁には、大きく書された「BURGMAN150(UH150)」の表示の下にスクーターの写真が掲げられ、その下部に商品説明として「フルフェイスヘルメット2個が収まる・・・・・コンパクトスクーターの基本を考え直して作られたバーグマン150は、バーグマンシリーズ(650/400/250)のように洗練され、気軽に、そして軽快に乗ることができます。」と記載されている。そして、その右下には「てっぺーカメラマンのBURGMAN150レポート」と表示されている。第2及び第3頁には、該スクーターの規格、性能等について記載されている。また、各頁の左上隅に「BURGMAN150/125」と表示されている。
(イ)乙第2号証の1ないし4は、「ヤングマシン」2003年1月号別冊付録「世界のバイクオールカタログ2003年度版」の抜粋写しと認められるところ、その第154頁(同号証の3)には、「バーグマン150」の表題が付された欄に、乙第1号証の1に掲げられたと同様のスクーターの写真が掲載され、商品の説明文及び規格、性能等が記載されている。上記雑誌の正確な発行日は明らかでないが、2003年1月号別冊付録であることから、2003年の1月頃に発行されたものと推認される。
(ウ)乙第3号証の1ないし4は、2004年4月30日発行の「最新バイクカタログ2004」の抜粋写しと認められるところ、その第085頁(同号証の2)には、「BURGMAN150」の表題が付された欄に、乙第1号証の1に掲げられたと同様のスクーターの写真が掲載され、更にその左側に「バーグマンの末っ子」と表示され、商品の説明文及び規格、性能等が記載されている。
(2)以上の認定事実によれば、本件審判請求の登録日である平成18年2月14日前3年以内の期間内にスクーターについて「BURGMAN」及び「バーグマン」の表示が使用されていたものというべきである。
しかして、乙第1号証の1及び乙第3号証の2に記載された「バーグマン」の文字は、表題に「BURGMAN」の文字があることから、その表音と認識し理解されるものというべきである。
また、乙第2号証の3に記載された「バーグマン150」の表題は、乙第1及び第3号証に掲載されたスクーターと同様の写真が掲載されていることからすると、同号証中に「BURGMAN」の文字はないとしても「BURGMAN」の表音を記載したものというべきである。
ところで、本件商標は、上記1のとおり、「BERGMAN」の文字からなるものであり、各乙号証に示された「BURGMAN」とは綴りを異にするものである。
しかも、本件商標「BERGMAN」からは、その綴りに応じて「バーグマン」、「ベルグマン」等の称呼が生じ得るのに対し、使用に係る「BURGMAN」の表示からは、「バーグマン」、「ブルグマン」、「バルグマン」等の称呼が生じ得るのであって、いずれも一つの称呼に特定されるものではない。
してみれば、「バーグマン」の表示は、「BERGMAN」の表音のみを示すことにはならない。
そうすると、本件商標と「バーグマン」の表示とは、商標法第50条第1項にいう「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」の関係にあるということはできない。
また、上記のとおり、「BERGMAN」と「BURGMAN」とは綴りが相違し、これに照応して生じる称呼も別異の称呼をも生じるものであるから、各乙号証に示された「BURGMAN」及び「バーグマン」の表示が本件商標と社会通念上同一のものであると認めることはできない。
してみれば、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が商品「スクーター」について使用されていることを被請求人が証明したものということはできない。
その他、本件商標がその指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
(3)したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定商品について使用がされていなかったものというべきであり、また、その使用がされていなかったことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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