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Trademark Appeal Case

地名と役務の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−221(T2003−221/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ミサワシティ」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第36類及び第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年10月24日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における平成14年11月5日付け手続補正書をもって、第36類「建物の売買」及び第37類「建築一式工事」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、青森県東部に位置する『三沢市』を直ちに看取させる『ミサワシティ』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これを本願指定役務に使用するときは、単に役務の提供場所・地域を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

本願商標は、「ミサワシティ」の片仮名文字を標準文字で表してなるものであるが、先ず、商標法第3条第1項第3号の立法趣旨をみるに、「商標法3条1項3号として掲げる商標が、登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として、なんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに一般に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである。」(昭和54年4月10日判決 最高裁昭和53年(行ツ)129号参照)としている。この趣旨に照らせば、査定時又は審決時において、当該商標が商品の産地、販売地、役務の提供の場所等を表すものと、取引者、需要者に広く認識される場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその産地、販売地、役務の提供の場所等を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは、その商標は、同号に該当するものと解するのが相当である。

そこで、この趣旨に則って、本件について判断する。

本願商標は、前記のとおり、「ミサワシティ」の片仮名文字を横書きしてなるところ、請求人も認めているとおり、該文字は、「青森県東部の市。もと大三沢町。三沢飛行場があり、航空基地を中心に発展。人口4万3千」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)である「三沢市」を直ちに看取させる文字を片仮名文字で表したものと認識し得るものである。

そして、例えば、この地方において本願指定役務を提供する場合、この地方において生産される役務の提供の用に供する物を表示する場合、「三沢市」を直ちに看取させる「ミサワシティ」の文字は、当然、役務の提供の場所、役務の提供の用に供する物を示すために使用する必要があり、自由に使用させるべき性質のものであるから、「ミサワシティ」の文字を書してなる本願商標を、その指定役務に商標として使用しても、取引者・需要者は、これを単に、役務の提供の場所を表示したものとして認識するに止まり、自他役務の識別標識として機能を有しないものというのが相当である。

また、このような性質を有する「ミサワシティ」の文字は、当然、同地方に関係のある者が、役務の提供の場所、役務の提供に供する物を表示するために自由に使用すべき性質のものであることから、これを商標として登録をして特定人による独占使用を認めるのを公益上適当としないものである。

なお、請求人(出願人)は、既登録例を挙げて、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張している。

しかしながら、請求人が既登録例に挙げている商標は、本願商標とその構成文字を異にする商標であるばかりか、そもそも商標の登録要件は、指定役務に関する取引の実情に即して、個別、具体的に判断されるものであって、過去の登録例がそのまま現在における登録要件の基準となり得るものでないから、請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、「三沢市」が著名な都市名であるということはできない旨主張するが、「商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう『商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』に該当するというためには、必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもって足りるというべきである。」との判決例(昭和61年1月23日 昭和60年(行ツ)第68号 最高裁第1小法廷判決)に照らせば、必ずしも「三沢市」が指定役務の提供の場所として実際に周知であることを要するものではないから、請求人の主張は採用できない。

さらに、請求人は、本願商標構成中の「ミサワ」という文字について検討し、「ミサワ」は、青森県東部の市である「三沢」と並んで、姓氏の一つである「三沢」が一般的な国語辞典にも記載されていること、請求人であるミサワホーム株式会社の名称の一部でもあること、インターネット検索結果において登録サイト数は122件検索され、いずれも請求人のホームページを始めとする企業のページであって、その多くが請求人の関連企業の運営するものあること等から、本願商標構成中の「ミサワ」の文字は請求人の名称の一部であるから、提供される役務が請求人の提供によるものであることを認識させる旨主張するが、請求人は、本願商標構成中の「ミサワ」の文字について検討したものであり、「三沢市」の地名を認識する本願商標「ミサワシティ」とは明らかに異なる文字について検討したものであるから、請求人の主張は採用できないし、また、「ミサワシティ」のインターネット検索結果において、請求人の提供する分譲住宅とマンション建設に関するページが検索されたとしても、前記のとおり「三沢市」の地名を認識すること明らかであるから、前記判示(昭和61年1月23日 昭和60年(行ツ)第68号 最高裁第1小法廷判決)はそのまま当てはまるものであり、当審も同様に判断するものであるから、この請求人の主張も採用することができない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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