結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−31560(T2005−31560/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1115819号商標(以下「本件商標」という。)は、「JONES」の文字と「ジョーンズ」の文字とを二段に書してなり、昭和42年11月2日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同50年4月14日に設定登録され、その後、昭和60年4月26日、平成7年6月29日及び同17年7月26日の3回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)取消理由
本件商標は、その指定商品のうち「被服」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人が提出した乙第1号証について
被請求人は、乙第1号証として、商品カタログのコピーを提出している。 被請求人は、同商品カタログの存在を以って、商標の使用(主に商標法第2条第3項第8号)を証明しようと試みたものと思料する。しかしながら、上記書類は、商品カタログとは認められない。以下に、その理由を示す。
商品カタログには、通常、同書類がカタログであることを示す文字、カタログの発行者、カタログの発行日、カタログの有効期間を示す表示(例えば、「2006年度版カタログ」等の表示)、商品の価格、及び商品の素材等が記載されるものであるが、乙第1号証には上記各記載は一切なされていない。
また、通常、商品カタログは数ページからなるものであるが、乙第1号証として提出されたものは、A4用紙2枚だけであり、しかも各A4用紙にはそれぞれ2枚の写真が掲載されているだけである(写真は全部で4枚掲載されている)。
上述のことから、乙第1号証は商品カタログのコピーとは到底認められず、被請求人が撮影したと思われる写真を掲載している書類に過ぎない。このことを表すため、以下、「(商品カタログのコピー)」と表記する。
したがって、乙第1号証によっては、商標の使用(主に商標法第2条第3項第8号)は証明されない。
(イ)本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を使用していることについて
被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出して、本件商標を、現在使用している旨を述べている。
しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証からは、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を使用していることは証明されない。以下に、その理由を示す。
(a)乙第1号証には、発行された日付は記載されておらず、且つ、発行時期を特定できる記載も全くない。
また、被請求人は、「現在、商標を使用し、商品の販売を行っている企業があり、継続して商品の販売を行っている。」と述べているが、乙第1号証からは、被請求人が述べている商品の販売時期を特定することもできない。
以上述べたとおり、商品カタログの発行時期、及び、商品の販売時期は特定できない。
(b)乙第2号証には、本件商標を付した時期を特定できる記載はない。
また、被請求人は、「現在、商標を使用し、商品の販売を行っている企業があり、継続して商品の販売を行っている。」と述べているが、乙第2号証からは、本件商標に係る商品の販売時期を特定することもできない。
以上述べたとおり、乙第2号証に掲載されている商品に本件商標を付した時期、及び、商品の販売時期を特定することはできない。
なお、被請求人は、「今後、商標の売却も含めた継続使用の依頼も受けている。」と述べているが、被請求人が立証すべき事実は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を使用していることである。したがって、本件審判の請求の登録後の使用予定の有無は、本件審判事件とは関係がない。
(ウ)日本国内において、本件商標を使用していることについて
(a)乙第1号証は、被請求人が撮影したと思われる写真を掲載しているだけであり、被請求人が、(商品カタログのコピー)と称する書類が日本国内で展示、頒布されたことを証明する記載は全くない。
(b)乙第2号証によって、本件商標が日本国内で使用されていることを証明するには、a.乙第2号証に掲載されている商品に日本国内で本件商標が付されたこと、又は、b.乙第2号証に掲載されている商品が日本国内で販売されていること、を証明する必要がある。
しかしながら、乙第2号証には、商品の写真、商品名、商品が対象としている犬のサイズ(小型犬)、商品のサイズ、及び金額が記載されているのみであり、上記事実a.又はb.を証明する記載は一切ない。
(エ)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を使用していることについて
(a)乙第1号証として提出された(商品カタログのコピー)中には、同書類の作成名義人及び頒布者等に関する記載は全くない。
したがって、同書類が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者により、作成、頒布等されたことは証明されない。
(b)乙第2号証には、商品の写真、商品名、商品が対象としている犬のサイズ(小型犬)、商品のサイズ、及び金額が記載されているのみであり、乙第2号証に掲載されている商品に誰が本件商標を付したのか、及び、誰によって同商品が販売されているのかを特定できる記載は全くない。
したがって、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者により、上記商品に本件商標が付されたこと、及び、同商品が販売されたことは証明されない。なお、本件商標権には専用使用権は設定されていない(甲第1号証)。
(オ)審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していることについて
(a)乙第1号証には、犬が被服を着用している写真が掲載されていることから、乙第1号証に掲載されている被服は、犬用の被服であることは明らかである。
したがって、被請求人が本件商標を使用していると主張している商品は、第18類「愛玩動物用被服」(類似群コード:19B33)であり、本件審判請求に係る指定商品である第17類「被服」(類似群コード:17A01〜17A04,17A06,17A07)ではない。
よって、乙第1号証からは、審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していることは証明されない。
(b)乙第2号証として提出された、商品を写した商品のコピー中には、同商品の全てに、商品の説明として「(小型犬)」と記載されている。このことから、乙第2号証に掲載されている商品は、犬用の被服であることは明らかである。
したがって、被請求人が本件商標を使用していると主張している商品は、第18類「愛玩動物用被服」であり、本件審判請求に係る指定商品である第17類「被服」ではない。
よって、乙第2号証からは、審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していることは証明されない。
(カ)登録商標(当該商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していることについて
(a)乙第1号証の1枚目(犬用の被服のみを撮影した写真を掲載する書類)に掲載されている商標と本件商標と社会通念上同一について
(a−1)外観について
乙第1号証の1枚目に掲載されている商標には、薄いピンクに着色された縦長の長方形の中に、右を向いている犬のシルエットが同長方形の左側に、及び、同犬のシルエットの右横に間隔を空けずに欧文字「Jones Dog」が、いずれも薄い茶色で書されている。そして、欧文字「Jones Dog」の下に黄緑色の線が引かれ、又、同文字中の「g」の上部には木葉と思しき丸みを帯びた三角形及び木の幹と思しき茶色の図形を結合した図形が描かれている。このように、乙第1号証の1枚目に掲載されている商標は、文字及び図形を結合した商標であり、且つ、色彩が付されている商標である。
他方、本件商標は、欧文字の大文字「JONES」及びカタカナ「ジョーンズ」を上下二段に書してなる、文字商標である。
(a−2)称呼について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズドッグ」の自然的称呼が生じる。他方、本件商標からは、「ジョーンズ」の自然的称呼が生じる。
(a−3)観念について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズ(さん)の犬」といった観念が生じる。他方、本件商標からは、外国人名「ジョーンズ」といった観念が生じる。
(a−4)以上述べたとおり、上記書類に掲載されている商標と本件商標とは、外観、称呼、及び観念のいずれにおいても、異なる商標であり、上記両商標は、社会通念上同一とは認められない。
(b)乙第1号証の2枚目(犬用の被服を着用する犬を撮影した写真を掲載する書類)に掲載されている商標と本件商標と社会通念上同一について
(b−1)犬用の被服の背中部分に付されている商標について
(b−1−1)外観について
上記商標には、白地の長方形の中に、三角屋根の犬小屋と思しき、直線を斜め描いた図形の下に縦長の長方形の上部の横線を除いたものを組み合わせた図形が黄色で描かれている。そして、同三角屋根の犬小屋と思しき図形の中に、右を向いている犬のシルエットが黄色で描かれている。同犬のシルエットは、上記乙第1号証の1枚目に描かれている犬のシルエットと異なり、犬の尾を立てて描かれている。
そして、上記犬小屋と思しき図形の右横に、上記書類からは判読はできないが、文字が書されている。
また、上記犬小屋と思しき図形の真下に、同図形との間に間隔を空けずに欧文字「Jones」が書され、同「Jones」の右横に欧文字「Dog」がそれぞれ赤系の色で書されて、さらに同「Dog」の右横に★の図形が赤系の色で描かれている。
(b−l−2)称呼について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズドッグ」の自然的称呼が生じる。他方、本件商標からは、「ジョーンズ」の自然的称呼が生じる。
(b−1−3)観念について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズ(さん)の犬」といった観念が生じる。他方、本件商標からは、外国人名「ジョーンズ」といった観念が生じる。
(b−1−4)以上述べたとおり、上記書類に掲載されている商標と本件商標とは、外観、称呼、及び観念のいずれにおいても、異なる商標であり、上記両商標は、社会通念上同一とは認められない。
(b−2)犬用の被服の左横にタグとして付されている商標について
(b−2−1)外観について
上記商標には、白地の長方形の中に、三角屋根の犬小屋と思しき、直線を斜め描いた図形の下に縦長の長方形の上部の横線を除いたものを組み合わせた図形が青色で描かれている。そして、同三角屋根の犬小屋と思しき図形の中に、右を向いている犬のシルエットが青色で描かれている。同犬のシルエットは、上記乙第1号証の1枚目に描かれている犬のシルエットと異なり、犬の尾を立てて描かれている。
そして、上記犬小屋と思しき図形の真下に、同図形との間に間隔を空けずに欧文字「Jones Dog」が、青色で書されている。そして、乙第1号証の2枚目に掲載されている写真からは明確に看取できないが、同「Dog」の右横に★らしき図形が描かれている。
(b−2−2)称呼について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズドッグ」の自然的称呼が生じる。他方、本件商標からは、「ジョーンズ」の自然的称呼が生じる。
(b−2−3)観念について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズ(さん)の犬」といった観念が生じる。他方、本件商標からは、外国人名「ジョーンズ」といった観念が生じる。
(b−2−4)以上述べたとおり、上記書類に掲載されている商標と本件商標とは、外観、称呼、及び観念のいずれにおいても、異なる商標であり、上記両商標は、社会通念上同一とは認められない。
(c)乙第2号証に掲載されている商標と本件商標と社会通念上同一について
(c−1)外観について
乙第2号証に掲載されている商標には、上記で述べた青色で描かれた犬小屋と思しき図形の中に、右を向いている犬のシルエットが青色で描かれている。
なお、乙第2号証に掲載されている商標には、上記で述べた商標と同様に、上記図形の下に、欧文字「Jones Dog」、及び、★らしき図形が書されているか否かは、判断できない。
(c−2)称呼について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズドッグ」の自然的称呼が生じる。他方、本件商標からは、「ジョーンズ」の自然的称呼が生じる。
(c−3)観念について
上記書類に掲載されている商標からは、「ジョーンズ(さん)の犬」といった観念が生じる。他方、本件商標からは、外国人名「ジョーンズ」といった観念が生じる。
(c−4)以上述べたとおり、上記書類に掲載されている商標と本件商標とは、外観、称呼、及び観念のいずれにおいても、異なる商標であり、上記両商標は、社会通念上同一とは認められない。
(キ)まとめ
以上より、被請求人は、商標法第50条第2項に規定する要件である、(a)本件審判の請求の登録前3年以内に、(b)日本国内において、(c)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(d)その請求に係る指定商品のいずれかについて、(e)登録商標(当該商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていること、の5つの要件を満たしていない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品「被服」について、現在、商標を使用し、商品の販売を行っている企業があり、継続して商品の販売を行っている。
今後、商標の売却も含めた継続使用の依頼も受けている。
被請求人は、本件商標は、その指定商品「被服」について、現在、商標を使用し、商品の販売を行っている企業があり、継続して商品の販売を行っている旨主張している。
そこで、被請求人の提出に係る乙第1号証及び乙第2号証についてみるに、その証拠に示されている商品カタログのコピー及び商標を写した商品のコピーは、それがいつ作成され、頒布されたものであるか全く不明であり、かつ、同証拠に掲載されている商品(以下「使用商品」という。)の販売時期なども全く不明である。また、使用商品の使用の事実を裏付ける、例えば、納品伝票、仕入伝票、売上伝票等の取引の際に通常用いられる取引書類が何等示されていないから、上記証拠のみをもって、本件商標を使用商品について使用していたものということはできない。
そして、請求に係る指定商品(旧)第17類「被服」の概念は、人の身にまとうもの(例えば、洋服、セーター類、和服、帽子等)のうち、履物と装身具を除いたものの大部分が含まれるものである。しかし、乙第2号証に掲載されている使用商品は、いずれも(小型犬)と表示されているように、「愛玩動物用被服類」の「犬用の被服、犬用の胴着」等と認められるものであって、請求に係る指定商品と使用商品とは、その販売部門、目的、用途等を異にする非類似の商品といわざるを得ないから、使用商品は、請求に係る指定商品の範疇に属する商品とはいい得ない。
さらに、乙第1号証に於ける被請求人が本件商標の使用を主張する商標は「Jones Dog」の文字よりなるものであって、本件商標(「JONES」の文字と「ジョーンズ」の文字とを二段に書してなる)とは、外観、称呼及び観念のいずれの点よりしても相異することが明らかであるから、社会通念上同一のものとはいい難く、別異の商標といわざるを得ない。
なお、乙第2号証は、商標が不鮮明であり判断することができない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していたことについて、上記乙第1号証及び乙第2号証のほか、何等立証していない。
してみれば、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標がその請求に係る指定商品について、被請求人又は通常使用権者等により使用されていたことを証明する証拠とはなり得ないものであるから、本件商標は、被請求人又は通常使用権者等により、継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用していなかったものといわなければならない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「被服」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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