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Trademark Appeal Case

不使用取消の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31207(T2005−31207/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4246763号商標(以下、「本件商標」という。)は、「東京アニメーション学院」の文字を標準文字としてなり、平成9年10月16日に登録出願、第41類「コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、平成11年3月5日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証を提出した。

(1)請求の理由

ア 請求人は、商願2005−13161号及び商願2005−13162号を共に平成17年2月17日に出願し、共に審査官より本件商標と同一又は類似であるとして平成17年7月22日付で拒絶理由通知を受けた。

本件商標は、商標が「東京アニメーション学院」であり、指定役務を「第41類コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」とするものであるが、「コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

イ 取り消し原因

本件商標は、商標権者、専用使用権者、通常使用権者(未登録のものを含む。)、質権者(別段の定めをした場合で未登録のものを含む。)のいずれもが、その指定商品中、「コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」について本件商標を使用しておらず、また、この不使用状態が日本国内において本件審判請求前3年以上継続している。

(2)弁駁の要旨

ア 被請求人の主張の要約

被請求人は、漫画、アニメーション、声優、ゲームデザイン、CGデザイン等の知識の教授する学校を経営し、学院の英語名を以前より「TOKYO ANIMATION COLLEGE」を使用していた。証拠としては、平成15年9月12日の英文版「漫画・イラストの描き方入門」の推薦者として記載されている。そしてその日本語名称は「東京アニメーション学院」である。

すなわち、乙第1号証の株式会社ふゅーじょんぷろだくとが平成17年6月13日に発行した月刊アニメ・漫画情報雑誌「COMIC BOXジュニア」の被請求人の広告で、被請求人の学院名の下側に「英語名 東京アニメーション学院TOKYO ANIMATION COLLEGE」との記載がある。

また、乙第2号証は、被請求人が平成17年5月14日及び28日の体験入学向けに発送したダイレクトメールであるが、その中に小さく「英語名 東京アニメーンョン学院」と記載されている。

この英語名「東京アニメーション学院」の記載が本件商標の使用である。

イ 本件に関連した出願履歴について

(ア)本件商標の出願履歴は以下のとおりである。

【登録番号】 第4246763号

【登録日】 平成11年(1999)3月5日

【出願番号】 商願平9−168004

【出願日】 平成9年(1997)10月16日

【商標】 東京アニメーション学院

【権利者】

【氏名又は名称】 株式会社東京アニメーター学院

【類似群】 41A01

【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】

41 コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授

(イ)本件商標と関連する被請求人の学校名の商標は商標登録第4246760号である(以下本件被請求人学校名商標という。)。その出願履歴は以下のとおりである。

【登録番号】 第4246760号

【登録日】 平成11年(1999)3月5日

【出願番号】 商願平9−168001

【出願日】 平成9年(1997)10月16日

【商標】東京アニメーター学院

【権利者】

【氏名又は名称】 株式会社東京アニメーター学院

【類似群】 41A01

【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】

41 コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授

(ウ)他方、請求人が出願した商標は以下のとおりである(以下請求人出願商標という。)。

【出願番号】 商願2005−13161

【出願日】平成17年(2005)2月17日

【商標】東京アニメーション専門学校

【出願人】

【氏名又は名称】学校法人創都学園

【類似群】 41A01

【国際分類版表示】 第8版

【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】

41 電子データ化されたアニメーション映画等の制作にかかる知識の教授,声優の養成教育,漫画制作者の養成教育,その他の知識の教授

イ 被請求人の本件審判に関連する証拠の履歴

(ア)甲第1号証

被請求人の作成にかかる「2005 Tokyo animator college Information of entrance」によれば、末尾に「東京アニメーター学院」と記載され、後日、記載される「英語名 東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」の記載はない。

前記「2005 Tokyo animator college Infomration of entrance」は、直訳すれば、「2005 東京アニメーターカレッジの入学案内」である。

更に奇数ページの右上には、何れも「Tokyo animator college 2005 Information of entrance」と記載されている。

すなわち、被請求人は、 「ANIMATION」ではなく、「ANIMATOR」の用語を使用していたのである。

(イ)甲第2号証

被請求人の作成にかかる「2006 APPLICATIOM GUIDE」の学生募集要項によれば、表紙に「東京アニメーター学院」と記載され、その下に「TOKYO ANIMATOR COLLEGE」という記載がある。

前記「TOKYO ANIMATOR COLLEGE」は、直訳すれば、「東京アニメーターカレッジ」である。

甲第2号証の見開きの各頁の右上に大きく「TOKYO ANIMATOR COLLEGE」と白抜きで記載されている。

そして甲第2号証の裏表紙の最下部には、大きく「2006 APPLICATIOM GUIDE」、「東京アニメーター学院」と記載され、後に豆粒のように小さく「英語名 東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」と記載されている。

(ウ)商願2005−13161の刊行物提出にかかる資料

資料1の中に、「英語名 東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」と記載されている部分が有るが、何れも、請求人が商願2005−13161を出願した後である。

(エ)答弁書の参考資料1

平成15年9月12日付けで、 「DRAW YOUR OWN MANGA」の一番最下行に「Recommended by Tokyo Animation College」と記載されているが、推奨の趣旨であり、商標的使用ではない。また英文である。

(オ)乙第1号証について

「COMIC BOXジュニア」の奥付けに、請求人の学校名である「東京アニメーター学院」が大きく記載され、その下に、小さく「英語名 東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」と記載されている。

なお、乙第1号証は、2005年6月13日VOL.131であり、前記請求人の本件請求人商標出願の後である。

(カ)乙第2号証について

被請求人の「東京アニメーター学院」の体験入学案内であるが、本年と思われる5月14日、5月28日の記載があり、封筒の下部に請求人の学校名である「東京アニメーター学院」が大きく記載され、小さく「英語名 東京アニメーション学院」と記載され、英文の「TOKYO ANIMATION COLLEGE」の記載はない。

(キ)まとめ

以上より、被請求人は、本件商標が、平成9年10月16日の出願であるにも拘わらず、請求人出願商標の出願日まで一切「英語名 東京アニメーション学院」を記載した証拠はなく、むしろ、「Tokyo animator college」の記載があった。そして、請求人出願商標の出願日以降に「英語名 東京アニメーション学院」という記載を始めた。

ウ ここで、一般に役務、特に、本件商標のように学校名として、登録されている商標の機能について考察すると、

「商標とは、商品取引社会において、何人かの業務との関係において個性化された商品の同一性を表示するために(自他商品を識別するために)商品に付いて使用される文字、図形記号等感覚的に把握しうる手段である」(網野商標第5版64ページ)

「商標は個性化された商品またはサービスの同一性を表示し(識別機能)かつ他の商品またはサービスとの出所の混同を防止する(出所表示の機能)ために使用されるものであって,商標権は商標のこのような機能を商標権者のために保護することを目的とする権利である。そのためには,商標権者に,登録商標を指定された商品またはサービスについて,他人に妨げられず使用する権利(専用権)を認めるとともに,その商標と同一または紛らわしい商標が,同一または類似の商品またはサービスに,第三者によって使用されることにより,識別機能が損なわれ,出所の混同が生じないよう保障する必要がある。」(網野第5版、3頁)

すなわち、商標は、商品またはサービスの同一性を表示し、他の商品またはサービスとの出所の混同を防止するために使用するものである。

エ 被請求人の記載は商標としての使用といえるか。

(ア)被請求人の学校名は、「東京アニメーター学院」であり、「東京アニメーション学院」ではない。

被請求人は、学校名が東京アニメーター学院であり、この学校名「東京アニメーター学院」は、商標登録第4246760号であり、登録日平成11年3月5日、指定役務「第41類 コンピューターのプログラム作成に関する知識の教授、その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」である。

そして、被請求人は、「東京アニメーター学院」の英訳が、「TOKYO ANIMATION COLLEGE」であるとする。

すなわち、「東京アニメーター学院」→(英訳)「TOKYO ANIMATION COLLEGE」であるという。

ここで、「TOKYO ANIMATION COLLEGE」は、欧文文字であり、本件商標「東京アニメーション学院」の使用には当たらない。

同様に、「東京アニメーター学院」も本件商標の使用に当たらない。

登録商標の使用とは、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」の使用である。

したがって、本件商標である「東京アニメーション学院」と被請求人の学校名である「東京アニメーター学院」の英訳「TOKYO ANIMATION COLLEGE」では、称呼が同一ではなく、本件商標の使用には該当しない。

同様に、「東京アニメーター学院」も本件商標「東京アニメーション学院」の使用に当たらない。

(イ)更に被請求人は、「東京アニメーター学院」の英訳である「TOKYO ANIMATION COLLEGE」が、「英語名 東京アニメーション学院」と主張する。

しかしながら、日本語名「東京アニメーター学院」→(英訳)「TOKYO ANIMATION COLLEGE」であるならば、(英訳)「TOKYO ANIMATION COLLEGE」→日本語名「東京アニメーター学院」である。すなわち、日本語名「東京アニメーター学院」→←(英訳)「TOKYO ANIMATION COLLEGE」

したがって、被請求人の主張するように、断じて(英訳)「TOKYO ANIMATION COLLEGE」→日本語名「東京アニメーション学院」であるはずがない。

更に、前述したように、日本語名「東京アニメーター学院」及び(英訳)「TOKYO ANIMATION COLLEGE」は、本件商標の使用には、該当しない以上、この該当しない英訳の英語名であるとする「東京アニメーション学院」が、本件商標の使用に該当すると主張すること自体、不当である。

本来英語名で、使用に当たらないものの邦訳が本件商標の使用に該当すること自体論理矛盾である。

更に、商標は、前述したように、商標は個性化された商品またはサービスの同一性を表示するものである。被請求人の学校名が「東京アニメーター学院」であるのに、英語名「東京アニメーション学院」の記載は、本来の学校名の同一性を表示する機能を阻害するものである。したがって、商標の本来の機能を有しない記載は、有害的な記載であり、商標の使用として認定することは、商標法の本来の立法趣旨に反する記載であり、商標の使用に該当しない。もし、英語名「東京アニメーション学院」の記載を商標としての使用として認めると、被請求人には二つの学校名が存在すること自体、商標法の自他商品識別力を害する危険が高い。

オ 被請求人主張の英語名「東京アニメーション学院」は記述的な記載である。

(ア)そもそも本件商標「東京アニメーション学院」は「東京」という地区の「アニメーション」(動画のこと。少しずつ違う絵を連続的に表示することにより絵が動いているように見せる技術。もともとは映画の技法で、人形アニメーションやセルアニメーションがある。パソコンでは動画全般をアニメーションと総称する。)の製作を教えてくれる「学院」すなわち、学校の意義があり、極めて記述的な商標である。

(イ)ところで、被請求人の学校名は「東京アニメーター学院」であるが、小さく「英語名 東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」と記載されている。

この部分は、「東京アニメーター学院」の英語名が「TOKYO ANIMATION COLLEGE」であり、その邦訳は「英語名 東京アニメーション学院」であると小さく記述的に現したものである。すなわち、「東京アニメーター学院」は、英語に訳すと、「TOKYO ANIMATION COLLEGE」であり、その英語名は、「東京アニメーション学院」であるというような説明的な記載であり、説明文である。

したがって、商標的な記載ではなく、記述的な記載である。このような記述的な記載には、商標的な自他商品識別力はない。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論と同旨の審決を求め、答弁の理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証、参考資料1ないし8を提出した。

(1)本件商標について

被請求人は、漫画、アニメーション、声優、ゲームデザイン、CGデザイン等の技術や知識を教授する学校を経営しているが、日本のアニメの国際化に対応すべく、学院の英語名として、以前より「TOKYO ANIMATION COLLEGE」を使用している。例えば、平成15年9月12日に講談社インターナショナル(株)より発行された英文版「漫画・イラストの描き方入門」には、推薦者として「TOKYO ANIMATION COLLEGE」の名称が表紙に表示されている(参考資料1)。そして、その「TOKYO ANIMATION COLLEGE」の日本語名称を「東京アニメーション学院」とするために、本件商標を出願し、それについて商標登録を取得し、実際に「TOKYO ANIMATION COLLEGE」と併記する形で、本件商標を使用している。なお、被請求人は、学院の日本語名「東京アニメーター学院」についてもすでに権利を取得している(登録第4246760号)。

(2)本件商標の使用について

本件商標が、商標権者である被請求人により、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において使用されていた事実を示す資料として、乙第1号証及び同第2号証を提出する。

ア 乙第1号証

乙第1号証は、株式会社フュージョンプロダクトが平成17年6月13日に発行した月刊アニメ・漫画情報雑誌「COMIC BOXジュニア」に掲載された被請求人の経営する学校の広告であるが、同広告には、学院名「東京アニメーター学院」のロゴの下側に、「(英語名)東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」との記載があり、本件商標「東京アニメーション学院」がはっきりと表示されている。なお、「COMIC BOXジュニア」は、裏表紙の雑誌コードからわかるように、一般的な書店で販売されているものであり、月に10万部程度発行されているものである。

イ 乙第2号証

乙第2号証は、被請求人が、平成18年度4月生募集に向けて、学院の宣伝と平成17年5月14日(土)及び同年5月28日(土)に実施の「体験入学」告知のために、平成17年4月26日(火)に佐川急便経由で郵便局から発送したダイレクトメールであるが、このダイレクトメールにも、本件商標がはっきりと表示されている。対象は、平成18年3月に高校を卒業する予定の高校生で、東京アニメーション学院分として2407枚発送している。このような料金後納郵便を出す場合、予め郵便局へ後納郵便差出票とサンプルおよび枚数を申請するが、それらのコピーも参考資料として提出する(参考資料2)。また、これに関する佐川急便からの請求書の控えも参考資料として提出する(参考資料3)。これらの参考資料2及び3から、乙第2号証に係る上記ダイレクトメールが実際に発送され、本件商標が実際に使用されていたことは明らかである。

ウ まとめ

以上のとおり、被請求人は、自らが経営する学院の広告に本件商標を実際に使用しているので、本件審判請求に係る指定役務に含まれる役務「漫画、アニメーション、声優、ゲームデザイン、CGデザイン等の技術や知識の教授」について、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用していることは明らかである。また、以上の乙第1号証及び乙第2号証は、いずれも本件取消審判請求がなされた平成17年9月30日の3ヶ月以上前の使用の事実を示すものであり、商標法第50条第3項の規定に該当しないことも明らかである。

(3)その他

請求人は、被請求人と同一役務について未登録商標「東京アニメーション専門学校」及び「大阪アニメーション専門学校」の校名を平成17年3月より継続して現在まで雑誌広告やDM等で使用している。これに対し被請求人は、平成17年11月1日付で東京地方裁判所の民事第9部に商標の使用禁止を求める仮処分を申し立てた(参考資料4)。

仮処分の申し立てに至った経緯は次のとおりである(参考資料5)。

被請求人は、本件商標及び「大阪アニメーンョン学院」(登録第4895369号)の権利者である。請求人は、平成17年3月頃から被請求人の登録商標と類似すると思われる商標「東京アニメーション専門学校」及び「大阪アニメーション専門学校」を入学案内書や雑誌広告等に使用して生徒募集を始めた。

請求人は、商標「東京アニメーション専門学校」について平成17年2月17日付で出願したが(商願2005一13162)、平成17年7月22日付で本件商標と類似するという理由で拒絶理由通知が発せられている。

被請求人は、平成17年8月2日に請求人に対し「東京アニメーション専門学校」及び「大阪アニメーション専門学校」が被請求人の所有する登録商標と類似するため、その使用を中止して貰いたい旨の通知を出した(参考資料6)。その後、請求人からは商標譲渡等の提案もあったが、被請求人はかかる提案には応じられない旨を回答し、請求人に問題の商標を使用した入学案内書の廃棄処分等の催告を行った(参考資料7)。

しかしながら、平成17年10月12日の請求人の回答では「東京アニメーション専門学校」及び「大阪アニメーション専門学校」と被請求人の登録商標は非類似であるため、被請求人の催告には応じられない旨の回答があった(参考資料8)。

一方、請求人と被請求人の学校を間違える人や、両者に関連があるのかという問い合わせ等があり、実際に現場において混同が生じているのは事実で、被請求人の学院への出願率も前年度に比べ減少している。

このような状況下、被請求人は商標使用差止の本訴を準備中であるものの、本訴の確定を待っていては回復し難い損害を被るおそれがあると判断し、上記仮処分の申し立てに至った。

この仮処分手続では、以上の交渉の経緯からみて、債務者側では、本件商標「東京アニメーション学院」と債務者の「東京アニメーション専門学校」との非類似を主張することが予測されるが、その際に、以上の債務者(本件審判請求人)の商願2005一13162において、拒絶査定が発せられるかどうか、重要な問題となってくる可能性がある。そのため、債務者の商願2005−13162の審査手続が速やかに進行できるよう、前述した本件商標の使用の事実に鑑み、本件審判の請求を速やかに棄却されるようお願いする。

4 当審の判断

(1)被請求人提出に係る乙各号証及び参考資料によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証は、平成17年6月13日発行の月刊アニメ・漫画情報雑誌「COMIC BOXジュニア」の写しと認められるところ、被請求人の広告を掲載したと認められるその裏表紙には、「18年度4月生募集開始」と大書され、「18年度生募集学科」として「漫画家プロ養成科」、「アニメーション科」、「声優タレント科」、「ゲームデザイン科」、「イラストレーション科」及び「CGデザイン科」等の表示と、それぞれの下に当該科目の「授業内容」の説明が記載されていること、「東京アニメーター学院」の下に「(英語名)東京アニメーション学院 TOKYO ANIMATION COLLEGE」の表示があることが認められる。

イ 乙第2号証は、ダイレクトメールの写しと認められるところ、封書の表面には、「18年度4月生募集開始」として、「漫画家プロ養成科」、「声優タレント科」、「アニメーション科」、「ゲームデザイン科」及び「イラストレーション科」等の表示が記載がされている。また、内容の書類には、5月14日(土)及び5月28日(土)に「体験入学」があること、その体験入学の内容について記載され、18年度4月生の入学願書受付は7月1日(金)からであるとの記載が認められる。

そして、これらのいずれにおいても、「東京アニメーター学院」の下に「(英語名)東京アニメーション学院」の表示があることが認められる。

ウ また、参考資料2及び3(「後納郵便物差出票」及び「請求書」の写し)によれば、平成17年4月27日を出荷日として、上記ダイレクトメールが実際に発送されたと推認し得るものである。

(2)本件商標は、前記1のとおり、「東京アニメーション学院」の文字からなるものである。そして、上記(1)において表示された「東京アニメーション学院」の標章とは同一の構成文字よりなるものであるから、上記使用標章は、本件商標と同一のものとみて差し支えがないというべきである。

また、その使用に係る「漫画、アニメーション、声優、ゲームデザイン、CGデザイン等の技術や知識の教授」は、本件商標の指定役務に含まれる役務と認められる。

したがって、本件商標は指定役務の一に使用されたと認め得るものである。

(3)この点について、請求人は、上記使用標章は商標的な記載ではなく記述的な記載であり、このような記述的な記載には、商標的な自他商品識別力はない旨主張する。

しかしながら、使用標章において、その使用態様が小さく表したものではあるとしても、役務の質や内容等を記述的に表したとは認められず、また、他の表示の併記によって本件商標の機能が減殺されたともいえず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき理由は見出せないから、当該主張によって前記判断は左右され得ないというべきである。

(3)以上のとおり、本件商標は、前記(1)の時期に、商標権者によって役務「漫画、アニメーション、声優、ゲームデザイン、CGデザイン等の技術や知識の教授」について使用されたものと認められる。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定役務について使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条に照らし、その登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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