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Trademark Appeal Case

著名スローガンの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90655(T2005−90655/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4897197号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4897197号商標(以下「本件商標」という。)は、「JUST DO IT」の欧文字と「ジャストドゥーイット」の片仮名文字とを二段に書してなり、平成17年1月11日に登録出願、第9類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年9月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)「Just DO It.」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)との同一性

本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標の「Just DO It.」と称呼、外観及び観念において実質同一のものである。

(2)引用商標の著名性

申立人は、特に「運動靴、運動用特殊靴」、「被服、運動用特殊衣服」等について世界的に著名な企業であり、そのハウスマークである「NIKE」が著名であることは、特許庁においても顕著な事実である。

引用商標は、申立人のコーポレートアイデンティティとして、テレビCM等の広告に、継続的にかつ、前面に出して使用し、需要者をして他社の商品との本質的な差別化を図ってきたのである。

引用商標は、申立人のブランドとして需要者の記憶に強く植えつけられていることが明らかであり、たとえ、引用商標が申立人の個々の商品の商標ではなく、むしろスローガンとして看取されるとしても、該語が、申立人若しくはその業務と密接に結びついて、申立人の商品・役務の出所を表示するものとして需要者に認識されていることは明らかである。

引用商標は、本件商標の登録出願前から今日に至るまで、需要者の間に広く認識されている申立人の商品・役務の識別標識である。

本件商標の指定商品及び指定役務は、広告、販売促進用に使用される媒体又は広告、販売促進用に提供される役務であり、これらの商品及び役務に本件商標が使用された場合には、申立人の業務に係る商品又は役務と誤認を生ずるおそれがある。特に、申立人はオーディオ機器も販売しており、混同のおそれは高いものである。

(3)以上のとおり、本件商標は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標とその称呼及び観念において同一のものであるから、本件商標が指定商品・役務について使用された場合には、申立人の業務に係る商品・役務と混同を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、上記1のとおり「JUST DO IT」の欧文字と「ジャストドゥーイット」の片仮名文字とを二段に書してなるものである。

商標法第4条第1項第15号の「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」における、「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきであると解される(最高裁平成10年(行ヒ)第85号参照)。

これを本件についてみるに、申立人の提出した甲各号証を総合すれば、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「運動靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」等を表示する商標として、申立人のハウスマークである「NIKE」の文字が、取引者、需要者の間に広く認識されていたものということは認め得るところであり、また、申立人が引用商標を申立人の業務に係る商品についてのテレビCM等の広告に使用し、取引者、需要者にある程度知られていること、さらに、申立人は、ナイキブランドのオーディオ機器の販売を行っていることも認められるものである。

しかしながら、本件商標は、その構成中の、「JUST」、「DO」及び「IT」の各文字が、それぞれが極めて親しまれている英単語であり、全体としても、「とにかくやってみよう」程度の意味合いが容易に想起され、第一義的には一般的用語として需要者に認識され、独創性に乏しいといえるものであり、加えて、申立人の著名な業務に係る商品、「運動靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」と本件商標の指定商品又は指定役務とは、その生産者、販売店、需要者等を異にする非類似の商品又は役務であることをも併せ考慮すれば、本件商標の商標権者が、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとはいえないものであって、その商品又は役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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