Trademark Appeal Case
称呼の音数と末尾音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90185(T2006−90185/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4926260号商標(以下「本件商標」という。)は、「BICS」の文字を横書きしてなり、平成16年7月13日に提出された商標登録出願(商願2004−068907)を分割して、同17年3月1日に新たに登録出願され、第16類「電気式鉛筆削り,紙製テーブルクロス」を指定商品として、平成18年2月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な商標の要部であり、かつ、著名な商標である「Bic」並びに申立人の著名な商標であり略称である「BIC」及び「ビック」(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と類似するものである。そして、本件商標に係る指定商品「電気式鉛筆削り」は、申立人の著名な商品であるボールペンなどの文房具と類似又は密接に関連する商品であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人又は申立人と何らかの関係にある者が製造する商品であると誤認され、混同されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)申立人は、本件商標と引用商標とが類似するものである旨主張しているので、まず、この点について検討する。
本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体に構成されており、これより生ずると認められる「ビックス」又は「ビクス」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものである。
他方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ビック」の称呼を生ずるものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「ビックス」の称呼と引用商標から生ずる「ビック」の称呼とは、促音を含めて4音対3音と、構成音数を異にするばかりでなく、末尾における「ス」の音の有無という差異を有するものである。しかも、この「ス」の音は、末尾にあっても明瞭に発音されるものであるから、かかる差異が比較的短い構成音からなる両称呼に与える影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なり、かれこれ紛れることなく聴別できるものである。
また、本件商標から生ずる「ビクス」の称呼と「ビック」の称呼も、「ス」の音及び促音(ッ)の有無という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なり、かれこれ紛れることなく聴別できるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標と引用商標とは、いずれも既成の親しまれた観念を有する成語を表したものとは認められず、一種の造語からなるものといえるので、観念上、両商標を比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない、非類似の商標といわなければならない。
(2)次に、申立人は、引用商標が著名であること及び本件商標に係る指定商品の電気式鉛筆削りが引用商標の使用に係るボールペン等の文房具と類似又は密接に関連する商品であることをもって、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の商品と誤認され、混同されるおそれがある旨主張しているので、この点について検討する。
確かに、申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、申立人の業務に係るボールペン、ライター等について使用する商標として、需要者間に広く認識されているものといい得る。
しかしながら、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、両商標は、別異のものであるから、仮に、電気式鉛筆削りが文房具と密接に関連する商品であるとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する需要者が引用商標ないし申立人を連想し、想起するようなことはないものというべきであり、該商品が、申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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