Trademark Appeal Case
漢字一字違いの商標類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90220(T2006−90220/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4926933号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成よりなり、平成17年3月31日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成18年2月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(ア)ないし(エ)である(以下、引用商標を一括していうときは、単に「引用商標」という。)。
(ア)登録第3216617号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)の構成よりなり、平成5年11月9日に登録出願、第5類「かとり線香,殺虫剤」を指定商品として、平成8年10月31日に設定登録されたものである。
(イ)登録第2596337号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)の構成よりなり、平成3年5月8日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成5年11月30日に設定登録されされ、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、平成16年10月27日に、第5類「蚊取線香,殺虫剤」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
(ウ)引用商標2に係る防護標章登録第17号(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)の構成よりなり、平成6年2月25日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成9年12月12日に設定登録されたものである。
(エ)引用商標2に係る防護標章登録第18号(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)の構成よりなり、平成6年2月25日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成9年12月12日に設定登録されたものである。
(2)理由の要旨
引用商標は、申立人が「殺虫剤」などに使用してきた結果、高い著名性を獲得しているところ、本件商標は、引用商標と外観において構成の軌を一にするものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の外観の類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり「金烏」の漢字と「きんう」の平仮名文字をさほどに違いのない大きさで縦二列に表したものであるのに対し、引用商標1は、別掲(2)のとおり「金鳥」の漢字を横書きにし、両文字の間に「きんちょう」の平仮名文字を小さく横書きに配したものである。
そして、本件商標はその構成中に「烏」の文字を有するものであるところ、該文字の右側に併記した「う」の表示と相俟って、当該文字(語)は、「からす」の意味を有する語として容易に認識することができる。
また、引用商標1はその構成中に「鳥」の文字を有するものであるところ、当該文字(語)は、「とり」の意味を有する語として認識されるものである。
そうとすると、本件商標の「烏」の文字と引用商標1の「鳥」の文字が、ともに親しまれた漢字であることから、取引者、需要者は、両文字の違いを明確に認識して区別し得るというのが相当である。
してみれば、両商標が、前記両文字にそれぞれ「金」の文字を冠した、「金烏」及び「金鳥」の文字部分を有するものであるとしても、通常の注意力をもってすれば、外観上相紛れるおそれはないというべきである。
また、引用商標2ないし4は、別掲(3)の構成よりなるものであるから、本件商標とは明らかに外観が相違するものである。
(2)本件商標と引用商標の称呼の類否について
本件商標の称呼は「キンウ」であるのに対して、引用商標の称呼は「キンチョー」と認められるから、後半における「ウ」と「チョー」の音の相違によって、判然と区別し得るものである。
(3)本件商標と引用商標の観念の類否について
本件商標はその構成文字に相応して「金色のからす」の観念を生ずるものであるのに対して、引用商標1はその構成文字に相応して「金色のとり」の観念を生ずるものであるから、両者は、観念上相紛れるおそれはないものである。
また、引用商標2ないし4は、特定の観念を有さない造語というべきであるから、本件商標と引用商標2ないし4とは、観念の比較をすることができない。
(4)引用商標の著名性について
申立人提出の証拠によれば、本件商標の出願時には、引用商標は、「かとり線香・殺虫剤」などの需要者の間において広く知られるに至っていたと認め得るものである。
しかしながら、上で述べたとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標である。
そのうえ、本件商標の指定商品は、「日本酒」等の酒類であるのに対し、引用商標の使用に係る商品は薬剤(公衆衛生薬剤)の類であるから、その用途や品質等を全く異にし商品の性格において関連性があるとはいい難いものであり、そうとすれば、その需要者はともに一般消費者ではあるけれども、需要者を共通にするとまでいうことはできないものである。
してみれば、本件商標の出願時に、本件商標をその指定商品に使用しても、その需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品と誤信し、その出所を混同するおそれはなかったと判断されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)結語
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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