Trademark Appeal Case
図形部分の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90271(T2006−90271/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4939779号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成からなり、平成16年3月19日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年2月22日に登録をすべき旨の審決がなされ、同年3月24日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(1)登録異議申立人ラコスト(以下「申立人A」という。)の引用する商標は、別掲(2)ないし(5)の構成からなるものである(以下、これらをまとめて「引用商標A」という。)。
(2)登録異議申立人ヤマトインターナショナル株式会社(以下「申立人B」という。)の引用する商標は、別掲(6)ないし(11)の構成からなるものである(以下、これらをまとめて「引用商標B」という。)。
なお、引用商標Aと引用商標Bとを総称するときは、引用各商標という。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同15号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
(1)本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、鱗を幾何学的に顕著に白抜した描出方法で表した黒色の鰐の図形を捉え、自他商品の識別標識として認識・把握されるというのが相当である。これに対し、申立人Aの引用に係る別掲(3)及び(5)の商標は、やはり、鱗を幾何学的に白抜した特徴の描出方法で黒色の鰐を表してなるものであるから、本件商標と上記商標とは、表示事物が同じ鰐であって、かつ、その描出方法が同一といえる特徴を有するものであるから、たとえ一匹と二匹、視点を上と横と異にしていても、看者をして酷似するイメージを認識させるものであり、また、ともに「鰐」の観念を認識させるものである。
また、本件商標は、申立人Bの業務に係る「クロコダイル」ブランドの「鰐の図」に類似の鰐の図形を「Crocodile」の綴りに似た「Coccodean」の文字を介して互い違いに表してなるに過ぎず、その商品は、帰するところ、申立人の業務に係る「クロコダイル」ブランドを顧客に想起させ、「クロコダイル」ブランドとブランド認識を一にする類似商標というべきであり、指定商品も抵触するものである。
(2)商標法第4条第1項第11号及び同第15号について
上記のとおりであるから、本件商標は、引用商標Bとの関係において、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
また、本件商標は、引用商標Aあるいは引用商標Bを想起させる商標であり、引用商標Aは、申立人Aの業務に係る商品「被服類、かばん類」等を表示するものとして、また、引用商標Bは、申立人Bの業務に係る商品「カジュアルウェアなどの被服類、装身具、かばん類」等を表示するものとして、いずれも、本件商標の出願時においては既に、取引者・需要者の間に広く認識されていたものである。
そうとすれば、本件商標をその指定商品である「かばん類」等について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、それが申立人Aあるいは申立人B又は同人らと何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、引用商標各商標との関係において、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、隅切り菱形二重輪郭内に、「Coccodean」の欧文字を中央に表し、それを取り囲むように、尾を右に曲げた二匹の鰐を真上から描写した姿態をもって対称的に表し、該輪郭内の上部と下部に小さな黒い星の図形を配した構成からなるものである。
上記した構成からみれば、本件商標は、その構成全体がまとまりよく一体的に構成されているものであり、二匹の鰐も「Coccodean」の欧文字を装飾的に取り囲むように描かれているものである。
このような構成からすれば、たとえ、二匹の鰐の図形がその構成中に表されているとしても、殊更「鰐」の図形部分のみに着目して、「ワニ」の称呼及び「鰐」の観念をもって取引に資されるとみるよりも、構成全体を一体不可分のものと認識し取引に資されるとみるのが自然である。
そして、本件商標の図形部分の構成全体からは特定の称呼及び観念は生じないというべきであり、むしろ、本件商標は、その構成の中心に位置し、かつ、読みやすい「Coccodean」の欧文字に相応して、「コッコディーン」の称呼のみを生ずるというべきである。
してみれば、本件商標から「鰐」の図形部分のみを抽出して、単に「ワニ」の称呼及び「鰐」の観念をも生ずるものとし、そのうえで、引用各商標とが類似するものとする申立人A及び申立人Bの主張は採用できない。
また、本件商標構成中の「Coccodean」の文字部分と引用商標Bの「Crocodile」等の文字部分とを比較してみても、本件商標から生ずる「コッコディーン」の称呼と引用商標Bから生ずる「クロコダイル」の称呼とは、その音構成において明らかな差異を有するものであるから、称呼において類似するものとはいえず、外観においても明らかな差異があり、また、本件商標は、特定の意味合いを認識させることのない造語と認められるものであるから、観念の点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号及び同第15号について
上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標が引用商標Bとの関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の申立人Bの主張は採用できない。
また、引用各商標の周知・著名性を考慮したとしても、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人Aあるいは申立人B又は同人らと経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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