Trademark Appeal Case
英語普通名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第7872号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「モス・ボール」の片仮名文字を横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成7年2月22日に登録出願されたものである。
2.原査定
原査定は、「本願商標は、『衣類などの防虫用に衣類棚などに入れるナフタリンや樟脳などの虫よけ玉』を意味する『mothball』 を直観する『モス・ボール』の片仮名文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中上記に照応する商品に使用するときには、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定し、本願を拒絶した。
3.当審の判断
(1)「mothball」の語は、例えば、
▲1▼1990年4月20日 株式会社小学館発行の「小学館 プログレッシブ英和中辞典」に「虫よけ玉.」と、
▲2▼1991年12月1日 株式会社三省堂発行の「ニューセンチュリー英和辞典 第2版」に「(ふつうmothballs)防虫剤の玉《ナフタリンなど》.」と、
▲3▼1995年第3刷 株式会社研究社発行の「新英和中辞典」に「[通例複数形で]防虫剤の玉《ナフタリン(naphthalene)など》.」と、
それぞれ記載されているように、各種英和辞典によれば、「防虫剤の玉」の意味を有するものであって、「モスボール」と発音されること明らかである。
(2)また、上記の▲1▼及び▲3▼の英和辞典はいわゆる中辞典であり、▲2▼の辞典は中学生・高校生を対象としたものであるから、これらに掲載されている「mothball」の語 は、希有な若しくは専門的な語ではなく、一般的な成語と言い得るものである。
(3)そして、我が国においては、外国語の表音が商品の普通名称や品質を表示する語として用いられることが少なくなく、かつ、本願の指定商品を取り扱う業界においても、上記(1)▲2▼及び▲3▼に「ナフタリン」の記載があるように、同様のことが言える。
(4)これらのことに加え、英語が我が国において最も普及している外国語であって、その普及の程度を併せみれば、「モス・ボール」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標は、これをその指定商品中「防虫剤」について使用するときは、これに接する取引者・需要者が「モス・ボール」の文字を、その商品が「防虫剤の玉」であることを表示したものと理解するに止まるものと言うべきである。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中「防虫剤」について使用するときは、商品の品質を表示するにすぎないものであって、「防虫剤以外の商品」について使用するときは、これらの商品が「防虫剤」と生産及び販売部門を共通にすることが少なくないから、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと言わなければならない。
(5)したがって、本願商標は、これをその指定商品中「防虫剤」について使用するときは商標法第3条第1項第3号に該当し、「防虫剤以外の商品」について使用するときは同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これと同趣旨で本願を拒絶した原査定は、妥当であり取り消すことはできない。
なお、請求人は、「MOS−BALL」の文字と「ルーボ・スモ」の文字を上下2段に書してなる登録第262746号商標は、請求人等が昭和10年以来継続的に使用し、取引者及び需要者には馴染みの商標となっている旨主張しているが、請求人からはその事実を示す証左の提出がなく、また、職権により新聞記事やインターネットのホームページを調査したが、前記登録商標の商標権の存続期間の更新登録(平成7年8月)以降、当該商標及び本願商標を使用している事実を発見できなかったので、請求人の上記主張は、これを採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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