Trademark Appeal Case
Web Dataloggerの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−13986(T2004−13986/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Web Datalogger」の文字を標準文字により書してなり、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成15年11月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『Web Datalogger』と標準文字で書してなるところ、その構成中の『Web』は、昨今のインターネットの普及に伴い、インターネットを利用したダウンロードをはじめ、インターネット上からの各種情報を取得できる実情からすれば、『インターネットのWWW(ワールドワイドウェブ)システム』の意味合いであり、『Datalogger』は『時間と共に変化する現象のデータを定期的に収集・記録するデータ処理装置』を意味する語であることから、これより全体として、『インターネットを利用したデータ処理装置』程の意味合いを理解させるから、これを本願指定商品中上記文字に照応する商品について使用しても、商品の品質・機能の表示と理解するにすぎず、結局、自他商品の識別標識としての機能を果たすことができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「Web Datalogger」の欧文字よりなるところ、その構成中前半の「Web」の文字は、「クモの巣」の意味のほかに、「World Wide Web」等の意味を有する語として「研究社新英和大辞典」(株式会社研究社、2002年発行、2791頁)に記載されているばかりでなく、「広辞苑第5版」(株式会社岩波書店、1998年発行)の「ウェッブ【web】」の項には、「ワールド‐ワイド‐ウェッブの略。」とあり、「ワールド‐ワイド‐ウェッブ【world wide web】」の項には、「インターネットで用いられる情報検索システムおよびクライアント‐サーバー‐システムの一。文字のほかに音声・画像を扱うことができ、ハイパーテキスト形式による情報の検索が可能。ウェッブはクモの巣の意で、世界中に情報の網を張りめぐらすことから命名。」との記載が、「現代用語の基礎知識2006」(自由国民社、2006年発行)の「WWW(World Wide Web)」の項には、「世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信も可能なシステムのこと。一般的には短くWeb(ウェブ)とよばれる。」との記載があり、一般世人によく知られているといえるものである。
また、構成中後半の「Datalogger」の文字についてみると、「時間と共に変化する現象のデータを定期的に収集・記録する装置.」を意味する語として「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」(株式会社小学館、1999年発行、684頁)の「data logger」の項に記載されているほか、「JIS工業用語大辞典【第5版】」(財団法人日本規格協会、2001年発行)の「データロガー data logger」の項には、「プロセスの各所から情報を収集し,印字記録する装置.(備)簡単な計算や警報を行うものが多い.」、「プロセスの各種の変数値又は状態,すなわち,データを自動的に収集し,印字・作表などをする機器」及び「ログブックに利用するため温度,圧力などの計測値をディジタル信号に変換してタイプライタ又はラインプリンタなどで記録する装置.監視,警報装置を兼ねたものが多い.」との記載があり、「情報処理用語大事典」(株式会社オーム社、平成4年発行)の「データロガー/data logger」の項には、「データを切り出し、記録しておく機械」との記載があることから、これらの辞典類中の記述及び用語例によれば、本願商標の指定商品の分野においては普通に使用されていることが認められるものである。
(2)さらに、インターネット上のウェッブサイト及び新聞記事情報によれば、本願商標の指定商品の分野における「web(ウェブ)」及び「datalogger(データロガー)」の各語に関連する記載について、以下の事実を認めることができる。
ア インターネット上のウェブサイト
(ア)「ティアンドデイ プレスリリース」の見出しの下、「ネットワーク接続対応計装用
データロガー
Web
Data Recorder WDR−3発売のお知らせ」との記載があり、「1.製品の概要」の項には、「『
Web
Data Recorder WDR−3』はインターネット、LANなどネットワークに接続する機能を搭載し、各種センサ、計装装置から出力される電圧、ON/OFF信号をインターネットやLAN経由で取得できる新しいタイプの計装用
データロガー
です。」などの記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.tandd.co.jp/corporate/public/20050405001.php)
(イ)「温湿度
データロガー
TR−7xWシリーズ」の見出しの下、「『Thermo Recorderおんどとり
web
TR−71W/72W』はインターネット、LANなどネットワークに接続する機能を搭載した新しいタイプの温湿度
データロガー
です。」などの記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.tandd.co.jp/product/tr7xW/index.php)
(ウ)「ASK
Web
monitor/
Web
型データ監視システム」の見出しの下、「ASK
Web
monitorは複数のデータ端末(
データロガー
)で収集されたデータをブラウザ上で一括監視できる
Web
アプリケーション。」などの記載がある。
(http://www.asaka.co.jp/mr-hp/17webmonitor/index.html)
(エ)「
Webデータロガー
EDT―2000A,210A」の見出しの下、「専用
Web
サイトで、観測条件設定、データの波形表示、CSVデータのダウンロードが可能」などの記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.kyowa-ei.co.jp/japanese/product2/product/product.php?prod_code=03-074&screen=detail)
(オ)「
Web
計測制御/
データロガー
システム」の見出しの下、「新登場Web計測制御の決定版」との記載があり、「特長」の項には、「・ネットワーク技術の採用により
Web
データー統合が出来るシステムを提案いたします」、「・
データロガー
機能を標準搭載」などの記載がある。
(http://www.ki21.jp/BUSINESS/GUIDE/seihin_05/product/BE0092-B.html)
(カ)「
Webデータロガー
(TCP/IP)対応/TM−300 気象
データロガー
」の見出しの下、「TM−300 気象
データロガー
は、TCP/IP対応の
Web
機能付き
データロガー
です。」などの記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.metic.co.jp/TM-300.pdf)
(キ)「
DATALOGGER
【AFLOG-1201】」の見出しの下、「ネットワークで計測データを閲覧可能な『イーサネットインターフェイス』を標準としたひずみゲージ式計測器用ロガー」との記載があり、「【特徴】」の項には、「●
WEB
ブラウザより、記録データを閲覧することが可能です。」などの記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.anfiny.co.jp/product/datalogger/datalogger.htm)
イ 新聞記事情報
(ア)2005年4月5日付け「日本経済新聞」地方経済面(長野)3頁には、「T&Dが
データロガー
、パソコン使わずネット接続。」の見出しの下、「計測・制御機器製造のティアンドデイ(中略)はパソコンを介さずにインターネットに接続する
データロガー
『
ウェブ
データレコーダーWDR―3』=写真=を六月下旬に発売する。アナログとパルスの二種類の信号を受信し、工場や浄水場、気象関連施設などで使用する電流や電圧、水位などを計測する。計測したデータは無線LAN(構内情報通信網)を使用してインターネットに接続、遠隔地からでもデータ管理ができる。(後略)」との記事が掲載されている。
(イ)1998年9月25日付け「日刊工業新聞」12頁には、「機械振興協会など、生産システム改善モデルのプロトタイプを開発。TQCの国際化支援」の見出しの下、「機械振興協会、東洋エンジニアリング、三井造船、オムロンは法政大学の福田好朗教授らと共同で、改善活動のコンピューター化を実現する生産システム改善モデルのプロトタイプを開発した。(中略)同モデルを構築するためにグループでは、
WEB
ベース同期
データロガー
とマルチメディア作業支援システムのプロトタイプをそれぞれ開発した。」との記事が掲載されている。
(3)上記の事実よりすれば、本願商標の指定商品の分野において、「web」の語は、インターネットに接続可能な商品やインターネット上で情報を閲覧・監視できる商品などに使用され、「datalogger」の語は「データ処理装置」といった意味合いで、商品の普通名称として使用されていることが認められる。そうすると、これらの語を結合してなる「Web Datalogger」の語が本願指定商品について使用された場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が「インターネットを利用したデータ処理装置」であること、すなわち、商品の品質(機能)を表示したにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないとみるのが相当である。また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
(4)請求人は過去の登録例を援用し、本願商標も自他商品識別力を有するものであるから、登録されるべき旨主張する。
しかし、本願商標が自他商品の識別標識として機能し得ないものであることは、前記認定のとおりであり、また、援用された登録商標は、商標の具体的な構成において本願と異なるものであるから、請求人の主張は、これを採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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