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Trademark Appeal Case

ウレタン背抜き商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−21036(T2004−21036/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ウレタン背抜き」の文字を標準文字で表してなり、第21類「軍手,その他の作業用手袋」を指定商品として、平成16年2月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「1.本願商標は、『ウレタン背抜き』の文字を標準文字で書してなるところ、構成中の『ウレタン』の文字部分は、『ポリウレタン樹脂,その他ウレタン化合物』を指称する文字で、本願指定商品中『ウレタン化合物を素材とする軍手、その他の作業用手袋』商品であることを表す、品質等を直観させる文字部分であり、一般に使用され親しまれているといえる。また、構成中『背抜き』の文字部分は、本願指定商品の形状、表装等を直観させる文字部分であり、一般に使用され親しまれているといえる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、『ウレタン化合物を素材とする背抜き軍手、その他の作業用手袋』を表したものと認識するにとどまり、商品の品質・素材等を表したにすぎないから、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「ウレタン背抜き」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「ウレタン」の文字部分は、「ウレタン樹脂の略。」などを意味し、また、同じく「背抜き」の文字部分は、「洋服の上着の背中部分に裏地をつけないこと。[いずれも株式会社岩波書店 広辞苑第五版]」を意味する語である。

ところで、作業用手袋を取り扱う業界において、「背抜き」の文字は、「背中部分に裏地をつけないこと」の意味が転じて、例えば、手のひら側だけにウレタン樹脂をコーティングしている手袋を「ウレタン背抜き」と称して販売されている事実が認められる。

そして、上記した実情は、以下のインターネットの情報からも裏付けられる。

(1)http://www.businesslife21.com/business/catalog043/043m/288.htmのスリーティー株式会社のホームページには、「ウレタン背抜き手袋:背抜きなのでむれずに作業快適!」、「静電気防止指先ウレタン背抜き手袋:静電気対策用に指先ウレタン採用で作業がしやすい。」との記載

(2)http://www.towaco.co.jp/products/guidance.htmlの株式会社東和コーポレーションのホームページには、「業種別手袋素材」として業種が「精密機械、部品検査、品質検査」及び「園芸、栽培」の欄に、適した手袋の材料の項にそれぞれ「天然ゴム、ビニル極薄手、ウレタン背抜き」及び「天然ゴム,ビニル背抜き,ウレタン背抜き」との記載

(3)http://www.ten-house.com/zztowa880.htmlのホームページには、「園芸用手袋・ウレタン背抜き」として「ウーリーナイロン編手袋の手のひら側だけにウレタン樹脂をコーティングしていますので通気性が良く、ムレにくく、ソフトで長時間の作業も快適です。」との記載

(4)http://www.yamada-denkiweb.com/item/detail.php/7986555012のホームページには、「アトム/ウレタン背抜き手袋ソフトフィンガー」との記載

(5)http://www.joho-fukuoka.or.jp/fsandkyo/award/1999/encouragement_006.htmlの福岡県産業デザイン協議会のホームページには、1999年奨励賞のご紹介として、「(株)東和コーポレーション/商品名:ウレタン背抜き手袋」、「ニット等手袋の手のひら部にウレタン樹脂をコーティングした新しいタイプの軽作業用手袋。」との記載

(6)http://www.ojigomu.co.jp/ingredient/index.htmlの王子ゴム株式会社のホームページには、「業種別手袋素材」として業種が「精密機械、部品検査、品質検査」及び「園芸、栽培」の欄に、適した手袋の材質の項にそれぞれ「天然ゴム、ビニール極薄手、ウレタン背抜き」及び「天然ゴム,ビニール背抜き,ウレタン背抜き」との記載

(7)http://www.soanet.co.jp/working/foragri.htmlのショウワグローブ株式会社のホームページには、「指先感覚が必要な繊細な作業」の項に「「ピッタリ背抜き」は、ホコリの出にくい長繊維で編んだ手袋に、すべり止め効果のある発泡性ウレタン樹脂を手のひら部分のみコーティングしております。」との記載

(8)http://item.rakuten.co.jp/monju/t-294-6424/のホームページには、「組立検査用手袋/ケミソフト ブラック M寸」の商品紹介の「特長」の欄に「ウレタン樹脂で伸縮性ナイロン手袋にコーティング/背抜きタイプで通気性が良い」との記載、「仕様」の欄に「背抜きタイプ」との記載

(9)http://www.chub.co.jp/ho-ken/hokenglove/process/one-side/vinyl.htmlのホームページには、「ビニール背抜き3P」の商品紹介の「素材」の欄に「手袋:綿メリヤス 手のひら:塩化ビニール」、「特長・用途」の欄に「塩化ビニールの長所に加え、手の甲部がメリヤスなので作業性・通気性がアップ。お得な3双組タイプ。」との記載

以上よりみれば、手袋を取り扱う業界において、「背抜き」の文字は、手のひらだけに樹脂等をコーティングしている手袋をいい、手のひらだけにウレタン樹脂や塩化ビニールをコーティングした手袋を「ウレタン背抜き」、「ビニール背抜き」と称し使用しており、「手のひらだけにウレタン樹脂をコーティングした手袋」の意味合いで本願商標の指定商品を取り扱う業界において「ウレタン背抜き」の文字が広く使用されていると認められるものである。

そうすると、本願商標からは、前記意味合いを認識し商品の品質を表示するものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえなく、前記以外の「手袋」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

なお、原査定の理由において、本願商標は、商品の品質・素材等を表したと認定しつつ、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当として本願を拒絶したものであるが、原査定と前記認定とは、いずれも本願商標は、商品の品質を表示し、これを本願指定商品に使用しても、自他商品識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという結論にいたるものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではないことは明らかである。(平成16年(行ケ)第369号判決[平成17年1月26日言渡]参照。)

しかして、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められないこと前記のとおりであって、原査定においての内容としては、商品の品質を表示するものと判断しているから、前記のとおり判断した。

よって、結論のとおり審決する。

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