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Trademark Appeal Case

商標使用の同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31504(T2005−31504/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1968389号商標(以下「本件商標」という。)は、「MASTER」の文字を書してなり、昭和50年5月1日に登録出願、第9類「金属加工機械器具」を指定商品として、同62年7月23日に設定登録され、その後、平成9年7月1日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、「商標登録第1968389号を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

本件商標は、その指定商品に継続して3年以上日本国内において商標権者により使用されている事実は発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第17号証を提出した。

(1)答弁の理由

(ア)1993年(平成5年)8月1日に、本件商標の商標権者である「ロジヤーズ トウール ワークス インコーポレイテッド」は、「村木貿易株式会社」(東京都中央区日本橋3丁目9−10所在。以下「村木貿易」という。)に対して、「切削工具」の販売に関し本件商標を使用する権利を与えている(乙第3号証及び同第4号証)。株式会社ムラキ(東京都中央区日本橋3丁目9番10号所在。以下「ムラキ」という。)は、村木貿易の関連会社である(乙第5号証)。

したがって、商標権者は、村木貿易及びムラキに対し本件商標について明示若しくは黙示の通常使用権を許諾している。

(イ)平成17年6月3日に納品されたムラキが取り扱う「超硬バー」のカタログには、切削工具の「超硬バー」に本件商標と社会通念上同一である「マスター超硬バー」(以下「使用商標」という。)が表示されている。この切削工具の「超硬バー」は、金属、材料の切削加工に用いられ、本件商標の指定商品「金属加工機械器具」に属するものであり(乙第6号証及び同第7号証)、「超硬バー」の名称は、切削工具を表す普通名称である(乙第8号証及び同第9号証)。

以上より、使用商標「マスター超硬バー」は、本件商標「MASTER」のカタカナ表示「マスター」に使用商品の普通名称「超硬バー」を付記して使用するものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標であることが明らかである。

(ウ)村木貿易は、2004年1月15日ないし2006年1月18日に、ムラキヘ「超硬バー」を販売し(乙第10号証及び同第11号証)、ムラキは、2004年1月14日ないし2006年1月27日に、株式会社山善ほかへ「超硬バー」を販売した(乙第12号証)。「超硬バー」の包装容器のラベルには、「マスター超硬バー」と表示されている(乙第13号証及び同第14号証)。

よって、乙第10号証及び同第12号証は、審判請求の登録日前3年以内の使用の事実を明確に示すものである。

また、乙第13号証及び同第14号証も審判請求の登録前2年に使用されていると解するのが相当である。

(エ)被請求人は、平成16年11月14日、同17年3月10日、同18年1月10日付け「金型しんぶん」に広告を掲載し(乙第15号証)、また、平成16年11月吉日付の「マスター超硬バー ムラキ創業99周年謝恩企画 全国セールスコンテスト」のパンフレット(乙第16号証)を配布し、超硬バーの宣伝広告用のポスターを掲示した(乙第17号証)。

(2)結論

以上、乙第1号証ないし同第17号証から明らかなとおり、本件商標は、商標権者より村木貿易及びムラキに対し通常使用権が許諾され、かかる通常使用権者により本審判請求の登録日前3年以内に日本国内において金属加工機械器具の範疇に属する「超硬バー」について有効に使用されているものである。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき理由はないものである。

4 当審の判断

本件商標は、前述のとおり「MASTER」の文字よりなるものであり、また、本件審判請求の登録は、平成18年1月5日にされたものであるところ、被請求人は、本件商標は本件審判請求の登録の3年以上前から通常使用権者により継続的に現在においても日本国内で適法に使用されている旨述べ、乙第1号証ないし同第17号証を提出するので、以下検討する。

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(ア)本件商標の商標権者である「ロジヤーズ トウール ワークス インコーポレイテツド」の一部門である「Metal Removal Industrial Tooling」は、1993年(平成5年)8月1日に村木貿易株式会社と切削工具を含む製品の販売に関する契約を締結し、村木貿易に対し本件商標を使用する権利を許諾した(乙第3号証及び同第4号証)。

(イ)ムラキは、村木貿易の関連会社であり、平成17年6月3日に三協印刷有限会社より納品されたムラキの「超硬バー」の商品カタログには、「マスター超硬バー」の文字からなる使用商標が表示された「超硬バー」が掲載されている(乙第5号証ないし同第7号証)。

(ウ)村木貿易は、平成16年1月から同18年1月にかけてムラキに「マスター超硬バー」を販売し、ムラキは、平成16年1月から同18年1月にかけて、神奈川県厚木市所在の株式会社山善神奈川ほかへ「マスター超硬バー」を販売した。

「マスター超硬バー」の包装容器のラベルには、「米国メタル・リムーバル」、「マスター超硬バー」、「総代理店:(株)ムラキ」の各文字が表示されている(乙第10ないし同第14号証)。

(エ)ムラキは、平成16年11月14日付け、同17年3月10日付け及び同18年1月10日付け「金型しんぶん」に、「日本でご愛用ナンバーワン」などと謳い、「メタル・リムーバル」と表示して「マスター超硬バー」の広告を掲載した(乙第15号証)。

(オ)ムラキは、平成16年11月吉日「マスター超硬バー ムラキ創業99周年謝恩企画 全国セールスコンテスト」と記載されたパンフレットを代理店宛てに送付した(乙第16号証)。

(2)上記各事実によれば、村木貿易及びムラキは、本件商標の通常使用権者と認められるところ、平成17年6月3日に印刷会社より納品を受け、同日以降に頒布したものと推認することができるムラキの商品カタログには、「超硬バー」が掲載されており、該「超硬バー」は、本件商標の指定商品である「金属加工機械器具」に含まれる「切削工具」と認められる。

該「超硬バー」には、「マスター超硬バー」の文字からなる使用商標が表付されている。

使用商標「マスター超硬バー」中の後半部の「超硬バー」の文字部分は、商品の普通名称あるいは商品の品質を表示するものと認められ、前半部の「マスター」の文字部分が使用商標の自他商品の識別標識としての機能を果たす要部ということができ、「マスター」の文字は、本件商標の「MASTER」と称呼を同一にし、また、同一の観念を有するものということができるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と判断するのが相当である。

そして、通常使用権者の村木貿易は、平成16年1月から同18年1月にかけてムラキに使用商標の付された「マスター超硬バー」を販売し、ムラキは、平成16年1月から同18年1月にかけて、使用商標の付された「マスター超硬バー」を株式会社山善神奈川などに販売したことが認められる。

また、ムラキは、平成16年11月14日付け、同17年3月10日付け及び同18年1月10日付けの業界新聞に、使用商標を表示して「マスター超硬バー」の広告を掲載し、平成16年11月には、使用商標の表示された「超硬バー」のパンフレットを頒布したことが認められる。

(3)以上を総合すれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者によりその指定商品「金属加工機械器具」の範疇に属する「超硬バー」について使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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