Trademark Appeal Case
結合商標の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−25786(T2004−25786/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「Intelligent ABS」の文字を標準文字で表してなり、第12類「制動装置」を指定商品として、平成16年2月16日に登録出願されたものである。
2.原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、コンピュータにより高度の情報処理を自動的に行う車輪のロックを防ぎ操舵性の確保や方向安定性などを図るための自動制御システムであることを認識させる『Intelligent ABS』の文字を表してなるから、これを本願指定商品中前記文字に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「Intelligent」の文字と「ABS」の文字とを結合したものと容易に認識され、その構成中、「Intelligent」の文字は、「理解力のある,理知的な,情報処理機能をもつ,」(研究社新英和大辞典:2002年3月株式会社研究社発行)等の意味を有し、「ABS」の文字は、「アンチロックブレーキシステム(anti lock braking system)」の略語を表し「急制動時や雪道などにおいて、車輪のロックを防ぎ操舵性の確保や方向安定性などを図るための自動制御システム」(自動車用語中辞典:平成9年5月25日株式会社山海堂発行)等の意味、「自動車の電子制御ブレーキの一種」(広辞苑第5版)等の意味を有する語としていずれも一般に親しまれているものであり、普通に使用されている語である。
また、例えば、「imidas2006」(2006年1月1日 株式会社集英社発行)1216頁をみると「インテリジェントカー[Intelligent car]」について「知能自動車。マイコンやセンサーを組み込んで、速度制御,安全走行などを自動化する高度な機能をもたせたものなど.」との記載の他に、「インテリジェントセールス[Intelligent sales]」及び「インテリジェントロボット[Intelligent robot]」の記載がある。
ところで、自動車業界においては、自動車のインテリジェント化が進んでおり、車両の安全性向上のため、操舵装置、制動装置や駆動装置等にコンピュータ制御によるインテリジェント化技術を駆使している実情が認められる。
そして、上記した実情は、以下の各種新聞記事情報、及びインターネットの情報からも裏付けられる。
(1)1990.06.07 日刊工業新聞 23頁には、「住友電工のアンチロックブレーキシステム、ナビシステムを三菱自動車が採用」の見出しのもと「今回、採用されたシステムはABS(アンチロック・ブレーキ・システム)とナビゲーションシステム(経路誘導システム)の二つ。同社では今後も車のインテリジェント化に取り組み、市場拡大を図っていく。」との記載。
(2)1993.07.22 日刊工業新聞 2頁には、「JR北海道、デジタルATCを93年秋から試験導入」との見出しのもと「・・・デジタルATCは車上装置をインテリジェント化して、距離情報から制限速度のパターン曲線を作るため最適な列車制御が行える。」との記載。
(3)2000.03.22 毎日新聞東京朝刊 13頁には、「[特集]デジタルトレンド2000 ネットカー・無停止料金徴収、究極は自動運転」の見出しのもと「車のインテリジェント化が予想を超えるスピードで進んでいる。車載コンピューターと車内のセンサーや道路側から発信されるさまざまな情報がリンクして運転を助けたり、カーナビゲーションやインターネットを通じて得られた情報がドライバーの行動決定を支援する。」との記載。
(4)2003.08.06 朝日新聞東京朝刊 8頁には、「日産シーマに先進安全技術(情報ファイル)」の見出しのもと「前方を走る車との距離を測定して、追突が避けられないと判断した場合自動的にブレーキがかかる『インテリジェントブレーキアシスト』を導入。」との記載。
(5)社団法人日本自動車工業会(http://www.jama.or.jp/it/info_communication/info_communication_5.html)のホームページには、「開発・実用化されている主なインテリジェント化技術」の見だしのもと「【走行制御】/◆ブレーキアシスト」との記載。
(6)Response(http://response.jp/issue/2004/1113/article65438_1.html)のホームページには、「【トヨタ マークX 発表】ゼロ次安全のインテリジェントAFS」の見だしのもと「・・・ステアリング舵角や車速に応じてロービームの照射軸を、車両が3秒後に到達すると予想されるポイントに向ける『インテリジェントAFS』も装備する。/能動安全性では、ABS、EBD(電子制御制動力配分装置)、ブレーキアシストが全グレードに標準装備。」との記載。
そうすると、「Intelligent ABS」の文字よりなる本願商標からは、該商品が情報処理を応用した高機能のアンチロックブレーキ装置であると理解するにとどまり、その指定商品中、「アンチロックブレーキ装置」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品の機能、品質を表示したものと認識し、自他商品の識別標識としての機能を有しないものとみるのが相当である。また、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。