Trademark Appeal Case
称呼類似性:語頭音の近似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−13275(T2005−13275/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「BICS」の欧文字を横書きしてなり,第3類に属する願書記載の商品を指定商品として,平成16年7月13日に登録出願されたものであり,その指定商品については,同17年7月12日付けの手続補正書により,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」に補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において,拒絶の理由に引用した登録第762690号商標(以下「引用商標1」という。)は,後掲(1)のとおりの構成よりなり,昭和39年3月14日に登録出願,第1類「化学品,薬剤,医療補助品」を指定商品として,同42年11月24日に設定登録され,同52年12月8日,同63年5月25日及び平成9年12月24日の3回にわたり,商標権存続期間の更新登録がされたものである。
同じく, 登録第2017814号商標(以下「引用商標2」という。)は,後掲(2)のとおりの構成よりなり,昭和45年12月18日に登録出願,第1類「化学品,薬剤,医療補助品」を指定商品として,同63年1月26日に設定登録され,平成10年2月24日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
同じく,登録第2079358号商標(以下「引用商標3」という。)は,「VICKS COOL」の欧文字を横書きしてなり,昭和57年12月1日に登録出願,第1類「せきどめあめ,その他の薬剤,その他本類に属する商品」を指定商品として,同63年9月30日に設定登録され,平成10年5月6日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
同じく,登録第3247068号商標(以下「引用商標4」という。)は,「VICKS」と「ヴイックス」の文字を二段に併記してなり,平成6年8月15日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として,同9年1月31日に設定登録されたものである。
同じく,登録第4710953号商標(以下「引用商標5」という。)は,「ヴイックス」と「VICKS」の文字を二段に併記してなり,平成18年12月20日に登録出願,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として,同15年9月19日に設定登録されたものである。
以下,これらを総称する場合には,「引用各商標」という。
3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「BICS」の欧文字よりなるものであり,構成文字に相応して「ビックス」の称呼を生じ,特定の観念を有しない造語よりなるものである。
一方,引用各商標は,それぞれ前記2の構成よりなるものであるところ,引用商標1ないし引用商標3は,「VICKS」の欧文字と,図形,数字,他の文字等を組み合わせてなるものであるところ,簡易,迅速を尊ぶ取引の実際においては,「VICKS」の欧文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められるから,この欧文字部分に相応して「ヴィックス」の称呼を生じ,また,引用商標4及び引用商標5は,「VICKS」及び「ヴイックス」の構成文字に相応して「ヴィックス」の称呼を生じ,いずれも,当該文字部分は,特定の観念を有しない造語よりなるものである。
そこで,本願商標と引用各商標との類否について検討するに,本願商標と引用各商標とは,「ビックス」と「ヴィックス」の称呼において,語頭の「ビ」と「ヴィ」の音が相違するものの,当該差異音は,発音上は極めて近似した音であることから,語頭であっても,称呼全体に及ぼす影響は,大きいものということができず,これらの商標を称呼するときは,かれこれ相紛れるおそれがあるものである。
してみれば,本願商標と引用各商標は,外観において相違し,観念において比較するところがないとしても,称呼において類似する商標であるといわざるを得ず,かつ,本願商標の指定商品は,引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
なお,請求人は,「今回出願している『BIC』は『BIG』に由来するものであり,日本国において『BIG』を『ビック』と称呼する例は枚挙に暇がない。『大きい,偉大な』という英語の『BIG』を『ビック』と称呼し『ビック』を『BIC』と表記した上で,その複数形としての『BICS』を商標として出願したものである。本願商標は,意味を生じない単なる造語ではない」旨述べるところがあるが,商標の類否判断に当たっては,当該商標の採択者の意図にかかわらず,当該商標に接する取引者・需要者の認識を基準として,当該商標から生ずる自然な称呼,観念をもって判断すべきものであって,本願商標については,「BICS」の欧文字が,請求人が述べるような意味等を直ちに看取させるものとはいい難く,本願商標と引用各商標との類否は,上記のとおり判断するのが相当であるから,請求人の主張は採用することはできない。
したがって,本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,妥当であって,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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