結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30461(T2006−30461/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4507333号商標(以下、「本件商標」という。)は、四角形輪郭内に「ストップ」と「STOP」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年5月19日に登録出願、第1類「結露防止剤,その他の化学品」を指定商品として、平成13年9月21日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第12号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、指定商品である「結露防止剤,その他の化学品」について、今日に至るまで継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した実績が認められない。
したがって、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の全指定商品について登録は取り消されるべきである。
(2)弁駁
ア 乙第1号証ないし同第5号証によっては本件商標の使用を認めることはできない。
イ 使用商標とされる表示は、そもそも自他商品識別標識として使用されてはおらず、仮に商標であるとしても、本件商標と社会通念上同一の商標であるとは認められない。
ウ 乙第1号証、同第5号証は、商品のパッケージの写真が示されている。パッケージには、赤枠内に赤字「ぬるだけ」を上段に、青字「結露ストップ」を下段に横書きした表示が使用されている。しかし、かかる表示に接した取引者・需要者は、商品「結露の水ダレ防止剤」について、「ぬるだけで結露をストップ(防止)することができる」、という商品の効能を謳った表示であると理解するのが自然であり、自他商品識別標識として使用されていると認めることはできない。
過去に被請求人が「結露ストップ」、「ぬる/だけ 結露/ストップ」、「ぬるだけ 水ダレ防止で/ふきとりいらず 結露ストップ 窓にぬるだけ! 効果が約1〜2カ月持続します」を出願し、いずれも「結露防止剤」との関係で識別力なしとして拒絶査定となった(甲第2号証ないし同第4号証)。
この他にも、「とまること」や「とめること」を意味する「ストップ」・「STOP」の語と、その対象物を組み合わせた商標が識別力なしとして拒絶された例は多数ある(甲第5号証)。本件商標は、何をストップするのかが明らかでないからこそ識別力を発揮し得るのであり、「○○ストップ」、「ストップ○○」の如く対象物を組み合わせて表示した場合には、「○○をとめる」の意味合いが生じ、「○○」の部分だけに識別力がないというよりは、全体として識別性を有しない、単なる品質表示・機能表示と考えるのが妥当である。
なお、被請求人が甲第2号証ないし同第4号証に示した各商標と同時期に本件商標を出願したのは、当該各商標と本件商標を別異のものであると認識していたことを推認させる。
エ 仮に同表示が商標の使用であったとしても、その使用態様に照らせば、「ぬるだけ/結露ストップ」の表示は、赤枠で囲まれ、まとまりよく一体的に表示・使用されている。中でも、下段の「結露ストップ」は一体不可分に表示・使用されている。
例えば、乙第4号証の1ページ目の「ページ検索結果」をみると、Yahoo!オークションウェブサイトでは「『結露防止にエステー『ぬるだけ結露ストップ』 8箱セット」のように、「ぬるだけ結露ストップ」が恰もひとつの商標であるかのごとく鉤括弧で括られて用いられている。乙第4号証のその他の検索結果も全て「ぬるだけ結露ストップ」の表示が用いられている。乙第5号証でも同様に、「☆ぬるだけ結露ストップ☆エステー化学☆2個セット」、「エステー化学の水ダレ防止でふきとりいらず『ぬるだけ結露ストップ』です。」との表示が用いられている。
一旦自らが購入したものを販売するケースが多い、つまり商品の提供者の多くが一般消費者でもある、というネットオークションの性質からすれば、これらの表示は、需要者がパッケージに付された表示をどのように認識しているかを示すものとして捉えることができる。すなわち、需要者は、「ぬるだけ結露ストップ」の表示を一体として認識し、使用している。
また、乙第1号証、乙第5号証に示された表示中、下段の「結露ストップ」の文字は、確かに漢字とカタカナが混在する構成ではあるが、「結露」と「ストップ」の間に間隔がある訳でもなく、外観上横一連に同じ色・書体でまとまりよく表示されている。観念上も、「結霧をとめる」といった意味合いが生じることから、一体不可分であり、単なる「ストップ/STOP」とは明らかに異なる。
さらに、乙第2号証、乙第3号証をみても、いずれも「ケツロストップ」の表示により商品の種類を特定しているから、被請求人自身が、取引先との関係で「結露ストップ」を一体として、商品を区別するための商標として使用している。
オ ちなみに、「ストップ」、「STOP」を含む併存登録例が多数ある(甲第6号証ないし同第11号証)。これらはいずれも「ストップ」と、「ストップとその対象物の結合商標」の関係にあるが、非類似の商標と判断されている。
また、「STOP!と図形」に対して、「フケストップと図形」、「スーパーストップ」、「SUPERSTOP」が引用された事案で、非類似と判断された審決がある(甲第12号証)。
カ 審査・審判の実務に照らしても、また実際の使用態様をみても、使用商標は、本件商標と同一の称呼、観念が生ずるものではなく、社会通念上同一の商標であるとは認められない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証(a〜c)ないし同第5号証を提出した。
(1)本件商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「結露防止剤」について、本件商標を使用している。
(2)本件商標の使用の事実
ア 商標の使用者
乙第1号証「商品の写真」、乙第2号証「売掛伝票」、乙第4号証「Yahoo!オークションウエブサイト」および乙第5号証「niftyオークションウエブサイト」に、本件商標権者の略称「エステー」あるいは「エステー化学」が表示されている。
イ 使用に係る商品
乙第1号証には、請求に係る指定商品中の「結露の水ダレ防止剤」の品名が記載されている。
ウ 使用に係る商標
乙第1号証「商品の写真」、乙第4号証「Yahoo!オークションウエブサイト」および乙第5号証「niftyオークションウエブサイト」に、本件商標が記載されている。
乙第1号証には中央赤枠内に赤字「ぬるだけ」を上段に右詰めで、青字「結露ストップ」を下段に二段に横記してなる。
この表記は、上段は使用方法を、下段の前半「結露」の部分は自然現象を表し本件指定商品との関係において用途などを表し、識別性を有しない語といえる。
例えば、漏水ストップ、帯電ストップ、凍結ストップ、かびストップ等の前半の語、あるいは逆にストップ漏水、ストップ帯電、ストップ凍結の後半に用途を区別するために付しても、いずれも識別性を有しないものであり、識別性の無い語が前半に付こうと後半に付こうと事情は同じである。
さらに、この下段の記載は、前半が漢字であり、後半がカタカナ「ストップ」と漢字とカタカナとを混ぜた構成からなるため、全体としてのまとまりが薄く、前記識別性の点と総合するに、後半の「ストップ」の部分みが簡略称呼されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたというべきである。
エ 使用時期
乙第1号証cには、バーコード番号「4901070906697」が記載されている。
乙第2号証「売掛伝票」の商品コード欄には、前記コード番号と同一番号および品名として「ケツロストップ」が記載されており、さらに年月日欄に「04 01 06」が記載されている。これは商慣習に照らし2004年1月6日であると判断できる。ここには2004年4月1日までの伝票を綴ってある。なお最初の2枚は目次である。
乙第3号証は、返品リストであり、2005年5月2日から2006年5月9日までのものが記載されている。
乙第4号証は、Yahooオークションに、本件商標を付した商品が、2006年5月31日検索時点で、(終了日時:2006年1月21日18時24分)とオークションの締切り年月日が掲示されている。
乙第5号証は、niftyオークションに、本件商標を付した商品が、2006年6月16日検索時点で、「終了時間:6/19 22:13」の記載がされており、2006年6月19日までオークションに掛けられている。すなわち、現在に至るも継続して使用されていることが分る。
以上より、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を日本国内で使用していたことが明らかである。
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、別掲に示す商標(以下「本件使用商標」という。)が商品「結露防止剤」に表示され、当該商品が本件審判請求の登録前3年以内の時期に取引されたと推認し得るものである。
(2)本件商標は、前記1のとおり、「ストップ」と「STOP」の文字を二段に表したものであるところ、本件使用商標は、別掲のとおりの構成からなるものであり、上段に橙色で「ぬるだけ」の文字を書し、その下段に青色で「結露ストップ」の文字を書してなるものと認められる。
しかして、上段の橙色に表された「ぬるだけ」の文字部分は、「塗るだけ(である。)」との意味合いを認識させ、商品の使用方法を端的に表現したものとして看取されるというのが相当である。そして、下段の「結露ストップ」は、「結露」が漢字であり「ストップ」が片仮名文字であるとしても、同じ青色の色彩を施した同じ書体をもって一連一体的に表されているものであり、また、「結露」の文字の一部に水滴風の図案が加えられているものである。しかして、「結露ストップ」の斯かる構成態様に照らし、また、「ケツロストップ」と一連に淀みなく称呼し得ることに鑑みて、用途に関連する「結露」の語と「止める」を意味する「ストップ」の語とを組み合わせた一体のものとして看取されるものであるから、「ストップ」の文字部分のみが独立分離して商標として認識されるというよりも、「結露ストップ」の文字全体で自他商品の識別標識として機能するものと認めるのが相当である。
ちなみに、被請求人に係る取引書類(乙第2号証)の記載に徴すれば、取引上において本件商標を使用した商品の品名を、「ケツロストップ」の呼び名(称呼)において特定しているものと優に認め得るところである。
以上よりすれば、本件使用商標は、「結露ストップ」の文字全体に相応して「ケツロストップ」の称呼を生じ、特定の観念を生ずることのない造語によって表されたものとして把握され、「ストップ」(停止)の称呼・観念において把握されるものとはいえないから、「ストップ」の称呼、「停止」の観念を生ずる本件商標とは、称呼及び観念において明らかに相違するものであり、さらに、本件使用商標と本件商標とは、外観が顕著に異なるものであって、社会通念上同一と認められる商標ということはできないものである。
したがって、本件使用商標がその指定商品中「結露防止剤」に使用をされたとしても、これによっては、本件商標あるいはこれと社会通念上同一と認められる商標が使用をされたと認めることはできない。
そして、他に、本件商標あるいは「ストップ」ないし「STOP」からなる商標が使用されていることを窺わせる証拠は見出せない。
そうとすると、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標がその指定商品に使用されたことを明らかにしたものとはいえない。
(3)以上によれば、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその指定商品について使用をしていないものに該当するといわざるを得ないから、商標法第50条に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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