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Trademark Appeal Case

著名商標と複合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2006−89043(T2006−89043/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4645630号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4645630号商標(以下「本件商標」という。)は、「OKEN SEIKO」の文字を標準文字で書してなり、平成14年4月26日に登録出願、第7類「風水力機械器具,動力伝導装置,バルブ,起動器,交流電動機および直流電動機(陸上の乗物用のものを除く。),交流発電機,直流発電機」を指定商品として、同15年2月21日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第175840号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、大正14年1月19日に登録出願、第21類「時計並其各部及附属品」を指定商品として、同14年12月2日に設定登録され、平成18年4月12日に指定商品を第14類「時計」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第1836401号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、昭和57年7月2日に登録出願、第11類「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、同61年1月24日に設定登録され、平成18年4月19日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(3)登録第1946045号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、昭和59年3月2日に登録出願、第9類「産業機械器具(ミシンを除く)動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同62年4月30日に設定登録されているものである。

以下、まとめて「引用商標」という。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。

(1)請求の利益について

(2)で述べるとおり、本件商標がその指定商品に使用された場合、請求人が「時計」及び「ゴルフクラブ、シェーバー、眼鏡、宝飾品、計測器、液晶テレビ、電子辞書、携帯情報端末、コンピュータ、その周辺機器、CAE/CAD/CAMシステム、電子部品、分析・計測機器、プリンター、半導体・液晶表示」等について使用する商標「SEIKO」に化体した業務上の信用が侵されることは明らかであるから、請求人は本件審判を請求することについて利害関係を有するものである。

(2)無効理由について

(ア)本件商標に係る異議の決定謄本(異議2003−90275)の写し、甲第20号証においてした異議の判断は誤っており、そのため本件商標の登録を維持するとした異議の決定は取消されるべきである。

「SEIKO」の文字が、「精巧に工作すること」、「精密工業」を意味するとする記事掲載を辞典・辞書等には見出すことができない。

異議2003−90377(甲第19号証)の「異議の決定」において、「結論 登録第4658368号商標「OKENSEIKO」の商標登録を取り消す。」との決定が存する。

「SEIKO」の文字は、(イ)で明確に請求人会社及び請求人のグループ会社の取扱いに係る商品あるいは請求人会社の商号の略称を表示するものである。

(イ)引用商標の著名性について

請求人は、1881年(明治14年)創業し、1895年(明治28年)に「精工舎(現セイコー株式会社)」を設立して、時計等の販売業務、輸出業務を開始して以来、その販売網は国内を始め世界100カ国以上に及び、商標として永年に亘るテレビ、新聞、雑誌等の広告、宣伝及びオリンピック大会その他の主な国際競技大会(陸上競技・水泳競技)の公式時計やセイコースーパーテニスの開催等の結果、日本のみならず世界の各国の取引者・需要者間において周知・著名となっているものである。

また、1924年(大正13年)に製造・販売に係る時計類の名称に「SEIKO」「セイコー」の商標を使用開始後に、「SEIKO」を商標登録出願し、1925年(大正14年)12月2日に設定登録を受け、登録商標の下に各種時計、眼鏡、計測器、電子辞書等の製造・販売を今日まで行っている(甲第2号証)。

請求人会社は、1949年(昭和24年)に、東京証券取引所に上場し、「時計」をはじめとする自己の事業に関連する分野に進出して、多角経営やライセンス事業を行い、「時計類」などの商品については、国内を始め世界100カ国以上に及ぶ販売網をもち、また、そのグループ会社で製造された、「眼鏡、電気シェーバー、宝飾品、ゴルフクラブ、プリンタ、コピー機器、情報関連機器、スポーツ・レジャー用品、音響機器」などの商品の販売及び不動産業などの役務に関連する事業を行っているものである(甲第5号証)。

日本有名商標録に、「SEIKO」が掲載されている(甲第6号証)。

企業ブランドランキングに、「SEIKO」が掲載されている(甲第8号証)。

最高裁平成3年(行ツ)第103号の判決においても「〜「SEIKO」の部分は、わが国における著名な時計等の製造販売業者である株式会社服部セイコーの取扱商品ないし商号の略称を表示するものであることは原審の適法に確定するところである。」と記述され、最高裁判所において著名性を認めている(甲第7号証)。

特許庁の審決・異議申立の決定等においても、「SEIKO」の著名性は認めている。審決例の一つをみても、「「SEIKO」は請求人会社の商号の略称として及び同社の取扱いに係る商品全般に亘って使用する代表的出所標識(ハウスマーク)として、これまた世人一般に知られているものであることは当庁においても顕著な事実である。」と記述されている。

すなわち、「SEIKO」の商標は、自己の取扱いに係る商品全部に統一的に使用されている「ハウスマーク」であることが明確に示されたものである。

上記によれば、「SEIKO」の文字は、請求人会社及び請求人のグループ会社の取扱いに係る商品あるいは請求人会社の商号の略称を表示するものとして、著名性を獲得しているものであることは明らかである。

(ウ)商標法第4条第1項第15号について

本件商標の構成態様について

本件商標は、「OKEN SEIKO」の欧文字を横書きにしてなるものであり、該構成文字は、全体として特定の意味合いを有するものとして一般に知られ、親しまれたものとはみられないものであって、「OKEN」と「SEIKO」の2語よりなるものとして把握し、認識されるものである。

商標権者においても、甲第9号証の2003企業ガイドからも明らかなように「OKEN」の文字と図形との結合商標を使用している事実が存する。

そうとすれば、本件商標の指定商品の分野において、請求人のハウスマークとして、また、請求人及び請求人のグループ会社の業務に係る商品を示す商標として、本件商標の登録出願時には、著名であったことからすれば、本件商標に接する者は、構成中の「SEIKO」の文字に惹きつけられ、「SEIKO」の文字部分に着目して、請求人の「SEIKO」のハウスマークあるいは引用商標を連想するのが自然である。本件商標をその指定商品に使用すれば、その商品が請求人又は請求人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

(エ)商標法第4条第1項第11号について

(ウ)で述べたとおり、本件商標は、「OKEN SEIKO」の欧文字を横書きにしてなるものであり、該構成文字は、全体として特定の意味合いを有するものとして一般に知られ、親しまれたものとはみられないものであって、「OKEN」と「SEIKO」の2語よりなるものとして把握し、認識されるものである。

また、他人の著名商標を一部に有するものであり、かつ、他人の著名な登録商標と配列を同じくする類似のものであって、当該商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。

そうとすれば、本件商標構成中の「SEIKO」の文字より、「セイコー」の称呼をも生ずるものであるから、引用商標の「SEIKO」の文字より生ずる「セイコー」の称呼とは、「セイコー」の称呼を共通にする類似の商標である。

(オ)商標法第4条第1項第19号について

商標権者においては、甲第9号証からも明らかなように、「OKEN」の文字と図形を結合させた商標を使用しているにもかかわらず、「SEIKO」の商標が請求人のハウスマークであり、請求人及び請求人のグループ会社の業務に係る商品に使用している事実を知りながら、登録出願をしたのは、出所表示機能を希釈化させたり、その名声等を毀損させる目的をもって出願したものと推認するものである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同15号及び同19号に違反してなされたものであるから、無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、請求人の上記主張に対し何ら答弁していない。

5 当審の判断

請求人の提出に係る各甲号証によれば、請求人は、1881年(明治14年)創業、1892年(明治25年)に「精工舎(現セイコー株式会社)」を設立し、時計類の製造、販売等を開始して以来、引用商標を使用して、永年に亘るテレビ、新聞、雑誌等の広告、宣伝及びオリンピック大会その他の国際競技大会(陸上競技・水泳競技)の公式時計やセイコースーパーテニスの開催等を行った結果、引用商標は、時計等について使用する商標として、日本のみならず世界各国の取引者・需要者間において周知著名となっているものと認められる。また、請求人は、時計のみならず、「眼鏡、電気シェーバー、宝飾品、ゴルフクラブ、プリンタ、コピー機器、情報関連機器、スポーツ・レジャー用品、音響機器」等について様々な事業展開を行っていることが認められる。

しかして、本件商標は、上記のとおりの構成からなるところ、不可分一体の既成観念を表す語として一般に知られ親しまれているとはいい難いものであるから、「OKEN」と「SEIKO」の二語を結合したものとして把握し認識される場合も少なくないというべきである。しかも、本件商標の指定商品は、引用商標が使用されている商品とは機械分野という点において少なからぬ関係にあるものといえる。

かかる事情において、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「SEIKO」の文字部分に着目して、周知著名となっている引用商標を連想、想起し、該商品が請求人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同するおそれがあるというのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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