1 本願商標
本願商標は,「ハイブリッドIPセントレックス」の文字を標準文字で書してなり,第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成16年11月26日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,『(異種のものの)混成物。』[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]を意味し,例えば,アナログ回路とディジタル回路を1つにまとめたものを『ハイブリッド回路』のように使用され,複数の技術を組み合わせることによって目的を遂行する機能単位を表すために,広く普通に使用されている『ハイブリッド』の文字と,『IP電話機を利用し,IP通信網を介して交換機能を提供するサービス(方式,システム)』を意味する『IPセントレックス』の文字とを一連に『ハイブリッドIPセントレックス』と標準文字で表してなるところ,全体としても『2以上の技術,システムを組み合わせ,融合させたIP電話交換サービス(システム)』という程度を容易に理解させるものであり,これを本願指定役務中,IP電話交換システムの設計,同システム用プログラムの設計,作成,保守,提供又は貸与,同システム用機器の試験,研究又は操作方法等の説明等に使用するときは,これに接する需要者・取引者は『2以上の技術,システムを組み合わせ,融合させたIP電話交換システム』に関連する役務であることを認識するにとどまることから,単に役務の質を表示するにすぎない商標と認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,上記役務以外の機器システムに関する役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は,上記のとおり,「ハイブリッドIPセントレックス」の文字を標準文字で書してなるところ,その構成中の「ハイブリッド」の語が「(異種のものの)混成物。」の意味を,また,「IPセントレックス」の語が「IP電話機を利用し,IP通信網を介して交換機能を提供するサービス(方式,システム)」の意味をもつ場合があるとしても,上記各語を「ハイブリッドIPセントレックス」と一連に表した構成からなる本願商標は,原審説示の意味合いを暗示させるにすぎず,本願の指定役務との関係からして,直ちに特定の意味合いをもって親しまれ,あるいは,特定の役務の質,特性等を具体的に表示するものとして,一般に理解されているとは,認め難いものである。
また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定役務を取り扱う業界において,該文字が役務の質等を表示するものとして,取引上普通に使用されていると見るべき事実も見いだせない。
そうとすれば,本願商標をその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり,また,役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は妥当でなく取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。