Trademark Appeal Case
カフェミックスの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−4604(T2004−4604/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「カフェミックス」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成15年3月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『カフェミックス』の文字を標準文字により表してなるところ、『コーヒー』の意味を有する仏語に通ずる『カフェ』の文字と『混合』の意味を有する英語に通ずる『ミックス』の文字とを結合したものと容易に認識されるものといえ、例えば、2001年8月1日付けの日刊工業新聞には、『ネスレジャパン、コーヒーミックス市場で04年シェア84%狙う』の見出しのもと『コーヒーミックスは、インスタント(ソリュブル)コーヒーとクリームパウダー、砂糖などをあらかじめ混合してスティックなどの形状で個包装したタイプの商品で・・・』との記載より、『カフェミックス』の文字からは、『クリームや砂糖を混合したコーヒー』の意味合いの『コーヒーミックス』を容易に認識するものといえるので、これを本願指定商品中『クリームや砂糖を混合したコーヒーを加味した清涼飲料』に使用するときは、商品の品質を表示するものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「カフェミックス」の片仮名文字からなるものであるところ、その指定商品との関係においてみるならば、これは、後述する平易な外来語である「カフェ」と「ミックス」との語を結合したものであるということは、容易に理解、認識できるものといわなければならない。
(2)そこで、「カフェ」と「ミックス」の語からなる本願商標「カフェミックス」が、商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かについて、以下検討する。
ア 本願商標を構成する前半の「カフェ」の語は、主に「コーヒー」及び「コーヒー店。喫茶店。」を意味することで知られる平易な外来語である(株式会社岩波書店発行「広辞苑第5版」、株式会社小学館発行「大辞泉」、株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第3版」、株式会社集英社発行「imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典」等)。
この点に関して、請求人は、株式会社三省堂発行「大辞林第2版」には、「カフェ」の第一義として「コーヒー店・喫茶店」が認められることなどを理由に、必ずしも「カフェ」の語は、需要者間において「コーヒー」として認識されるとは考えられず、むしろ現代では「喫茶店」等の意味合いで使用されていることの方が多い旨主張する。しかし、「カフェ」の語が「コーヒー」の意味をも有する平易な外来語であることは、上記のとおりであるし、また、実際にも、「カフェ・オ・レ」(牛乳入りのコーヒー)、「カフェ・ロワイヤル」(ブランデー入りのコーヒー)、「ドリップ・カフェ」(ドリップ式のコーヒー)などのように、「カフェ」の語が「コーヒー」を意味するものとして使用されている例は少なくない。ましてや、本願商標の指定商品との関係をも考慮するならば、「カフェ」の語は、「喫茶店」等の意味合いで認識されるというよりは、むしろ、「コーヒー」と同義に理解、認識されるものというべきである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
イ また、本願商標を構成する後半の「ミックス」の語も、「混ぜること」や「混ぜ合わせたもの」等を意味することで知られる平易な外来語である(前掲「広辞苑第5版」、同「大辞泉」、同「コンサイスカタカナ語辞典第3版」等)。
ウ ところで、原審が拒絶の理由で示した新聞記事(2001年8月1日付けの日刊工業新聞)にも記載されているように、コーヒーを取り扱う業界において、「コーヒーミックス」という語は、「インスタント(ソリュブル)コーヒーとクリームパウダー、砂糖などをあらかじめ混合してスティックなどの形状で個包装したタイプの商品」を意味するものとして普通に使用されているものである。このことは、例えば、以下に示す新聞記事よっても十分首肯し得るところである。
(ア)1995年2月3日付けの日本食糧新聞には、「キーコーヒー、泡立つミルク入り「カフェショコラーテ」発売」の見出しの下に、「インスタント・ミックス商品のマーケットサイズは、コーヒーミックスで年間一〇〇億円、ティーミックスで年間四〇億円と全体で約一四〇億円の市場規模と推定されている。」との記載がある。
(イ)1998年7月9日付けの日経産業新聞には、「ネスレ日本、スティック型コーヒー投入。」の見出しの下に、「ネスレ日本はスティックタイプのコーヒーミックス「ネスカフェ ワンプラスツー」三品種を九月一日に発売する。一箱八袋入りで、価格は四百円。コーヒーと砂糖、クリーミングパウダーを一つの袋に入れ、簡単に飲めるようにしたのが特徴。」との記載がある。
(ウ)2002年1月30日付けの日本食糧新聞には、「味の素ゼネラルフーヅ、春の新製品発表、コーヒーの新しい可能性に挑戦」の見出しの下に、「日本市場ではまだ市場規模は小さいものの、「潜在需要は六〇億〜七〇億円はある」と見るコーヒーミックス市場へ「ブレンディ ステックミックスコーヒー たっぷりマグカップサイズのカフェオレ」(写真(2)右、一三g×一〇本入り三〇〇円前後)を発売。市場シェアを発売初年度で一二%を取る意気込み。コーヒー、ミルク、シュガーがワンパックになり、お湯を注ぐだけでカフェオレが楽しめる。」との記載がある。
(エ)2003年9月15日付けの日本食糧新聞には、「コーヒー・紅茶・クリーム・ココア特集:ジャンル別動向=コーヒーミックス」の見出しの下に、「コーヒーミックス市場は市場規模は小さいながら善戦を続けている。カフェメニューが家庭で手軽に味わえること、また砂糖・ミルク入りの完成された味わいが、主婦などから好評のようで、バリエーションが多彩となっているのも最近の特徴だ。スティックタイプや小袋入り、大容量タイプ、カップ入りと飲用シーン別に楽しめるのも魅力で、若者から支持されるカプチーノやフレーバーコーヒーから、主婦向けのミルクコーヒーまで、各種新規参入が積極的だ。」との記載がある。
(オ)2004年9月13日付けの日本食糧新聞には、「コーヒー・紅茶・クリーム・ココア特集:ジャンル別動向=コーヒーミックス」の見出しの下に、「コーヒーミックス市場は、コーヒー・砂糖・ミルクが一体になっていることから、若者層や女性をはじめとした幅広い世代に支持を得ている。」との記載がある。
(カ)2006年9月1日付けの日本食糧新聞には、「コーヒー・紅茶・クリーム・ココア特集:ジャンル別動向=コーヒーミックス」の見出しの下に、「コーヒーミックス市場は、05年度も前期比10%増と2桁成長で着地、6年連続で伸長する注目のカテゴリーだ。市場規模も約100億円のカテゴリーとなった。簡便性や商品のバラエティー感が若年層を中心とした消費者から人気を得ている。」との記載がある。
エ そうすると、本願商標に接する取引者・需要者は、「カフェミックス」の語を前記「コーヒーミックス」の語と同義にとらえ、その内容を理解、認識しようとする可能性は極めて高いものというべきであるし、また、それとともに、これより「コーヒーをそれ以外の素材と混ぜ合わせたもの」程の意味合いも容易に認識するものというべきである。
オ してみれば、前記「コーヒーミックス」を認識させ、また、「コーヒーをそれ以外の素材と混ぜ合わせたもの」程の意味合いをも容易に認識させる本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その商品が「コーヒーを混ぜ合わせた商品」であることを表示したものであると理解、認識するにとどまるものというべきであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質又は原材料を表示するにすぎないものといわざるを得ない。
また、本願商標を前記商品以外の指定商品に使用するときは、その商品が「コーヒーを混ぜ合わせた商品」あるいは恰も「コーヒーミックス」すなわち「インスタント(ソリュブル)コーヒーとクリームパウダー、砂糖などをあらかじめ混合してスティックなどの形状で個包装したタイプの商品」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
カ 請求人は、「コーヒーミックス」という語が該業界の一部で使用されているのは事実であるが、しかしながら、広く需要者間において、仏語に通ずる「カフェ」と英語に通ずる「ミックス」を結合した表現が使用されている例は見当たらないし、「クリームや砂糖を混合したコーヒー」を表す表現として、本願商標のような「カフェミックス」という表現がなされている事実も見当たらないから、本願商標は、決して商品の品質を表示するものではなく、また、商品の品質の誤認を生じさせるものでもない旨主張する。
しかし、商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当する商標であるか否かは、取引者・需要者に指定商品の品質等を表示するものとして認識され得る表示態様からなる商標であるか否かによって判断されるべきものであるから、現実に使用されているなどの事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。
したがって、請求人の上記主張も採用することができない。
(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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