結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30564(T2006−30564/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1261749号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲に示す構成からなり、昭和48年5月8日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として昭和52年4月6日に設定登録されたものであって、その後、2回に亙る商標権存続期間の更新登録がされている。
また、取消し審判の予告登録は、平成18年5月26日にされた。
請求人は、本件商標の指定商品中「加工穀物及びこれらに類似する商品,すし・弁当・サンドイッチ及びこれらに類似する商品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(商標公報)及び甲第2号証(商標登録原簿写し)を提出した。
請求人が調査した限りにおいては、本件商標が商標権者によって継続して3年以上日本国内において使用されている事実を発見することができなかった。また、商標登録原簿を見ても専用使用権および通常使用権は設定登録されておらず、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もない。
更には、本件商標を使用していないことについての正当な理由も認めることができない。
被請求人が主張する答弁の理由及び乙各号証のいずれからも、本件商標を審判請求の予告登録日前3年以内に使用している事実を確認することができない。
(1)乙第1号証の1について
本件商標は、中央より左側に寄った位置に上方へ向け突出した凸部を有する波型の模様を上下二段に重ねた構成からなる図形と該図形の右側に該図形とほぼ同程度の大きさで「たからや」の平仮名文字を左横書きに書してなり、その図形部分と文字部分とを横長方形により囲ってなるものである。
そこで、「Takaraya Catalog/多加良屋カタログ」(乙第1号証の1:以下「商品カタログ」という。)に記載された標章部分を鑑みるに、以下の3点において、本件商標と当該標章とはその構成が大きく相違し、需要者・取引者に与える印象は全く異なるものとなる。してみれば、本件商標と当該標章とは社会通念上同一のものと認めることはできない。
(ア)本件商標はその図形部分と文字部分とが左右の関係にあるのに対し、当該標章はその図形部分と文字部分とが上下の関係にあるため、その構成は本件商標のそれとは大きく相違する。
(イ)本件商標は図形部分と文字部分との大きさがほぼ同程度であるのに対し、当該標章における図形部分は文字部分と比較すると極めて大きく、その構成は本件商標のそれとは大きく相違する。
(ウ)本件商標は横長方形により囲ってなるものであるのに対し、当該標章は縦長方形により囲ってなるものであり、その構成は本件商標のそれとは大きく相違する。
なお、この「商品カタログ」のいずれの部分からもその使用時期は明らかとなっていない。
(2)乙第1号証の2について
「請求明細書の写し」(乙第1号証の2)を検討するに、確かに該請求明細書中「商品名」欄には「お歳暮ギフトカタログ」の記載が認められる。
しかし、この記載をもって乙第1号証の1に係る「商品カタログ」の使用時期を立証したということは到底できない。なぜなら、この「請求明細書の写し」の中で「お歳暮ギフトカタログ」の記載が「商品カタログ」を指し示すものであることが何ら証明されていない。
(3)乙第2号証ないし同第4号証について
「請求書(控)の写し」(乙第2号証ないし同第4号証)に記載の標章は、図形部分及び文字部分の記載は認められるものの、本来あるべく横長方形が存在しない。このような相違は需要者・取引者に与える印象が極めて大きいものであり、当該標章と本件商標とは著しくかけ離れたもので、もはや社会通念上同一であるものとは認められない。
(4)乙第5号証について
「請求書(控)の写しの原紙」(乙第5号証)は、実際に顧客との間で取引に供されたものではないことが明白である。また、当該標章には横長方形がない。してみれば、この「請求書(控)の写しの原紙」は、「使用」しているものとは認められず、また、本件商標と社会通念上同一であることも認められない。
(5)乙第6号証ないし同第8号証について
「請求書の写し」(乙第6号証ないし同第8号証)のいずれの部分にも、本件商標、あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載されていない。してみれば、本件商標、あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用時期を立証したものということはできない。
(6)乙第9号証について
「各種商品の写真」(乙第9号証)のいずれの部分からも、本件商標、あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標の表示が見当たらない。
(7)乙第10号証の1について
「包装袋」(乙第10号証の1)が「いかごはん」や「飯寿司」を販売する際に使用されていることの証拠が何ら提出されていない。してみれば、この「包装袋」のみでは指定商品との関係が極めて不明確であり、本件商標を指定商品に「使用」したものということはできない。
なお、この「包装袋」のいずれの部分からもその使用時期は明らかでない。
(8)乙第10号証の2について
「請求書の写し」(乙第10号証の2)は、「商品名」欄には「半透明買物袋(小)」の記載が認められる。しかし、この「請求書の写し」の「半透明買物袋」の記載が乙第10号証の1に係る「包装袋」を指し示すことが何ら証明されていない。
(9)乙第11号証の1について
「包装紙」(乙第11号証の1)に表示の標章は、波型の図形部分と「たからや」の文字部分とを横長方形により囲ってなるものの、その図形部分と文字部分との下部には、「札幌地下街ポールタウン」の文字が表示されている。本件商標にはこの文字部分は含まれておらず、その構成が大きく相違し、需要者・取引者に与える印象は全く異なる。よって、本件商標と当該標章とは同一、あるいは社会通念上同一のものと認めることはできない。
なお、この「包装紙」のいずれの部分からもその使用時期は明らかとなっていない。
(10)乙第11号証の2について
「請求明細書」(乙第11号証の2)中の「品番/品名・規格」欄に「名入れ包装紙」の記載が認められる。
しかし、この記載をもって乙第11号証の1に係る「包装紙」の使用時期を立証したということはできない。なぜなら、「名入れ包装紙」が乙第11号証の1に係る「包装紙」を指し示すものであることが何ら証明されていない。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標の商標権者である「株式会社多加良屋」は、本件審判請求の予告登録日前3年以内にわが国においてその請求に係る指定商品中、「いかごはん、飯寿司」について本件商標を使用している。
(1)商標の使用者
「商品カタログ」(乙第1号証の1)、「請求書(控)の写し」(乙第2号証ないし同第4号証)にはそれぞれ「株式会社多加良屋」、「札幌市東区北6条東6丁目2番3」が表示されている。なお、乙第2号証ないし乙第4号証は写しで不鮮明であるため、「請求書(控)の写しの原紙」(乙第5号証)を提出する。
(2)使用商品
(ア)「商品カタログ」(乙第1号証の1)には、請求に係る指定商品「すし・弁当・サンドイッチ及びこれらに類似する商品」の製品「紅鮭飯寿司」及び「飯寿司三昧(紅鮭・ハタハタ・ホッケ)の飯寿司」の記載、「請求書(控)の写し」(乙第2号証ないし乙第4号証)には、同じく製品「飯寿司三昧」「秋鮭飯寿司」「紅鮭飯寿司」「ハタハタ飯寿司」「網焼きいかごはん」「いかごはん(ジャンボ)」「いかごはん(紅鮭入り)」「いかごはん(2尾入り)」及び「いかごはん(6尾入り)」の記載、「請求書の写し」(乙第6号証ないし乙第8号証)には、同じく製品「真いかいかごはん」「網焼きいかごはん」「いかごはん(ジャンボ)」「いかごはん(紅鮭入り)」「いかごはん(2尾入り)」「いかごはん(6尾入り)」「はたはた飯寿司」「ハタハタ飯寿司」「にしん飯寿司」「ほっけ飯寿司」「べに寿司」「紅飯寿司」「ししゃも飯寿司」「さんま飯寿司」がそれぞれ記載されている。
(イ)「各種商品の写真」(乙第9号証)は、「請求書(控)の写し」(乙第3号証及び第4号証)、及び「請求書の写し」(乙第6号証及び乙第7号証)にそれぞれ記載されている各種のいかごはん、いかめしの写真である。
(3)使用商標
(ア)「商品カタログ」(乙第1号証の1)には、中央より左側に寄った位置に上方へ向け突出した凸部を有する波型の模様を上下二段に重ねた構成からなる図形と、該図形の下に平仮名で「たからや」と左横書した文字との周囲を四角の枠で囲った構成からなる商標、すなわち、平仮名文字「たからや」の位置のみに変更を加えた本件商標と社会通念上同一と認められる商標、及び「請求書(控)の写し」(乙第2号証ないし乙第4号証)には、その原紙(乙第5号証)によっても明らかなように、該図形と文字との周囲を囲む四角の枠を省いた本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載されいる。
(イ)また、上記の「いかごはん」や「飯寿司」を販売する際に使用する包装袋や包装紙である「ビニール製の手提げ形式の包装袋」(乙第10号証の1)及び「紙製の包装紙」(乙第11号証の1)には本件商標がそれぞれ記載されている。
(4)使用時期
「商品カタログ」(乙第1号証の1)は、「請求明細書の写し」(乙第1号証の2)の納品日の欄に示すように「平成16年11月12日」に商標権者に納品されたものである。
「請求書(控)の写し」(乙第2号証ないし乙第4号証)は、その日付の欄に示すように、2005(平成17)年12月31日付け、2006(平成18)年1月31日付け、及び「2006(平成18)年3月31日付けでそれぞれ商標権者から各顧客宛に請求されている。
また、「請求書の写し」(乙第6号証及び乙第8号証)は、その発行日の欄に示すように平成18年1月6日付け、平成18年3月2日付け、平成17年12月29日付け、平成18年2月28日付け及び平成17年10月31日〜平成18年3月30日付けでそれぞれ仕入れ先から商標権者宛に請求されたものである。
更に、「包装袋」(乙第10号証の1)は、包装袋製造会社からの「請求書の写し」(乙第10号証の2)の出荷日の欄に示すように、平成17年10月14日に商標権者に納品され、「包装紙」(乙第11号証の1)は、同じく「請求明細書」(乙第11号証の2)の仕切年月日の欄に示すように、2006(平成18)年3月31日付けで商標権者宛に請求されたものである。
(1)乙第1号証の1について
商標権者に係る「商品カタログ」(乙第1号証の1)には、商品(飯寿司)の写真が掲載されるとともに「小樽 飯寿司三昧」の表示があり、さらに「注文番号」として「TK−25」の表示があることが認められる。
(2)乙第2号証ないし同第4号証について
商標権者作成の平成17年12月31日付け「松下運輸株式会社」宛て「請求書(控)の写し」(乙第2号証)には、日付「12.22」及び「12.28」に対応した「商品名/規格」の欄に、「飯寿司三昧 TK−25」の記載があり、それぞれの数量や金額が記載されている。
この請求書(控)には、中央より左側に寄った位置に上方へ向け突出した凸部を有する波型の模様を上下二段に重ねた構成からなる図形と、その右側に「たからや」の文字を横書きに配した標章(以下「使用商標」という。)が表示されている。なお、この標章については、未使用の当該書類の現物(乙第5号証)によっても、明確に確認し得るものである。
同じく、平成18年1月31日付けの「北海道キヨスク株式会社」宛て「請求書(控)の写し」(乙第3号証)には、日付「1.25」及び「1.11」に対応した「商品名/規格」の欄に、それぞれ「紅鮭飯寿」及び「中水 網焼きいかごはん」等の記載があり、それぞれの数量や金額が記載されている。
また、同じく、平成18年3月31日付けの「株式会社じょうてつ」宛て「請求書(控)の写し」(乙第4号証)には、日付「3.1」に対応した「商品名/規格」の欄に、「いかごはんジャンボ」「いかごはん(2尾入)」の記載があり、それぞれの数量や金額が記載されている。
そして、これらの請求書(控)にも、使用商標を認めることができる。
(3)乙第6号証ないし同第9号証について
「請求書の写し」(乙第6号証ないし同第8号証)及び「各種商品の写真」(乙第9号証)によれば、上記の各種飯寿司は兼長水産株式会社から、また、「いかごはん」は中水食品工業株式会社や株式会社エビスパックから、商標権者に納入されているものとみて差し支えないといえる。
本件商標は、後掲のとおり、横長方形の輪郭線内に、中央より左側に寄った位置に上方へ向け突出した凸部を有する波型の模様を上下二段に重ねた構成からなる図形(以下「本件図形」という。)と、その右側に「たからや」の文字を横書きに配した構成からなるものであるところ、使用商標は、上記「1(2)」で認定のとおり、本件図形の右側に「たからや」の文字を横書きに配した構成からなるものである。
そこで、これらを対比すると、両者は、横長方形の輪郭の有無に差異を有するけれども、他の構成要素(図形と文字)を共通にし、かかる細線輪郭自体は看者の注意を強く惹くものとはいい難く、かつ、その輪郭線が本件商標の識別性において欠くべからざる機能を有するものといえず、むしろ、その輪郭線は附記的な構成要素と判断するのが相当である。してみると、本件商標構成にあって、本件図形と「たからや」の文字との結合が主たる構成要素というべきであり、商取引の実際においても、その自他商品の識別標識としての機能が細線輪郭の有無や図形と文字の配置関係によって、左右されないということができる。
そうすると、両者は、外観の僅かな相違はあるとしても、この差異や変更がその称呼や観念に変動を来すものではなく、これを同一にするものといえるから、使用商標と本件商標とは、社会通念上同一とみて差し支えがないものである。
以上のとおり、乙各号証によって、商標権者が本件審判請求の登録前3年以内に当たる前記年月日に、商品「各種飯寿司、いかごはん」の商取引を行ったといえるものであり、その使用商品は、本件取消請求に係る指定商品「すし・弁当・サンドイッチ及びこれらに類似する商品」に包含され、その取引書類には、本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されていたと判断することができる。
したがって、被請求人は、本件商標が審判請求の登録前3年以内に商標権者によって、その取消請求に係る指定商品について使用したことを証明し得たというべきであるから、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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