結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−31041(T2005−31041/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2041917号商標(以下「本件商標」という。)は、「SensoControl」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年4月24日登録出願、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具、医療機械器具、写真材料」を指定商品として、同63年4月26日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具及びそれらに類似する商品」について、商標法第50条第1項の規定によりその登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具及びそれらに類似する商品」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきである。よって、本件審判請求について請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。
被請求人は、本件商標は被請求人と極めて密接な関係を有するパーカー・ハネフィン日本株式会社を通じ、本件審判請求前より商品「温度センサ」、「圧力センサ」について使用されているとし、その使用状況を証する資料として、被請求人による欧文カタログ一部抜粋写し(2004年2月版)及び前記日本法人による和文カタログ一部抜粋写し(2005年8月改訂版)を提出している。
しかしながら、前記証拠からは、商品等に関するカタログに標章が付された状況を看取できるにすぎず、かかるカタログが日本国内で展示、領布又は電磁的方法により提供された事実を立証するものでないことから、本件商標の使用を証明する証拠とはなり得ないというべきである。
商標の広告的な使い方にも信用の蓄積作用があるとの見地から商標法第2条第3項第8号が規定された趣旨に照らせば、単に商品等に関するカタログに標章が付された状況を証明する資料が提出されたとしても、当該カタログが日本国内で「展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供」(商標法第2条第3項第8号)されたことを証明する証拠とはなり得ないといわざるを得ない。
以上をまとめれば、被請求人は、本件登録商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品のいずれかについて使用していたことを証明したとはいえない。
したがって、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
被請求人は、乙第4号証、乙第5号証、乙第7号証ないし乙第10号証、乙第13号証及び乙第14号証において、前記日本法人に対する商品の発注、費用の請求が行われた事実が存在したと主張している。
しかしながら、これらの証拠からは、2003年に圧力コントローラー1個、2004年に温度センサー1個とその部品である接続ケーブル2個及びセンサーコントロールセット一式1組、2005年にセンサーコントロール用の部品4個がわずかに発注され、費用請求が行われた事実が示されるのみである。取引にかかる各々の商品の種類は異なっており、2003年から2005年の間に各々の商品が取引されたのは、わずか1〜4個(組)である。取引1回当たりに発注された商品の個数についても、1〜4個(組)にとどまる。通常、取引においては、何百又は何千個単位等で発注されるのが一般的な取引の経験則と考えられるところ、取引1回当たりの発注個数がわずか1〜4個(組)というのは、いかにも微細といわざるを得ない。加えて、2003年から2005年の3年間に、各々異なる種類の商品が1〜4個(組)ずつ取引されているというのは一般的な取引の経験則に照らせば、いかにも不自然である。とすれば、被請求人は、単に不使用による商標権の取り消しを免れる目的にて、指定商品中のいくつかの商品について、各々特定の取引先に対して形式的かつ名目的に取引を行った事実を作成することにより、あたかも実際の取引が現実に存在したかのような外形を作出したものと考えざるを得ない。また、これらの使用は、サンプル商品の販売として行われたものとも考えられない。
また、請求人の調べたところでは、被請求人である米国パーカーハネフィン社の事業は、広く世界に及んで展開されており、売上総額は60億USドルにものぼり、その顧客数は40万社を超える実績を有している。かかる被請求人の事業規模に照らせば、我が国における使用が、前記日本法人を介し、輸入・販売の形態で行われるものであることを考慮したとしても、いかにも微細であり、形式的かつ名目的なレベルにすぎないことが裏付けられる。不使用商標の整理との本件審判の趣旨に照らせば、このような名目的使用をもって、商標法第50条にいう商標の使用と認定することはできないというべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
本件商標は、東京都港区白金台3−2−10に所在する「Paker Hannifin Japan LTD.」により、指定商品について使用されているものであり、取り消されるべきではない。したがって、被請求人は、答弁の趣旨どおりの審決を求めるものである。
本件商標は、被請求人と極めて密接な関係を有する(被請求人の日本法人)パーカー・ハネフィン日本株式会社(東京都港区白金台三丁目2番10号白金台ビル2階 以下「パーカー・ハネフィン日本」という。)を通じ、本件審判請求前より、本件取消に係る指定商品中、「温度センサー」、「圧力センサー」について使用されている。その使用状況を証する資料として、まずは、被請求人による欧文カタログ一部抜粋写し(2004年2月版 乙第1号証)、前記日本法人による和文カタログ一部抜粋写し(2005年8月改訂版 乙第2号証)を提出する。
本件商標の使用の状況は、カタログ掲載写真で理解可能と思料するが、更に理解を高めるべく各種資料を収集中であり、近日中に提出する。
(1)本件商標は、被請求人により、その指定商品中の「圧力センサー」及び「圧力コントローラー」について、少なくとも、2004年2月以降に使用されていたものである。
(1−1)乙第1号証は、被請求人の欧文カタログ(2004年2月版)一部抜粋写しであり、Q18頁上段に本件商標「SensoContorol」が掲載されており、商品「PressureController」と記され、その型番は「SCPSD」と記されている。また、Q19頁下段に本件商標「SensoContorol」が掲載されており、商品「PressureSensors」と記され、その型番は「SCP/SCPT」と記されている。
(1−2)乙第2号証は、パーカー・ハネフィン日本が日本国内販売向けに作成したカタログ(2005年8月改訂版)の一部抜粋写しであり、113頁上段に本件商標の片仮名表記である「センソコントロール」が掲載されており、商品「圧力コントローラー」と記され、その型番は、「SCPSD」と記されている。また、114頁下段に本件商標の片仮名表記である「センソコントロール」が掲載されており、商品「圧力センサー」と記され、その型番は、「SCP/SCPT」と記されている。
(1−3)乙第4号証は、パーカー・ハネフイン日本の2004年9月3日付け注文書写しであり、本件商標に対応する型番「SCPT−250−40−07」が記されている。そして、2004年9月3日付けで受注し、同年9月30日付けで納品済みである事実が示されている。
(1−4)乙第5号証は、パーカー・ハネフィン日本の2004年9月29日付け請求書写しであり、本件商標に対応する型番「SCPT−250−40−07」が記されている。そして、2004年9月3日付けの受注に対する請求書を発行した事実が示されている。
(1−5)乙第6号証は、「SensoContorol」(圧力センサー)の現物写真である。
乙第4号証「注文書写し」及び乙第5号証「請求書写し」に記載されている型番「SCPT−250−40−07」と乙第6号証「現物写真」に記載されている型番「SCPT−600−02−02」との相違は、単に最大計測圧力が異なるだけで商品としては同一である。
(1−6)乙第7号証は、パーカー・ハネフィン日本の2003年8月20日付け発注書写しであり、本件商標に対応する型番「SCPSD−250−04−05」が記されている。そして、2003年8月20日付けで受注し、同年8月30日付で納品済みである事実が示されている。
(1−7)乙第8号証は、パーカー・ハネフィン日本の2003年8月28日付け請求書写しであり、本件商標に対応する型番「SCPSD−250−04−05」が記されている。そして、2003年8月20日付けの受注に対する請求書を発行した事実が示されている。
(2)以上の説明及び乙第1号証、乙第2号証、乙第4号証ないし乙第8号証の各証拠から明らかなように、本件商標は、その指定商品について継続して3年以上使用しているものである。
被請求人は、本件商標を使用した商品「圧力センサー」及び「圧力コントローラー」が掲載された欧文カタログを2004年2月以降に顧客に頒布し、そして、パーカー・ハネフィン日本は、前記欧文カタログに対応する和文カタログを2005年8月以降に改訂版を日本国内の顧客に頒布している。
また、上記商品を少なくとも2003年8月及び2004年9月にパーカー・ハネフィン日本を通じて、日本国内の顧客向けに出荷(販売)したものである。
(1)本件商標は、被請求人により、その指定商品中の「温度センサー」及び「流量計」について、少なくとも、2004年2月以降に使用されていたものである。
(1−1)乙第1号証(被請求人の欧文カタログ)のQ19頁上段に本件商標「SensoContorol」が掲載されており、商品「Temperature sensor」と記され、その型番は、「SCT」と記されている。
(1−2)乙第2号証(パーカー・ハネフィン日本作成のカタログ)の114頁上段に本件商標「SensoContorol 」の片仮名表記である「センソコントロール」が掲載されており、商品「温度センサー」と記され、その型番は、「SCT」と記されている。
(1−3)乙第9号証は、パーカー・ハネフィン日本の2004年12月1日付け注文書写しであり、注文番号「AM2004−08」、品名「センサーコントロールセット1式」、「注文書金額合計(税込み)¥756,000」と記されている。そして、2004年12月1日付けで受注した事実が示されている。
(1−4)乙第10号証は、パーカー・ハネフィン日本の2005年1月12日付け請求書写しであり、本件商標「SensoContorol」に対応する型番「SCT−150−04−02」、請求先「AM2004−08」、「請求総額¥756,000」と記されている。そして、2004年12月1日付けの受注に対する請求書を発行した事実が示されている。
(1−5)乙第11号証は、「SensoContorol」(温度センサー)型番「SCT−150−04−02」の現物写真である。
(1−6)乙第12号証は、被請求人の欧文カタログ「欧文カタログ(Measurement/technology for flow/volume in hydraulics)写し及び部分訳であり、9頁ないし14頁に商品「Turbine flow meter」(タービン式流量計)と記され、その型番は、「SCFT」と記されている。
(1−7)乙第13号証は、パーカー・ハネフィン日本の2005年10月11日付け注文書写しであり、本件商標「SensoContorol」に対応する型番「SCFT−300−01−02」、注文番号「AM2005−06」、「注文書金額合計(税込み)¥684,894」と記されている。そして、2005年10月11日付けで受注した事実が示されている。
(1−8)乙第14号証は、パーカー・ハネフィン日本の 2005年11月4日付け請求書写しであり、本件商標「SensoContorol」 に対応する型番「SCFT−300−01−02」、請求先「AM2005−06」、「請求総額¥684,894」と記されている。そして、2005年10月11日付けの受注に対する請求書を発行した事実が示されている。
(1−9)乙第15号証は、「SensoContorol」(タービン式流量計)の現物写真である。
乙第13号証の「注文書写し」及び乙第14号証「請求書写し」に記載されている型番「SCFT−300−01−02」と乙第15号証「現物写真」に記載されている型番「SCFT−150」との相違は、乙第12号証の欧文カタログ写し及び部分訳に記載されているように、1分当たりの流量の計測値が異なるだけで商品としては同一である。
(2)以上の説明及び乙第1号証、乙第2号証、乙第9号証ないし乙第15号証の各証拠から明らかなように、本件商標は、その指定商品について継続して3年以上いわゆる不使用であったものではない。
被請求人は、本件商標を使用した商品「温度センサー」が掲載された欧文カタログを2004年2月以降に顧客に頒布し、そして、パーカー・ハネフィン日本は、前記欧文カタログに対応する和文カタログを2005年8月以降に改訂版を日本国内の顧客に頒布している。
また、上記商品「温度センサー」及び「流量計」を、少なくとも、2004年12月及び2005年10月にパーカー・ハネフィン日本を通じて、日本国内の顧客向けに出荷(販売)したものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものではない。
(1)乙第1号証は、欧文カタログ(抜粋写し)と認められるところ、表紙には、このカタログが「2004年2月版」であることを示す「February 2004」の記載があり、最終頁の右下には、カタログの発行者である被請求人の商号の略称と認め得る「ParkerHannifin」の記載がある。
そして、Q18頁上段に本件商標と同一と認め得る「SensoControl」の文字が記載され、その下に、商品を示す「PressureController」の文字及びその型番と認められる「SCPSD」の文字が記載され、商品写真が掲載されている。写真の商品にも「SensoControl」の文字が記載されている。
Q19頁上段に本件商標「SensoControl」の文字が記載され、その下に、商品を示す「Temperature sensor」の文字及びその型番と認められる「SCT」の文字が記載され、商品写真が掲載されている。
Q19頁下段に本件商標「SensoControl」の文字が記載され、その下に、商品を示す「PressureSensors」の文字及びその型番と認められる「SCP」「SCPT」の文字が記載され、商品写真が掲載されている。
(2)乙第2号証は、和文カタログ(抜粋写し)と認められるところ、裏表紙にカタログ発行者である「パーカー・ハネフィン日本株式会社 流体継手ホース事業部」及び「2005年8月改訂版」の記載がある。
そして、113頁上段に本件商標の片仮名表記と認め得る「センソコントロール」の文字が記載され、その下に、商品を示す「圧力コントローラー」の文字及びその型番と認められる「SCPSD」の文字が記載され、商品写真が掲載されている。
114頁上段に「センソコントロール」の文字が記載され、その下に、商品を示す「温度センサー」の文字及びその型番と認められる「SCT」の文字が記載され、商品写真が掲載されている。
114頁下段に「センソコントロール」の文字が記載され、その下に、商品を示す「圧力センサー」の文字及びその型番と認められる「SCP」「SCPT」の文字が記載され、商品写真が掲載されている。
(3)乙第4号証は、パーカー・ハネフィン日本宛の注文書であり、納入日を「’04年9月30日」とし、品名欄には、上記のカタログの商品「圧力センサー」に対応する型番「SCPT−250−40−07」のほか、数量、金額等が記載されている。
乙第5号証は、パーカー・ハネフィン日本の04年9月29日付け請求書であり、上記注文書と同じ「SCPT−250−40−07」の型番、数量、金額が記載されている。
乙第6号証は、型番「SCPT」の商品写真であるところ、該商品に「SensoControl」の文字が記載されている。
(4)乙第7号証は、パーカー・ハネフィン日本宛の発注書であり、納品日を「2003年8月30日」とし、品名欄には、上記のカタログの商品「圧力コントローラー」に対応する型番「SCPSD−250−04−05」のほか、数量、金額等が記載されている。
乙第8号証は、パーカー・ハネフィン日本の03年8月28日付け請求書であり、上記発注書と同じ「SCPSD−250−04−05」の型番、数量、金額が記載されている。
(5)乙第10号証は、パーカー・ハネフィン日本の05年1月12日付け請求書であり、部品番号欄に上記のカタログの商品「温度センサー」に対応する型番「SCT−150−04−02」、数量、金額が記載されている。
乙第11号証は、上記型番の商品写真であるところ、該商品に「SensoControl」の文字が記載されている。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録日(平成17(2005)年9月14日)前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品中の「測定機械器具」に含まれる「圧力センサー、圧力コントローラー、温度センサー」について、通常使用権者により使用されていたものと認め得るところである。
請求人は、被請求人の示した証拠からは、取引された商品の個数が微細であるから、この程度の使用では、商法法50条にいう商標の使用とはいえない旨主張している。
しかしながら、前述のとおり、被請求人の提出に係る証拠によって、本件商標及びそれと社会通念上同一と認められる商標を使用して、商品が取引されたことは認められるものであり、個別の取引において、取引される商品の個数が少ないとしても、その取引が不自然であるとはいえないから、請求人の主張は採用することはできない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具及びそれらに類似する商品」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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