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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30022(T2006−30022/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2707034号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOL SYSTEM」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年5月28日登録出願、第20類「家具、建具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成7年5月31日に設定登録、同17年6月7日に商標権存続期間の更新登録がなされ、その後、指定商品の書換登録が同18年1月4日にあった結果、第6類、第14類、第16類、第19類、第20類、第21類、第22類、第24類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

被請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「第6類 金属製建具,金庫」、「第14類 貴金属製宝石箱」、「第19類 建具(金属製のものを除く。)」及び「第20類 家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。

2 請求の理由

請求人の調査によれば、本件商標は、その指定商品中の上記商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないのみならず、使用していないことについて何ら正当な理由が存在しないものである。

第3 被請求人の答弁

1 答弁の趣旨

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。)を提出した。

2 答弁の理由

(1)登録商標の使用について

請求人が、本件商標に対して、不使用を理由として取消審判の対象とした商品中、「第20類 家具,つい立て」については、被請求人(商標権者)及び通常使用権者において、審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用をしているものである。したがって、本件審判請求は成り立たない。

(2)被請求人と通常使用権者との関係について

ア 通常使用権者である小松ウォール工業株式会社は、ローパーティション関係の商品の製造業者であり、施工業者である。

すなわち、被請求人である株式会社ライオン事務器は、受注した「ローパーティション」の必要部品を小松ウォール工業株式会社に発注し、施工を依頼する。そして、小松ウォール工業株式会社は下請け工事会社に指示し、顧客先において組み立て、納品する。その後、株式会社ライオン事務器は、顧客に請求書を発送する。

イ また、通常使用権者たる小松ウォール工業株式会社は、独自に顧客に販売もする。

(3)被請求人(商標権者)の本件商標の使用について

ア 被請求人が、商品「ローパーティション」について、本件商標「MOL SYSTEM」を使用していることを、顧客への納品事実から立証する。

イ 株式会社ポッシュヘの納品

(イ)平成17年6月1日発行の見積書(乙第1号証の1)

被請求人から株式会社ポッシュヘ発行した見積書で、モルパネル,エンドカバーセット,直線ポールセット,壁面レール、安定脚から成るローパーティションが「モルシステム」と記載されている。

(ロ)平成17年6月8日発行の施工依頼書(乙第1号証の2)

小松ウォール工業株式会社から下請け工事会社の小松ウォールサービス株式会社へ発行した施工依頼(紙面の上部)と、小松ウォールサービス株式会社の工事完了証明(紙面の下部)が一通に記載されている。

(ハ)2005年6月13日発行の注文書(乙第1号証の3)

被請求人から、小松ウォール工業株式会社へ発行した注文書で、「モルシステム」と記載されている。

なお、日付が上記施工依頼書より後日なのは、納入日が迫っている都合上、実際には電話で既に発注していたからである。

(ニ)2005年6月20日発行の売上伝票(乙第1号証の4)

被請求人から株式会社ポッシュヘ発行した売上伝票で、「モルシステム」と記載されている。

ウ 株式会社さくらぎへの納品

(イ)平成17年9月13日発行の見積書(乙第2号証の1)

被請求人から仲介業者の旭化成リフォーム株式会社へ発行した見積書で、パネル,ドアワク,直線ポール,エンドポール,Rポール,壁面レールから成るローパーティションである。添付のレイアウト図面に「ローパーティション/モルシステム」と記載されている。

(ロ)平成17年9月12日発行の施工依頼書(乙第2号証の2)

小松ウォールサービス工業株式会社から下請け工事会社の小松ウォールサービス株式会社へ発行した施工依頼(紙面の上部)と、小松ウォールサービス株式会社の工事完了証明(紙面の下部)が一通に記載されている。

なお、日付が上記見積書より先なのは、実際には契約の内諾を得ており、納入日が迫っている都合上、先に施工依頼をしたからである。

(ハ)2005年9月28日発行の注文書(乙第2号証の3)

被請求人から小松ウォール工業株式会社へ発行した注文書で、「モルシステム」と記載されている。

なお、日付が納入日より後日なのは、納入日が迫っている都合上、実際には電話で既に発注していたからである。

(ニ)2005年9月30日発行の売上伝票(乙第2号証の4)

被請求人から旭化成リフォーム株式会社へ発行した売上伝票で、「モルシステム」と記載されている。

エ なお、上記二社への納品関係の取引書類には、「モルシステム」と記載されているが、登録商標「MOL SYSTEM」とは、社会通念上同一と認められる商標の使用である。

また、被請求人から小松ウォール工業株式会社宛の注文書中、単価と金額の数字は、営業秘密に関するものであるから消去している。

(4)ローパーティションについて

ア 被請求人と後記通常使用権者は、本件商標を、オフィス空間を自由自在に間仕切り、仕事がしやすい空間づくりを実現するための商品システムの商標として使用している。

即ち、「MOL STYSEM」は、ローパーティション及びデスクユニット、ラックユニット等の付属品の組み合わせから構成されている。

まず、ローパーティションは、パネルとジョイントと安定脚とから成り、高さ900mmから2100mmまで、幅450mmから1200mmまでの各種サイズのパネルは、表面を塗装したり、クロス貼りしたり、全面がガラスであったり、また、平面パネルであったり、曲面パネルであったりと多種類のパターンがある。

このパネルをジョイントで連結し、必要に応じて安定脚を設けたものがローパーティションである。

デスクの間に設置したり、独立したスペースを作る等、オフィスの要求に応じて、I型,L型,コ型,T型,H型等、自由にレイアウトできるものである。

イ ちなみに、「パーティション」とは、一般に「間仕切り」と訳すが、現在、「パーティション」は二つの意味で使われている。

一つは、学校や工場等の大空間に独立した部屋を形成するため、天井から床までを仕切る間仕切りとしての「パーティション」である。

二つは、様々な高さと幅を有するパネルを自由にレイアウトし、デスク等の間に設置し、他人の視線を遮断する「ローパーティション」である。

そして、被請求人と後記通常使用権者が使用しているものは「ローパーティション」であり、用途及び需要者の範囲等から見れば、この商品は第20類の「つい立て」と同一の商品といえるものである。

(5)通常使用権者の本件商標の使用について

ア 被請求人は、本商標権の設定登録以降、小松ウォール工業株式会社に通常使用権を許諾している。

ここに、更新登録後の平成17年7月1日に締結した「覚書」を提出する(乙第3号証)。

なお、この通常使用権は、特許庁の登録原簿において登録はしていない。

イ 通常使用権者たる小松ウォール工業株式会社が、商品「ローパーティンョン」,「家具」について本件商標を使用していることの証明として、同社のカタログ「OFFICE New office Furniture MOLSYSTEM・MECHATYWALL」を提出する(乙第4号証)。

また、このカタログを製作した印刷会社の証明書(乙第5号証)と、実際に配布を受けた顧客よりの証明書(乙第6号証)を提出する。

なお、小松ウォール工業株式会社は、本商標権の設定登録以降現在まで、年に数回増刷を行いながら同上のカタログを使用している。

このカタログには、ローパーティションとして「MOL SYSTEM」、収納壁面として「MECHATY WALL」が掲載されている。

そして、第5頁から第16頁までローパーティションが掲載されているから、本件商標は、使用されている。

ウ また、「MOL SYSTEM」には、付属品としてデスクユニット、ラックユニットが用意されている。

前記カタログ中の第17頁、第18頁にはデスクユニットとして、「スライドテーブル」「スライドキーボードテーブル」「トレー引出し」等の商品が掲載されている。

また、「ラックユニット」として、「ファイリングボックス」「ARラック」「マガジンラック」「センターラック」等の商品が掲載されている。

これらの商品はいずれも第20類の家具に属するものであるから、本件商標は、使用されている。

(6)結び

以上のとおり、被請求人及び通常使用権者は、本件商標を請求に係る指定商品中「第20類 家具,つい立て」については、明らかに使用しているから、本件審判請求は、理由がない。

よって、本件審判請求は成り立たない旨の審決を求めるものである。

第4 当審の判断

1 被請求人より提出された乙各号証によれば、以下のことが認められる。

(1)乙第1号証の3は、2005年6月13日に被請求人(本件商標権者)が小松ウオール工業株式会社あてに発行した注文書(控)と認められるところ、この注文書には商品コード「78699」の欄に商品名として「モルシステム」と表示されている。

(2)また、乙第1号証の4は、同じく被請求人が2005年6月20日に株式会社ポッシュあてに発行した売上伝票(写し)と認められるところ、上記の商品コード「78699」と同じ欄に品名として「モルシステム」と表示され、他に、数量、単価、金額等が記載されている。

(3)さらに、同様の取引書類として2005年9月28日に被請求人が小松ウオール工業株式会社宛てに発行した注文書(乙第2号証の3)及び被請求人が2005年9月30日に旭化成リフォーム株式会社あてに発行した売上伝票(乙第2号証の4)が提出されている。

(4)乙第3号証は、被請求人甲(株式会社ライオン事務器)と乙(小松ウオール工業株式会社)間で平成17年7月1日に締結された本件商標(登録第2707034号)の通常使用権許諾に関する「覚書」と認められるところ、この覚書には通常使用権の範囲として「乙が使用できる商品は、ローパーティッション(衝立)及びその部品・附属品とする。」、許諾期間として「乙が使用できる期間は、本件商標権の存続期間である平成27年5月31日までとする。」ほか、対価、協議事項等が確認事項として記載されている。

(5)乙第4号証は、小松ウオール工業株式会社が発行した商品カタログ(カラー)であり、このカタログの表紙には、二つの商品名「MOL SYSTEM」と「MECHATY WALL」が表示されており、カタログの前半部はローパーティション(衝立)として商品名「MOL SYSTEM」が掲載されており、カタログの裏表紙の最下部には「このカタログの内容は2005年5月現在のものです。」と記載されていることが認められる。

2 前記(1)で認定した事実によれば、上記商品カタログ及び各取引書類は、その掲載内容及び記載内容から商品「ローパーティション(衝立)」が取引の実際に使用されたことが認められるものであり、かつ、各カタログの表紙、中頁に表示されている「MOL SYSTEM」及び各取引書類に記載されている「モルシステム」の文字は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

また、商品カタログの「このカタログの内容は2005年5月現在のものです。」の表示及び各取引書類上に記載されている年月日は、いずれも本件審判の請求の登録日(平成18年1月25日)前3年以内と認められる。

そして、本件商標を商品に付して製造販売した者「小松ウオール工業株式会社」は、前記の覚書(乙第3号証)によって、本件商標権者(被請求人)より許諾された、本件商標の通常使用権者と認め得るものである。

そうすると、本件商標は、本件商標権者及び通常使用権者により、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品中に含まれる「第20類 つい立て」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。

3 したがって、本件商標は、その指定商品中の「第6類 金属製建具,金庫、第14類 金属製宝石箱、第19類 建具(金属製のものを除く)及び第20類 家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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