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Trademark Appeal Case

不使用取消と商標の使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30078(T2006−30078/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1023616号商標(以下「本件商標」という。)は、「インパルス」の文字を書してなり、昭和46年4月15日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、同48年7月30日に設定登録、その後、同58年9月19日、平成5年9月29日及び同15年7月15日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同15年8月6日に第16類「紙類,文房具類」とする指定商品の書換登録がされたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。

本件商標は、その指定商品につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存することも認められない。

また、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)本件商標を指定商品に使用している事実

被請求人は、本件商標と実質的に同一な「インパルスM」の標章を一連に左横書きにした態様(以下「使用標章」という。)で記載したラベルを、吸湿・吸水性の原紙(以下「本件原紙」という。)の包装紙に添付して使用している(乙第1号証1ないし3)。

使用標章に「M」の英文字が付されているが、この「M」の文字はインパルスシリーズにおける原紙の使用用途を示すもので、食品に関連する用途に使用する場合に「M」の文字を付している。

このラベルに記載されている日本大昭和板紙西日本株式会社は、各種の紙の製造を業とする被請求人の子会社であって、その高知工場で製造され、被請求人にのみ納入しているので、被請求人と実質的に同一の企業である。

(2)本件原紙の用途

前記本件原紙は、吸湿・吸水性ばかりでなく、通気・通水性があるので、例えば、炊飯器の水蒸気吸収用シートとして、刺身を収納するトレーのマットシートとして、愛玩動物の死体を載せるシートとして使用しているが、それ以外に多数の用途がある。

(3)本件原紙の流通

被請求人は、紙の加工業者ではないから、代理店からの受注により指定業者に送付して納入し、納入を受けた指定業者が本件原紙を加工して紙製の商品とし、広範に販売に供するものである。

乙第2号証の1ないし5は、被請求人が所有している「積出報告書」で、平成17年8月2日、同年8月5日、同年8月24日、平成18年1月7日及び同年1月31日に代理店からのオーダーにより、指定送付先に送付した事実を示す。

乙2号証の「積出報告書」は、被請求人が所有するごく一部であって、昭和48年以降、現在まで継続的に使用しているものである。

(4)本件商標の使用形態

本件商標の使用形態は、本件原紙の包装紙のラベルに表示している。このような使用態様は、本件原紙が一般の流通過程に置かれるものではなく、メーカー企業から加工業者であるユーザー企業に流通されるだけであり、商標名によって原紙の用途を特定できるし、加工業者にも出所表示や品質保証ばかりでなく、用途表示も可能だからである。

したがって、一般大衆商品のように、特に装飾を施す必要がない。

(5)結び

以上のとおり、本件商標は、被請求人によって本件審判の予告登録前3年以内に、審判の請求に係る指定商品である紙類中の吸湿・吸水性の原紙について業として使用しているものである。

4 当審の判断

本件商標は、前記のとおり「インパルス」の文字よりなるところ、被請求人は、本件審判請求の予告登録(平成18年2月3日)前3年以内に、被請求人が本件商標を紙類中の吸湿・吸水性の原紙について使用していると述べ乙第1号証及び同第2号証を提出しているので、以下検討する。

(1)被請求人の答弁の理由の趣旨及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

乙第1号証の1ないし3は、吸湿・吸水性を有する本件原紙が包装紙に包装され、あるいはその包装紙を開いた状態の写真であり、包装紙に貼付されたラベルには、「インパルスM」及び「日本大昭和板紙西日本(株)高知工場」の文字が表示されている。

乙第2号証の1ないし5は、「積出報告書」と記載された取引書類であり、代理店名、送付先名などと共に「製品名」欄に「インパルスM」と、「事業所名」欄に「高知工場」とそれぞれ記載されている。また、これらには「17年8月2日」(乙第2号証の1)、17年8月5日(乙第2号証の2)、17年8月24日(乙第2号証の3)、18年1月7日(乙第2号証の4)又は18年1月31日(乙第2号証の5)の日付が記載されている。

(2)以上によれば、日本大昭和板紙西日本株式会社(以下「西日本社」という。)は、「インパルスM」の文字からなる商標を付した吸湿・吸水性を有する本件原紙を平成17年8月から同18年1月にかけて販売したことが認められる。

そこで、上記事実が本件商標の使用に当たるか否かについてみると、「インパルスM」の文字からなる商標は、その構成中の「M」の文字が商品の記号・符号として一般に類型的に採択使用されているローマ文字の1字に相当し、自他商品の識別機能を有しない部分ということができるから、本件商標と社会通念上同一のものと認めることができ、該商標を付した本件原紙は、吸湿・吸水性を有する加工前の原紙であり、請求に係る指定商品に包含される商品ということができ、

また、西日本社は、被請求人の子会社であって、被請求人と実質的に同一の会社であり、上記各販売日は、本件審判請求の予告登録前3年以内に該当するものである。

(3)してみれば、本件商標は、審判請求の登録前3年以内に、我が国において被請求人により請求に係る指定商品中の「吸湿・吸水性を有する原紙」について使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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