結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30864(T2005−30864/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2583607号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおり、やや図案化した肉太の「Fitti」の文字を横書きしてなり、昭和59年6月8日に登録出願、第17類「くつ下、たび、手袋(ゴム手袋、絶縁用ゴム手袋を含む)えりまき、マフラ―、スカ―フ、ネツカチ―フ、シヨ―ル、ネクタイ、ゲ―トル、たびカバ―、エプロン、おしめ」を指定商品として平成5年10月29日に設定登録され、その後、平成15年6月3日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成16年9月22日に指定商品を第16類「紙製幼児用おしめ」とする書換登録がされているものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、証拠方法として、甲第1号証(本件商標の当該登録原簿(写))及び甲第2号証(IPDLからの本件商標イメージ出力帳票)を提出し、その理由を次のように述べている。
本件商標は、その指定商品の全てについて、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者によりその指定商品「紙製幼児用おしめ」について継続的に使用されている。
(1)本件商標を付した商品「紙製幼児用おしめ」(以下「本件商品」という。)の取引の流れにそって本件商標が使用されていることを説明する。
本件商品は、本件商標の商標権者のグループ会社であって、極東地域の製造・輸出を担当しているDSG(Malaysia)Sdn.BHdにより、審判請求の登録前3年以内に継続的に製造され、日本に輸出されている。その荷受元は住商テキスタイル株式会社(大阪府大阪市中央区北浜4-5-33:以下「住商テキスタイル」という。)である。
この事実は、インボイス、PACKING LIST等(乙第2号証)により証明されるものであり、その点を直近の乙第2号証の1のインボイスで説明する。
(ア)このインボイスの日付は2005年6月14日(右上)である。
(イ)出荷対象商品は左側の中央やや上の「DISPOSABLE BABY DIAPERS」の記載から、「紙製幼児用おしめ」であることがわかる。
(ウ)そして、その下に、商標名(Brand Name)として「Fitti」と記されている。
(エ)出荷元は、左下の取引先名(Customer name)、その右の会社名及び署名から、DSG(Malaysia)Sdn.BHdであることを示している。
(オ)船荷の商品の引受人(Ship to/Consignee)として、住商テキスタイル(Sumisho Textile Co.,Ltd.)の記載が日付の下にある。
これらの証拠により、本件商品について、商標権者のグループ会社であるDSG(Malaysia)Sdn.BHdにより審判請求の登録前3年以内に継続的に日本に輸出されている事実が証明されたものと思料する。
そして、上述のように、住商テキスタイルに荷受人として日本に輸入された本件商品は、住商テキスタイルを経て、通常使用権者である株式会社西松屋チェーン(以下「西松屋」という。)により日本国内で販売されている。
この事実は、本件商品のパッケージの写真(乙第3号証)及び本件商品を掲載した西松屋の商品広告(乙第4号証)、商品ちらし(乙第5号証)により証明される。
すなわち、本件商品のパッケージの写真(乙第3号証の1)をみると、一見して、本件商標と同一の態様の商標「Fitti」がパッケージの中央上部に大きく配され、その下には、「★あかちゃんのお肌にやさしい紙おむつ★」の記載、パッケージの右側面(乙第3号証の2)には、品名「乳幼児用紙おむつ」と「販売業者株式会社西松屋チェーン」の記載がある。
これらにより、本件商標が通常使用権者により指定商品「紙製幼児用おしめ」に付されて使用されていることがわかる。
(2)そして、商品広告(乙第4号証)では、女性が上記パッケージの本件商品を持っている写真が掲載され、右下には西松屋のメインキャラクラーであるうさぎのマークと「西松屋」の文字がある。また、商品ちらし(乙第5号証)にも、同じパッケージの本件商品が掲載されている。
これらの証拠から、実際の取引で本件商標がその指定商品に使用されていることは明らかである。
(3)以上のとおり、本件商品が商標権者と経済的に同一視し得る関係であるグループ会社であるDSG(Malaysia)Sdn.BHdによって審判請求の登録前3年以内に継続的に日本に輸出されていること、及び通常使用権者である西松屋によって審判請求の登録前3年以内に継続的に日本国内で実際に使用されていることが証明されたものと思料する。
請求人は上記3の答弁に対し、何ら弁駁していない。
当審において、以下を要旨とする平成18年8月7日付けの審尋書を被請求人に送付した。
<当審の予備的判断>
以下の(1)及び(2)のとおり、乙各号証からは、例えば、当該インボイスは日本国内でなくマレーシアで発行されたものとみられ、当該書証では日本での使用と俄に認め難く、また、商標権者と住商テキスタイル及び西松屋との関係等、被請求人が商標法第50条第2項で規定する所定の使用を明らかにしたものとは認め得ないから、西松屋が通常使用権者であることを明らかにする書面ほか、乙第3号証ないし乙第5号証を補完する証拠等を求める。
(1)乙第2号証ないし乙第5号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第2号証の1ないし4は、インボイスの写し及びPACKING LIST等の写しと認められるところ、該インボイスは、2005年6月14日付け、同年同月9日付け、同年同月8日付け及び同年同月3日付けの4通あり、いずれにも出荷元としてマレーシアの住所と共に「DSG(Malaysia)Sdn.BHd」が、引受人として日本の住所と共に「Sumisho Textile Co., Ltd.」が、商品名として「DISPOSABLE BABY DIAPERS」が、商標名として「Fitti」がそれぞれ記載されている。各インボイスに添付されたPACKING LISTにも、各インボイスに対応した日付及び同様の内容が記載されている。
そして、被請求人の主張によれば、上記「DSG(Malaysia)Sdn.BHd」の表示は被請求人の関係会社を指称するものであり、上記「Sumisho Textile Co., Ltd.」の表示は住商テキスタイルを指称するものであると認めて差し支えなく、また、商品名の「DISPOSABLE BABY DIAPERS」の表示は、紙製であるか否かは断定できないものの、「幼児用おしめ」を意味するものと認められる。
(イ)乙第3号証の1及び2は、本件商品のパッケージの写真と認められるところ、その表面には、赤ちゃん等の絵と共に、中央及び左上隅に本件商標と社会通念上同一といい得る「Fitti」の標章が表示され、その下に小さく「★あかちゃんのお肌にやさしい紙おむつ★」の文字が併記されている。その側面部には、囲みの中に「使用上の注意」と共に品名として「乳幼児用紙おむつ」の文字が記載され、続いて最下部に販売業者として「株式会社西松屋チェーン」の文字が記載されている。また、この囲みの下に小さく「MADE IN MALAYSIA」と記載されている。
(ウ)乙第4号証は、商品広告の写しと認められるところ、この広告には、不鮮明ながら、中央に上記(イ)と同様の本件商品のパッケージを持った女性の写真が掲載されており、右下に「西松屋」の文字が表示されている。その他、商品の説明らしき文章等が記載されているものの、不鮮明で殆ど読み取ることができない。
(エ)乙第5号証は、商品広告ちらしの写しと認められるところ、不鮮明ながら、中央に「セール期間」「9/15(木)→20(火)」「快適生活応援セール」の表示がされ、種々の商品と思しき写真と共に、左下隅に「Fitti誕生!」の文字及び本件商品のパッケージと思しき写真が掲載されていること。
(2)以上によれば、審判請求の登録日である平成17年8月8日前3年以内の期間内に、本件商標と社会通念上同一といい得る商標を用いた「幼児用おしめ」が在マレーシアの「DSG(Malaysia)Sdn.BHd」から在大阪市の住商テキスタイルに宛てて輸出されたと推認される。
しかしながら、商品の「輸入」が商標についての使用に当たるとしても、日本における輸入者たる住商テキスタイルと商標権者との関係を示す証拠は無く、同社は商標権者とは無関係の第三者といわざるを得ないから、乙第2号証の1ないし4をもって、住商テキスタイルが通常使用権者として日本国内において本件商標を使用していたということはできない。
被請求人は、住商テキスタイルを経て、通常使用権者である西松屋が本件商品を販売していると主張している。
確かに、乙第3号証ないし乙第5号証によれば、本件商標と社会通念上同一といい得る商標を付した商品が西松屋によって販売されたことが窺える。
しかしながら、住商テキスタイルと西松屋との関係は明らかでなく、また、西松屋が本件商標に係る通常使用権者であることを示す証拠はない。しかも、乙第3号証ないし乙第5号証には、いずれも日付が記載されておらず、これらが現実にいつ発行等されたかを特定することができないものであるから、これらの証拠をもって、直ちに、審判請求の登録前3年以内の期間内に、通常使用権者によって、本件商品が販売されたものと認めることはできない。
被請求人は、上記5の審尋に対し、本件商標について商標法第50条第2項で定める所定の使用がされていることを説明するとして、以下のように述べ、証拠方法として乙第6号証及び乙第7号証を提出した。
(1)住商テキスタイルとの関係について
住商テキスタイルは商標権者の通常使用権者としての地位を有するものである。すなわち、DSG(Malaysia)Sdn.BHd(以下「DSGML」という。)は本件商標の商標権者であるデイー エス ジーホール デイングズ リミテッドの系列会社であり、ライセンシーである。つまりDSGMLは商標権者により本件商標の「使用」をする権利を認められている者であり、商標権者はこれを証明するために、宣誓供述書を提出する(乙第6号証)。
そして、DSGMLは商標権者の製品を製造し、本件商標を付した製品を日本に販売している。その際、DSGMLは住商テキスタイルとの間で添付の乙第7号証のとおり代理店契約を結んでいる。同契約書の第6条にあるとおり、住商テキスタイルは本件商標を「使用」する権利をDSGMLにより与えられている。また、DSGMLがこのように商標の使用に関し、いわゆる再許諾を与えることについて商標権者の同意があることは乙第6号証の宣誓供述書により明らかであるから、住商テキスタイルは本件商標に係る通常使用権者としての地位を有することは明らかになったものと思料する。
そこで、すでに提出してある証拠を見るに、乙第2号証の1ないし4で提出してあるインボイスほか、船荷に関する一連の書類中、インボイス及びパッキングリストには、本件商標「Fitti」及び商品「DISPOSABLEBABYDIAPERS」が記載されており、これは住商テキスタイルが商品を輸入する際に添付されている書類であり、日本国内における本件商標の使用を証明するものに他ならない。
したがって、乙第2号証の1ないし4は住商テキスタイルが通常使用権者として日本国内において審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用していたということを証明するものである。
(2)商標権者、住商テキスタイル及び西松屋との関係について
商標権者と西松屋との関係についても説明するに、乙第6号証から明らかなように商標権者が、住商テキスタイルを通じて本件商品が販売されたことを認めているから、西松屋が実質的な通常使用権者としての地位を有することは明らかである。
また、乙第7号証から明らかなように、住商テキスタイルは本件商品の日本における総代理店の地位を有しており、ここより正当なルートで販売されたことが明らかな本件商品を西松屋が販売するに際して本件商標を使用したことは、当然ながら本件商標の適正な使用にあたる。この点からも、西松屋は実質的な通常使用権者としての地位を有するものである。
そこで、すでに提出している証拠を見るに、西松屋が商標「Fitti」を使用していたことは乙第3号証ないし乙第5号証から明らかであり、その使用時期も乙第2号証の1ないし4の商品の輸入時期から見れば、審判請求の登録前3年以内であると理解できるものである。
以上から、審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者である住商テキスタイルが指定商品について本件商標の使用をしていることは証明されたものと思料する。また、西松屋も実質的な通常使用権者としての地位を有し、審判請求の登録前3年以内に日本国内において指定商品について本件商標の使用をしていることは明らかである。
被請求人は、乙第1号証ないし乙第7号証によって、通常使用権者が審判請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定商品について使用していることを証明し得たものということができる。
一方、請求人は上記3の答弁に対し、何ら弁駁していない。
してみると、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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