結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30428(T2006−30428/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4072172号商標(以下「本件商標」という。)は,「サンシャイン」及び「SUNSHINE」の文字を上下二段に横書きしてなり,平成7年7月7日に登録出願,第41類「ゲーム機械器具を備えた遊技場・遊園地・その他の娯楽施設の提供」を指定役務として,同9年10月24日に設定登録されたものである。
請求人は,商標法第50条の規定により本件商標の登録を取り消す,との審決を求め,その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定役務について使用されている様子がなく,また,専用使用権者及び通常使用権者の設定登録もなされていない。したがって,不使用による登録の取消しの要件である「継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定役務について登録商標の使用をしていないもの」に該当する。
よって,請求人は,本件商標についての不使用取消審判を請求する。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は,東京都豊島区東池袋3丁目に所在する複合施設「サンシャインシティ(Sunshine City)」内に設置されている娯楽施設「ナムコ・ナンジャタウン」の提供について,本件商標を使用しているとしている。
しかしながら,乙各号証を見るに,上記娯楽施設「ナムコ・ナンジャタウン」について使用しているという被請求人の商標態様は,デザイン化された欧文字「NAMJATOWN」を中央に大きく書し,その上部に小さく「SUNSHINE」と書してなるもの,あるいは,猫の図形を上部に冠し,中段に小さく「SUNSHINE」を書し,下段に大きくデザイン化された欧文字にて「NAMJATOWN」と書してなるものである(乙第1号証ないし乙第4号証,以下「使用商標」という。)。かかる構成から,使用商標の識別力を発揮する要部は,いずれも「NAMJATOWN」又は猫の図形であると認められ,本件商標とは,要部において相違する。被請求人は,「SUNSHINE」を単独で,自己の当該役務に係る商標として使用している様子はなく,常に「NAMJATOWN」あるいは「ナムコ・ナンジャタウン」と共に使用している。
被請求人の使用態様からは,「NAMJATOWN」「ナムコ・ナンジャタウン」「ナンジャタウン」が,被請求人の業務に係る役務を識別する標識(商標)であるとは,認識できるものの,「SUNSHINE」が,被請求人の提供する役務を表す商標として使用されているとは,認識できない。
(イ)また,使用商標の構成要素中に「SUNSHINE」を有するとしても,それが即ち,被請求人の業務に係る役務を示す商標として「SUNSHINE」を使用していることには,当たらない。
ここで,被請求人の当該役務の提供の場所は,東京池袋のランドマークとして有名な複合施設である「サンシャインシティ」「Sunshine City」内である。そして,使用商標に接する一般の取引需要者は,「NAMJATOWN」「ナムコ・ナンジャタウン」「ナンジャタウン」を指標として,被請求人(株式会社ナムコ)の提供する役務を識別しているものと認められる(甲第3号証ないし甲第5号証,乙第5号証ないし乙第8号証)。
したがって,当該施設「サンシャインシティ」における役務の提供について,「SUNSHINE」の文字を,主たる商標に付記的に使用しても,通常,取引需要者は,当該「SUNSHINE」をして,役務の提供の場所と認識するものである。特に,乙第5号証ないし乙第8号証は,「SUNSHINE」が被請求人の商標として使用されていることを証するものではなく,「ナムコ・ナンジャタウン」,「ナンジャタウン」が被請求人の当該役務に係る商標として認識されていることを証するものである。被請求人の使用の態様からは,「SUNSHINE」は,被請求人の提供する役務を識別する商標であるというより,むしろ,役務の提供の場所を示すものと認識されるのが妥当である。
(ウ)上記のとおり,使用商標は,「SUNSHINE」の構成要素を有するといえども,明らかに自他役務識別機能及び出所表示機能を「NAMJATOWN」に有するものであって,本件商標とは,識別機能が発揮される要部において異なり,同一の商標とはいえない。使用商標からは,「ナンジャタウン」との称呼及び「猫」の観念が生じ,これらの称呼・観念によって,被請求人の業務に係る役務であることが識別される。
一方,本件商標は,「サンシャイン」の称呼,「太陽の光」の観念が生じ,これらの称呼・観念によって,何人に係る役務かが識別されるものである。
したがって,本件商標と使用商標とは,商標としての機能において,外観・称呼・観念のいずれも同一とせず,社会通念上同一の商標ではない。よって,使用商標は,本件商標の使用には,当たらない。
(エ)その他,被請求人が本件商標を,被請求人の業務に係る本件役務の商標として,使用している様子はない。
(オ)以上のとおり,本件商標は,本件取消審判請求の予告登録日前3年間,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,使用されなかったものである。
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)被請求人は,東京都豊島区東池袋3丁目サンシャインシティ・ワールドインポートマート2Fにおいて,1996年7月以来娯楽施設「ナムコ・ナンジャタウン」を提供しているが,当該施設の提供に当たり,その商標として「SUNSHINE」を使用しているものである。
したがって,本件商標は,本審判請求の予告登録日である平成18年4月25日前3年以内に,被請求人によって,継続して使用されているものである。その事実を立証するため,被請求人は,乙第1号証ないし乙第8号証を提出する。
(ア)乙第1号証は,「ナムコ・ナンジャタウン」の施設入場口の看板を写した写真である。当該看板の「NAMJATOWN」の商標の上部に「SUNSHINE」の商標を付して,継続して展示しているものである。
(イ)乙第2号証は,「ナムコ・ナンジャタウン」の総合ガイドマップである。本件にも同様に「NAMJATOWN」の商標の上部に「SUNSHINE」の商標が付されており,これを需要者・取引者に継続して頒布しているものである。
(ウ)乙第3号証は,「ナムコ・ナンジャタウン」の入園チケット引換券である。本件にも同様に「NAMJATOWN」の商標の上部に「SUNSHINE」の商標が付されており,これを需要者・取引者に継続して頒布・販売しているものである。
(エ)乙第4号証は,「ナムコ・ナンジャタウン」の入園チケット(パスポート)である。本件にも同様に「NAMJATOWN」の文字の上部において「SUNSHINE」の商標が付されており,これを需要者・取引者に継続して頒布・販売しているものである。乙第4号証で提示したものは,本件審判請求の予告登録後に使用されているものであるが,同様のものがそれ以前から継続して使用されていることは,乙第8号証の説明と合わせて後述する。
(オ)乙第1号証ないし乙第4号証に付されている商標「SUNSHINE」は,本件商標の片仮名文字を削除したものにすぎず,本件商標と称呼及び観念を同一にする社会通念上同一と認められる商標である(商標法第50条第1項)。
(カ)乙第5号証ないし乙第7号証は,「ナムコ・ナンジャタウン」が本審判請求の予告登録日前3年以内において継続して営業されていることを示すための証拠である。娯楽施設の提供に際し,入園チケットの販売や施設における看板の掲出が継続的に行われることは,当然であり,これらの新聞記事の内容,掲載日や「ナンジャタウン」におけるイベントの実施期間等の記載から,乙第1号証ないし乙第4号証における商標「SUNSHINE」の使用が本件審判請求の予告登録日前3年以内に継続的に行われていることは,明白である。
なお,乙第2号証の総合ガイドマップの裏面(「ナムコ・ナンジャタウン」の地図やチケット料金が記載してある面)の下部には「C(マル)NAMCO LTD.05.11.22」との記載があり,本ガイドマップが平成17年11月22日(本件審判請求の予告登録日前3年以内)に制作され,頒布されていることを明確に裏付けるものである。
(キ)また,乙第8号証は,「ナムコ・ナンジャタウン」入園チケットの印刷を日本信号株式会社に注文し,納品を受けた際の注文書と納品書である。
注文書の日付は,平成18年1月11日であり,注文書番号は51−07である。この注文書に対応して,同年2月23日にチケットが納品され,その納品書が発行されたものである。
(2)以上述べたところから,本件商標が本件審判請求の予告登録日前3年以内に広告(看板や総合ガイドマップ)や取引書類(入園チケット引換券や入園チケット)に付され,展示又は頒布されることによって使用されていることは,明白である。
(3)なお,被請求人は,平成18年3月31日に会社分割を行った。よって,平成18年3月30日以前の本件商標の使用は,会社分割前の株式会社ナムコによるものである。また,本件商標に係る商標権は,会社分割により,新設された株式会社ナムコに承継され,その移転登録申請書を平成18年5月19日に特許庁に提出したことを申し添える。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証は,被請求人が豊島区東池袋3丁目サンシャインシティ・ワールドインポートマート2Fにおいて提供している娯楽施設「ナムコ・ナンジャタウン」(以下「本件施設」という。)の入口看板を撮影した写真と認められるところ,該看板には,王冠とリボンを表したごとき立体形状の中央にやや図案化された「NAMJATOWN」の文字が大きく表示され,その上部に小さく「SUNSHINE」の文字が表示されている。
(イ)乙第2号証は,本件施設に関する「総合ガイドマップ」と認められるところ,その表紙には,上部中央にやや図案化された「NAMJATOWN」の文字が大きく横書きされ,その上部に小さな「SUNSHINE」の文字が併記され,更にその上部に,中央に擬人化された猫と思しき図形を描きリボンで装飾したごとき図形が配されている。そして,該ガイドマップの裏表紙には,この「NAMJATOWN」及び「SUNSHINE」と同一の文字が表示されると共に,本件施設についての地図,交通案内,料金が掲載され,その左下隅に小さく「C(マル)NAMCO LTD.05.11.22」と表示されている。
(ウ)乙第3号証の1ないし3及び乙第4号証は,本件施設の入園チケット引換券又は入園チケット(パスポート)と認められるところ,これらには「擬人化された猫の図形」や「ナムコ・ナンジャタウン」,「Family set Coupon」,「ファミリーセットチケット引換券」,「PASSPORT」,「ナンジャパスポート」等の文字と共に,乙第2号証の総合ガイドマップに表示されたと同様の,やや図案化された大きな「NAMJATOWN」の文字と,その上部に併記された小さな「SUNSHINE」の文字とが表示されている。
(エ)乙第5号証及び乙第6号証は,本件施設に関して報道する平成17年11月30日付け及び同18年1月10日付け新聞記事の写しと認められるところ,その記事内容によれば,平成17年11月当時には,既に本件施設が営業されていたことが認められる。
(オ)乙第7号証は,本件施設に関するインターネットホームページをプリントアウトしたものと認められるところ,該ページには,冒頭部に擬人化された猫の図形と共に,乙第2号証ないし乙第4号証に表示されたものとほぼ同一といえる,やや図案化された大きな「NAMJATOWN」の文字と,その上部に併記された小さな「SUNSHINE」の文字とが表示されている。
(カ)乙第8号証の1及び2は,被請求人による2006年1月11日付けの注文書と日本信号株式会社による同年2月23日付けの納品書の写しと認められるところ,これらの書類によれば,「パスポート/アダルト」,「エントリー/チャイルド」,「VIPパスポート」などについて被請求人が発注し,日本信号株式会社が納入したことが認められる。そして,これら書類に記載された「パスポート/アダルト」,「エントリー/チャイルド」,「VIPパスポート」などや「ナンジャカード」の文字は,乙第3号証の1ないし3及び乙第4号証にいう入園チケット引換券又は入園チケット(パスポート)を指すものと推認される。
(2)上記認定事実によれば,乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)及び乙第7号証に表された,やや図案化された大きな「NAMJATOWN」の文字とその上部に併記された小さな「SUNSHINE」の文字の部分は,それ自体が全体として独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。さらに,「SUNSHINE」の文字は,小さく表されているものの,「NAMJATOWN」の文字部分とは態様を異にするばかりでなく,「NAMJATOWN」の文字と常に一体不可分にのみ認識し,把握されるべき格別の事情は,見いだし難いところであるから,「SUNSHINE」の文字部分自体も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものというべきである。
この点に関し,請求人は,「SUNSHINE」の文字部分は,役務の提供の場所を示すものと認識され,被請求人の提供する役務を識別する商標とはいえない旨主張するが,「SUNSHINE」の文字が役務の提供の場所を表示するために普通に使用されている事実を示す具体的な証拠もなく(因みに,請求人の提出に係る甲第3号証ないし乙第5号証は,「サンシャインシティ」に関するものである。),これが商標としての機能を果たし得ないとまではいえず,むしろ,上記のように判断するのが相当であるから,請求人の主張は,採用することができない。
そして,上記「SUNSHINE」の文字は,本件商標と社会通念上同一といい得るものである。
また,乙第1号証にいう看板及び乙第7号証のホームページは,役務に関する広告ともいえるものであり,乙第2号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)にいう総合ガイドマップ,入園チケット引換券,入園チケット(パスポート),更には乙第8号証の1及び2は,役務に関する定価表又は取引書類といえるものであって,これらが本件審判の請求の登録前3年以内の期間内に取引されていたものであることは,乙第8号証の1及び2から明らかである。
なお,被請求人は,平成18年3月31日に会社分割を行ったために,上記一連の行為について,会社分割前の株式会社ナムコによるものである旨述べているが,該行為は,実質的に被請求人によって行われたものと見て差し支えない。
(3)以上を総合勘案すれば,本件商標は,本件審判請求の登録(平成18年4月25日)前3年以内に日本国内において被請求人によって,その指定役務について,使用されていたものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すべき限りでない。
よって,結論のとおり審決する。
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