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Trademark Appeal Case

「心理対話士」の資格誤認と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−13184(T2005−13184/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「心理対話士」の文字を標準文字で書してなり、第41類、第43類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成16年8月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「(1)本願商標は、心理的悩みを持った人と対話を通して悩みを解消するための特殊技能、専門知識を取得した者に与えられる資格を指すものと容易に認められる『心理対話士』の文字よりなるから、これを本願指定役務中の『孤独感・生活や対人関係上の疲れ等の悩みを有する者に対する対話を通しての精神的な援助に関する知織の教授など』に使用しても、当該資格を取得するためのものと認識するにとどまり、何人の業務に係る役務であるかを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、精神保健福祉士法に基づいた国家資格の一つで、あたかも『心理的悩みを持った人と対話を通して悩みを解消するための特殊技能に関する資格』であるかのごとく誤認を生じさせる『心理対話士』の文字よりなるから、このようなものを本願の指定役務の標章として登録し使用することは、その需要者・関係者に資格の制度に則ったものとして受け止められ、社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、「心理対話士」の文字を書してなるところ、該文字より、直ちに原審説示のような意味合いを認識させるものとはいい難く、また、特定の役務の質(内容)等を直接的かつ具体的に表示するものとして理解されるものとはいい得ない。

また、当審において調査するも、該文字が本願指定役務を取り扱う業界において役務の質(内容)等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も見いだし得ない。

してみれば、本願商標は、これをその指定役務について使用しても自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本願商標は、「心理対話士」の文字を書してなるところ、該文字より直ちに原審説示の如き意味合いで、国家資格の一つを表示したものと認識し理解されるものとはいい難い。そして、その構成中の末尾の「士」の文字部分について、一般国民が、末尾に「士」の文字を付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表したものと理解することも少なくないということができるが、他方、いわゆる「民間資格」において、法律に準拠しない「士」の文字を含む名称や称号が使用されている事実も少なからず見受けられるところである。

そこで、当審において調査するも、「心理対話士」と同一又は類似する名称の国家資格は存在しないばかりでなく、「心理対話士」と同一又は類似する名称が他の法律によって、使用を規制されているといった事実も見いだし得ない。

そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、これより直ちに国家資格を表す名称の一つであるかのごとく誤認を生じさせるおそれがあるものとはいえず、また、国家資格制度の秩序を乱すおそれがあるものと認めることもできないから、結局、本願商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ということはできない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第16号及び同第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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