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Trademark Appeal Case

e-結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−12793(T2006−12793/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「e−帳票FAXサービス」の文字を横書きに書してなり、平成16年11月24日に登録出願された商願2004−107315号を原出願とする商標法第10号第1項の規定による商標登録出願(分割出願)とし、第35類及び第38類の願書記載の役務を指定役務品として、同17年8月8日に登録出願されたものである。

指定役務については、当審における同18年6月21日付け手続補正書により、第38類の役務が削除され、第35類「輸出入に関する事務の代理又は代行,あて名書き及び書類の封入・封緘・発送の代行,郵送先リストの作成・提供,文書又は磁気テープのファイリング,一般事務の代行,電子計算機による文書の送信及び受信の事務処理代行,経理事務の代行」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由

原審においては、下記の(1)及び(2)の拒絶の理由を通知し、(2)の理由によって本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「e−帳票FAXサービス」と書してなるところ、『e−』の部分は、『電子の。インターネットの。』(『現代用語の基礎知識2006』参照)の意味を有し、「帳票」の部分は、『帳簿・伝票類などの総称。』(『大辞林』参照)を意味するものとして、いずれも一般に親しまれている文字であることからすれば、本願商標に接する取引者・需要者は、これよりは「電子的な帳票のFAXサービス」、「インターネットによる帳票のFAXサービス」程度の意味合いを認識するに止まるというのが相当であるから、これをその指定役務中、当該意味合いに相応する役務(第35類「輸出入に関する事務の代理又は代行,あて名書き及び書類の封入・封緘・発送の代行,郵送先リストの作成・提供,文書又は磁気テープのファイリング,一般事務の代行,電子計算機による文書の送信及び受信の事務処理代行,経理事務の代行」)に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、登録第4637565号(商願2002−011993号)の商標と同一又は類似の商標であって、と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 請求人への審尋

平成18年9月27日付審尋書をもって通知した理由は、次の通りである。

本願商標は、「e−帳票FAXサービス」と書してなるところ、「e−」の部分は、「電子の。インターネットの。」(『現代用語の基礎知識2006』参照)を意味するほか、インターネットを通じて電子的に文字メッセージ(画像データやプログラムなどを送受信できるものもある。)の交換ができる「電子メール(electronic mail)」を「eメール」、インターネットなどのネットワークを利用して、商品の販売にかかる契約や決済などを行なう取引形態である「電子商取引(electronic commerce)」を「eコマース」のように他の語と結合されて、前記意味合いを有するものとして広く一般的に使用されているものである。

さらに、平成17年4月1日に施行された「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「同法施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」とをあわせて「e文書法(電子文書法)」と総称され、これらの法律は、民間企業において書面(紙)での保存が義務付けられている財務や税務関連の書類・帳票等を、電子データとして保存することを認め、民間企業の事務の効率化、文書保存コスト削減を目的とし、政府が発表した「e-Japan戦略II加速化パッケージ」の重点分野の一つにもなっている。本政策により、企業で保管が義務づけられている財務・税務関連の文書や帳票類の電子化が今後さらに促進されることが見込まれているところである。

また、請求人以外の同業他社が「e−帳票」または「電子帳票」を実際に使用して、サービスの提供または商品を販売していることが、以下のようなインターネット情報、新聞情報により認められる。

(1)株式会社三菱電機ビジネスシステムのホームページの製品紹介(ソフトウエア)において、「電子帳票システム/e−image」の見出しのもと、「電子帳票化すると、こんなに変わる!/電子帳票システムは、基幹業務アプリケーションから印刷されるデータを取得し、帳票イメージと印刷データを電子媒体に保管するシステムです。」との記載がある。(http://www.melb.co.jp/p_global/e-image/i-index.htm)

(2)株式会社NTTデータビジネスブレインズのホームページの製品紹介(ソフトウエア)において、「電子帳票システムPandora-AX(パンドラ エーエックス)は、メインフレームや各種サーバーの出力帳票を電子化してサーバーに保管し、それをパソコンで利用することでペーパレスを実現するシステムです。」との記載がある。(http://www.nttd-bb.com/product/pandora/about/index.html)

(3)株式会社NEC情報システムズのホームページの製品紹介(ソフトウエア)において、「電子帳票システム/PIFVIEWER/紙帳票から電子帳票へ」の説明として「膨大な量の帳票類を電子化することにより、業務の効率化、管理の簡素化、経費削減等、TCO削減に貢献します。」との記載がある。(http://www.pif-viewer.com/)

(4)2001年11月9日付け日刊工業新聞の8頁には、「富士通、運用管理ソフト製品群の最新版発売」の見出しの下に「富士通は、運用管理ソフト製品群の最新版「システムウォーカーV10」を発売した。・・・適用対象分野を拡大してブロードバンド環境に対応する。・・・またe−Japan構想に向けて、アプリケーションを変更せずに既存帳票類を電子化してウェブ対応とするほか、各種形式の帳票を一元管理する。」との記載がある。

(5)2000年1月6日付け日刊工業新聞の1頁には、「大日印、加・ジェットフォームとネット対応経営支援事業で提携。帳票管理を電子化」の見出しの下に、「大日本印刷とカナダ・ジェットフォーム社(本社オタワ)の日本法人は電子帳票を中心とする企業向け業務改革支援事業で提携した。大日本の帳票制作ノウハウとジェットフォーム社の電子帳票作成ツールを組み合わせることで、ネットワーク時代に対応したワークフローシステム構築を進めるのが狙い。・・・インターネットの普及を背景に、企業内では伝票や申請書類など帳票類の電子化が進んでいる。今回の提携により、両社は企業に対して帳票類の電子化からデータのやり取り、文書管理まで一連の業務をウェブ上で処理できるソリューションシステムを売り込む。」との記載がある。

(6)1999年10月20日の日刊工業新聞の11頁には、「NEC、帳票データ連携ソフトを開発−汎用コンピューターとパソコンサーバ活用」の見出しの下に、「NECは、基幹システムである汎用コンピューターと、オープンシステムであるパソコンサーバで帳票データ連携を実現できるソフトを商品化した。インターネット時代の本格到来でサーバ連携へのニーズが高まっているが、これに対応したのがポイント。・・・これまで帳票データは、プリンターに出力していたが、これを自動的にパソコンサーバの電子帳票管理フォルダーに格納。これにより汎用コンピューターの帳票データは、パソコンサーバでモニター表示したり、自由に検索したりできるようになり、印刷物の保管や帳票の経費など管理コストの大幅削減を実現できる。」との記載がある。

(7)1996年6月7日付け化学工業日報の9頁には、「日立製作所、統合型グループウエアを販売、ネットワーク対応を強化」の見出しの下に「日立製作所は六日、統合型グループウエア「グループマックス」のインターネット、イントラネット対応を強化し、すべての機能をwww(ワールド・ワイド・ウェブ)ブラウザ環境から利用可能とした「グループマックス・バージョン2」を製品化、十日から販売を開始すると発表した。新製品は、wwwブラウザがあれば、インターネットを利用してどこからでも電子メール/電子掲示板、文書管理、電子帳票、スケジュール管理、ワークフローなど、グループマックスのすべての機能を利用可能としている。」との記載がある。

また、上記のように電子化した帳票データをFAXにより提供するサービスが一般的に行われていることが以下のようなインターネット情報、新聞情報により認められる。

(8)2005年10月27日付日本証券新聞の3頁には「JFEシステムズ・電子帳票分野で新展開」の見出しの下に「JFEシステムズ(4832・2部・一株)は蝶理情報システム(非上場)と電子帳票分野で連携、電子化帳票の自動FAXソリューションを11月から展開する。・・・・JFEシステムズの電子帳票システム「FiBridgeII」と蝶理情報システムの「ライトニングFAX」は帳票の一元管理とFAX自動印刷による連携でこれらの問題を解決。基幹システムの帳票などを大量に自動でFAXできるほか、送信帳票に関する送信先からの問い合わせには「FiBridgeII」に保存した同一帳票のデータを容易に検索し対応することができる。」との記載がある。

(9)カシオ計算機株式会社のホームページのソリューション紹介帳票FAX自動送信ソリューションにおいて「ソリューション概要 ホストの当日分帳票データを、帳票作成・運用ツールである<FORMG REX>で設計した各種帳票と連動させ、FAX送受信ツールである<FAX STAGE>で自動的に取引先へFAXで配信することができます。」との記載がある。

(http://casio.jp/ppr/products/solution/autofax.html)

(10)株式会社グローイングコンサルタントのホームページの「FAX一斉同報サービス&高機能メッセージングサービス」の「帳票ファックス」の項に「帳票テキストデータをお送りいただくだけで、ご指定のレイアウトで帳票を自動作成し、ご指定の宛先に送信するサービスです。ファックス情報配信に関する時間的・人的負担を大幅に低減でき、貴社のビジネスの効率化に大きく貢献します。」との記載がある。

(http://www.grow-ing.co.jp/faxdoho/tran_01.htm)

(11)「NIKKEI NET」2006年8月1日付記事中に「コクヨ、『IBM System i』対応のASP型インターネット帳票FAXサービスを開始」との記載がある。

(http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=137639&lindID=1)

上記実情を考慮すると、事務処理で必要な「帳票」を電子化することが一般的に行われ、またそのデータをFAXにより提供するサービスが一般に行われている事実が認められることよりすれば、「e−」の文字が「電子の」等の意味を有すること前記のとおりであることから、「e−帳票FAXサービス」の文字からなる本願商標に接する取引者・需要者は、これよりは「電子的な(電子化された)帳票、あるいはインターネット技術を利用した帳票をFAXにより提供するサービス」程度の意味合いを認識するに止まるというのが相当であるから、これを補正後の本願指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であると認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

4 審尋に対する請求人の回答

商標の構成に「e−」があることによって、電子的な媒体を要する役務であることが暗示させられる商標であっても、商標全体として把握され、その語が出願人の創造商標である場合は、自他役務識別機能を発揮するものといえ、登録が認められるべきである。それ故、構成に「e−」を有する商標が多数登録されている。審尋において列挙された情報をもってしても、本願商標がその役務の取り扱い分野において、質等を表示する語として認識され、普通に使用されている事実もない。本願商標は、まとまりよく同書同大からなり、一体的な構成を持つ商標であり自他役務識別機能を有し、実際に関連会社により使用されていることにより出所表示機能を具備しているので、商標法第3条第1項第6号に該当しないものであり、登録されるべきである。

5 当審の判断

本願商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、前記3の審尋書のとおり「e−帳票」の文字部分は、「電子帳票(電子化された帳票)」を意味するものと認められ、また、電子帳票(電子化された帳票)をファクシミリ(FAX)により配信するサービスが請求人以外の複数の業者により提供されている事実があることよりすれば、本願商標に接する需要者、取引者は「電子帳票(電子化された帳票)をファクシミリ(FAX)により配信するサービス」の意味合いを、理解・看取するにすぎず、これを本願指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。

なお、請求人(出願人)は、前記4、回答書において種々述べているが、本願商標は上記のとおり判断するのが妥当であるから請求人(出願人)の意見は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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