結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2006−90156(T2006−90156/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4922215号商標(以下「本件商標」という。)は、「豊かなココア感」の文字を標準文字で表してなり、平成17年5月13日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成17年11月24日に登録査定され、同18年1月20日に設定登録されたものである。
(1)登録異議申立人「森永乳業株式会社」の申立理由
本件商標は、「豊かなココア感」の文字を表してなるところ、これを「ココア」、「ココアを使用したもの」、「ココア風味のもの」、「ココア風味の食品に原材料として好適に使用されるもの」、「ココア風味を付するための」等に使用するときは、「ココア風味が豊かである」という商品の品質を表示するにすぎずないものである。また、前記商品以外の商品に使用するときは品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)登録異議申立人「片岡物産株式会社」の申立理由
本件商標「豊かなココア感」は、その指定商品中「ココア」においては、「豊富なココア風味の商品」という観念を自然に生ずるのは、明白である。市販されているココア商品からわかるように「豊富なココア風味の商品」という品質を持つ商品は多数販売されており、ココアの品質を表示するものとして周知といえる。また、「ココア」以外の商品に使用するときは、「豊富なココア風味の商品」であるという品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(1)登録異議申立人「森永乳業株式会社」の提出に係る甲第1号証ないし甲第7号証(いずれも本件商標の登録査定日以前の事柄に関するインターネット記事情報)によれば、以下の事実が認められる。
(ア)本件商標の商標権者の取扱いに係る商品「ココア」について、「豊かなココア感が楽しめるファミリーユースのココアです。」と、本件商標が記述的用法により使用されていること(甲第1号証)。
(イ)冷水で作るミルクココア(クールココア)について、「しっかりとしたココア感とチョコレートの香りに・・」との記述があること(甲第2号証)。
(ウ)ボトル缶ココア(乳飲料)について、「パッケージは、濃厚なココア感をイメージする濃い茶色をベースにミルク感のあるクリーム色のグラデーションにより、本格感を表現しています。」との記述があること(甲第3号証)。
(エ)缶入りココア飲料について、「よりココア感が引き立った濃厚な味わいをお楽しみいただけます。」、「パッケージでは、全体的にココア感をより引き立たせ、ココア使用量を2倍にしたことを文字と赤色の帯びマークで表現し、本格ココアの濃厚な味わいをお伝えします。」との記述があること(甲第4号証)。
(オ)ココア(パウダー)について、「特有のしっかりとした本格的なココア感に、・・」、「厳選カカオ豆から生まれたオランダ製ココアパウダーのほろ苦い味わいをしっかり引き出した、ココア感たっぷりのビタータイプ。」との記述があること(甲第5号証)。
(カ)ココアキャンディについて、「今回のリニューアルにより、カカオ感がアップし、よりコクのあるミルクココアを再現。」(甲第6号証)、「ココア感をUPして更に美味しくなった本格志向のキャンディ。」(甲第7号証)との記述があること。
(2)商標法第43条の8において準用する同法第56条第1項で準用の特許法第150条第5項に基づいてした職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(ア)1995年8月25日付け日本食糧新聞には、「森永製菓、50%果汁『すもも』など発売」の見出しのもと、「ミルクココアドリンク(ココア飲料)=粉末ココアで強い『ミルクココア』にデザインを統一し、相乗効果を狙った商品で、生クリームのなめらかさ、従来品よりココア分が多くココア感をアップの飲料。」との記事が掲載された。
(イ)1999年10月25日付け日本食糧新聞には、「しっとり洋風デザート『小さなブリュレモカ』発売へ(雪印乳業)」の見出しのもと、「口どけなめらかなプリン。ココア感たっぷりで、ココアのほろ苦さと深みのある甘みがほど良く調和したビタータイプ仕立て。」との記事が掲載された。
(ウ)2001年8月17日付け日本食糧新聞には、「森永製菓九州食品支店が秋の新商品発表会開催、ブランド強化、拡販」の見出しのもと、「ココアは一三年ぶりに内容を変え、糖分を減らし、ココアパウダーを増やし、よりココア感を強化し、香りは従来の『ミルクココア』と比較して、二・四倍にアップした。」との記事が掲載された。
(エ)2003年8月27日付け日本食糧新聞には、「『クランキービスケット ダブルココア』発売(ロッテ商事)」の見出しのもと、「ほろ苦いココアビスケットと、ココアパフのダブルのココア感で深い味わいの品質。歯応えのよいココアパフを使用し、クランキーの特徴であるサクサク感がさらにアップ。」との記事が掲載された。
(3)本件商標は、前記のとおり、「豊かなココア感」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「ココア感」の文字部分は、前記(1)及び(2)で認定した事実によれば、「商品に使用されるココアの風味や香りを感じる様」なる意味合いをもって、飲料、菓子等の分野において普通に使用され、かつ、「商品に使用されるココアの分量が従来の商品より多く、ココアの味や香りなどを一層引き立たせた商品」が市場に多数流通し、これらの商品について、「しっかりとしたココア感」、「ココア感たっぷりの」、「ココア感をアップ」、「よりココア感が引き立った濃厚な味わい」などの文言で使用されていることが認められる。
そうすると、前記構成文字よりなる本件商標は、これをその指定商品中、「ココア,ココア飲料」やココアを原材料に使用することが普通に行われていると認められる「菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」について使用した場合、これに接する需要者は、全体として、「商品に使用されるココアの分量が従来の商品より多く(又は品質が高く)、ココアの味や香りなどを一層引き立たせた商品」なる意味合いを表したものと認識するにとどまるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中、「ココア,ココア飲料,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」について使用しても、単に商品の品質を表示するものにすぎないものと認められる。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、上記商品について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものというべきである。
本件に関し、当合議体は、商標権者に対し、平成18年8月17日付けで、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、上記3の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の指定商品中、第30類「ココア,ココア飲料,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」についての登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、商品の品質を表示するものとは認め難いものであり、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものである。
したがって、本件登録異議の申立てに係る指定商品中、第30類「ココア,ココア飲料,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」以外の指定商品については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものであるから、商標法第43条の3第4項の規定により登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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