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Trademark Appeal Case

著名商標の混同と便乗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90352(T2005−90352/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4854076号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4854076号商標(以下「本件商標」という。)は、「NAVITIMER」の欧文字を横書きしてなり、平成16年7月2日に登録出願、第3類「化粧品,香水」を指定商品として、同17年4月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3324185号商標(以下「引用商標」という。)は、「NAVITIMER」の欧文字を横書きしてなり、平成6年4月14日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年6月20日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人がその製造販売する商品「腕時計」に使用する著名な引用商標と同一であり、かつ、その指定商品は前記「腕時計」とは需要者、取引者、取扱系統、用途等を共通とし密接な関連性を有するものであるから、本件商標をその指定商品「化粧品,香水」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、出所について混同するおそれがある。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。

(2)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、引用商標と実質的に同一であって、申立人の本拠地であるスイスと同じ欧州のフランス語圏所在の商標権者が、ブライトリングの腕時計「NAVITIMER(ナビタイマー)」を指称するものとして著名な引用商標の存在を認識していなかったとは想定できないことから、本件商標が引用商標の著名性や高度の出所表示機能に便乗し、引用商標に化体した信用・名声・顧客吸引力にフリーライドし不当な利益を得る等の目的のもと出願し権利を取得したものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。

(3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第22号証(枝番を含む。)を提出している。

4 本件商標に対する取消理由

当審において、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成18年5月8日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。

(1)申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標は、申立人が航空時計に使用している商標であり、「NAVITIMER(ナビタイマー)」モデルの時計は、1952年の発売以来、特殊な計算尺を文字盤に組み込み、飛行マイル数、平均上昇・下降速度、上昇/下降率、燃料消費量などの航空計測が瞬時にできる画期的なクロノグラフであり、その信頼性の高さからAOPA(国際パイロット協会)の公式時計にも選定されており、現在では、パイロットウォッチ(航空時計)の代名詞とも称されている。このことは、「新英和商品名辞典」(株式会社研究社 1990年発行)、「Beginスーパーアイテム叢書『クロノグラフのパイオニア ブライトリング 世界の空をかけるパイロットウォッチのすべて』」(株式会社世界文化社 平成11年10月30日発行)、「世界の腕時計 TIME SPEC NO.16」(株式会社ワールドフォトプレス 平成5年11月20日発行)等々、数多くの文献において紹介されているところである(甲第4ないし第14号証)。

そして、我が国においても、ブライトリングの腕時計等は、長年にわたって販売されており(甲第15号証)、カタログ、新聞、雑誌、電車中吊ポスター、店舗内展示、インターネット、チラシ、ダイレクトメール等の媒体を通じて積極的な広告宣伝活動が行われている事実を認めることができる(甲第16号証)。

(2)以上の事実によれば、引用商標は、申立人が「航空時計をはじめとする各種の腕時計」について使用する商標として、本件商標の登録出願時には既に、我が国におけるこの種商品の取引者・需要者間において広く知られていたものと認められ、その著名性は登録査定時においても継続していたものということができる。

(3)本件商標は、上記1のとおり、引用商標と同じ「NAVITIMER」の文字からなるものであるところ、「NAVITIMER」の語は、特定の意味合いを表す成語ではなく、申立人の主張によれば、飛行、航法を意味する「NAVIGATION」と計時装置を意味する「TIMER」の語から着想を得て、申立人により創案された造語商標と認められるものである。そして、今日の企業経営においては、多角化・グループ化の傾向は顕著であり、ファッションブランドの中には、婦人・紳士服、靴・バッグ、ジュエリー、腕時計、サングラス、化粧品、香水など、生活上身につけるあらゆる商品を展開し、同一ブランドの下に、統一したトータルファッションを提供し商品展開をしている例がしばしば見受けられるところである。

(4)してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、申立人の使用に係る著名な引用商標を想起し、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。

5 商標権者の意見

商標権者は、上記4の取消理由に対して、何ら意見を述べていない。

6 当審の判断

本件商標の登録は、上記4の取消理由により、商標法第4条第1項第15号に違反してされたと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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