Trademark Appeal Case
図形商標の外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90279(T2006−90279/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4937085号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成14年11月1日に登録出願、第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年3月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由として引用する登録第4275179号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成10年4月7日に登録出願、第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年5月21日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標と引用商標とは、向きの左右などにおいて若干の相違はあるが、「円と太い折れ線」を用いて一種の幾何学的図形を表現したという点で構成上よく似たものであり、看者に与える印象が近似したものとなるから、両商標は、外観及び観念上互いに類似するものである。
そして、引用商標は、入浴剤の標章として現在も使用され、薬局などの店頭に常時展示販売されているものであって、需要者間によく知られた商標であるから、時と所を異にして引用並びに本件の両商標に接するときは、互いに紛れやすく、需要者をして出所の誤認混同を引き起こすことが懸念されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、四隅を丸めた黒塗り方形内に、当該方形を中央付近で上下に分断する白抜きの波線を表し、当該波線の上側にS字状の縦線を白抜きで3本描き、該S字状の3本線の右下部分には、膝を軽く曲げて腰を下ろし、上体を反らした状態に見てとれる左向きのシンプルな人体の側面図を白抜きで表したものであって、上下を分断する波線が人体の胸元付近にくるように配された構成からなるものである。
他方、引用商標は、別掲(2)に示したとおり、黒塗りの台形状図形内に、膝を直角近くに曲げて腰を下ろし、腕を水平に挙げて、上体を反らした状態に見てとれる右向きのシンプルな人体の側面図を表したものであって、肩から水平に挙げた腕の位置に相当する該台形図形の上辺部分を境に、台形の内外で白黒の配色を反転させて表した構成からなるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、いずれも、湯に浸かっている人を抽象的に表現した点において共通にするところがあるにしても、全体の構図には顕著な差異があり、各構成要素の表現方法においても明らかな差異を認めることができるものであって、本件商標は、広々とした、例えば、温泉の如き場所において湯に浸かっているような状況を想起させるのに対して、引用商標は、例えば、家庭用の風呂の湯槽に浸かっているような状況を想起させるものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その構成態様において著しい差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成よりなるこれら商標の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象においても明らかな差異を有するものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、両商標からは、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念については比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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