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Trademark Appeal Case

商標使用の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31315(T2005−31315/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1996365号商標(以下「本件商標」という。)は、「TRYCROSS」の欧文字と「トライクロス」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和60年3月22日登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品」を指定商品として、同62年11月20日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、『二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べた。

(1)本件商標は、その指定商品中「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について、継続して三年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者又は質権者により使用された事実が存在しない。

さらに、本件商標の商標権者が、上記指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について本件商標を使用していないことについての正当な理由があるものとも認められない。

このように、上記指定商品について、過去に使用事実のない本件商標の存在は、真に上記指定商品について使用を希望する第三者の自由な商標選択の範囲を制限するものであり、本来自己の商品またはサービスに使用される商標の保護を図ろうとする法目的に反するものである。

(2)したがって、本件商標の指定商品中「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」についての登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、当然に取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第22号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)被請求人は、その予告登録前三年以内の本件商標を指定商品「自転車並びにその部品及び附属品」に使用した事実について、以下のとおり立証する。

(2)本件商標の使用について

(2−1)被請求人は、2001Vo1.4総合カタログ(乙第2号証)において、本件商標を付した自転車を掲載し、販売している。本カタログ第45頁左下欄に、欧文字「TRYCROSS」の商標及び片仮名文字「トライクロス22/24」を表示している。この「トライクロス22/24」の「22」と「24」はタイヤサイズを表したものである。タイヤサイズ22インチの車種略号「CTC−220」は、¥29,800、タイヤサイズ24インチの車種略号「CTC−240」は、¥30,800が、標準現金販売価格である。

また、自転車「トライクロス22/24」は、フラッシュライトシルバー(カラー記号「SL」)・ポピーレッド(カラー記号「R2」)・フラッシュMブルー(カラー記号「B30」)の三色があることを表示している。したがって、商品の受注・流通・在庫の管理において、車種略号とカラー記号の組合せにより、商品の特定を行っているものである。

前記乙第2号証において特定できる販売商品の自転車の包装箱には、「CTC220 R2」等の車種略号が表示されて出荷される。例えば、「CTC 220 R2」と表示された包装箱には、商品の自転車及び販売ツールとしてのプライスカードが収容されている。このプライスカードには、本件商標の「TRYCROSS」及び「トライクロス」が表示されている。

次に、商品の車体、車輪、装備部品、カゴなどの附属品を取り出すと、車体は、包装箱に表示された「R2」の記号のとおりカラーは、「ポピーレッド」である。そして車体の下パイプには、本件商標の「TRYCROSS」が表示されている。また、車体の立パイプには、「CTC220 R2」の車種略号も表示されている(乙第17号証)。

(2−2)上記本件商標を付した自転車の販売状況について、被請求人の2003年度売り上げ明細(乙第3号証1)及び2004年売り上げ明細(乙第3号証2)より販売先(代理店名)、売上日、車種及び台数を特定する。

次に、前記2003年売り上げ明細(乙第3号証1)及び2004年売り上げ明細(乙第3号証2)の特定された事実について、乙第4号証ないし同第18号証により個別に立証する。

(2−3)平成15(2003)年5月3日・4日に、「第48回大岡越前祭」が、第48回大岡越前祭実行委員会の主催、茅ヶ崎市・茅ヶ崎商工会議所・大岡奉賛会・茅ヶ崎市観光協会・茅ヶ崎市商店会連合会・茅ヶ崎市工業団体連合会・茅ヶ崎市大型店連絡協議会・神奈川県・神奈川県観光協会・JR東日本・さがみ農業協同組合の後援により開催された(乙第4号証1)。

被請求人は、「大岡越前祭」の開催趣旨に賛同し、「ちがさき産業フェア」に出展すべく、代理店制度の下に製品展示及び取引代理店の出店斡旋を行った(乙第4号証2)。この結果「製品展示及び取引代理店」の販売業務は、地元自転車店が共同して担当し、市民への製品販売として実施された。そして、この取引は、当社の代理店である株式会社第一商会(以下「第一商会」という。)を中心に行われた。そこで、「大岡越前祭」開催日の直前の4月30日に自転車「CTC220 B30」の取引の発生がある(被請求人得意先元帳、乙第7号証2)。この「大岡越前祭」において、注文を受けたことにより、5月7日において、第一商会から「CTC220 B30」1台の追加注文を受け、これを販売した。この販売は、第一商会が被請求人本社に来て、直接商品の引き渡しを行った。その商品の引渡しにおいて、注文品の物品持出証兼受領書にサインをもらっているので、引渡し事実を立証するため物品持出証兼受領書(乙第5号証)を提出する。また、物品持出証兼受領書にサインを行って商品の引き取りに来た事実に相違ないことを立証するために、物品持出証兼受領書証明書(乙第6号証)を提出し、さらに、「CTC220 B30」の車種を特定し、かつ販売事実を販売証明書(乙第7号証1)及びこの販売による代金請求事実を示す被請求人得意先元帳(乙第7号証2)により立証する。

(2−4)被請求人は、株式会社かいた屋本店へ、平成15年6月27日に、本件商標が使用された自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 B30」を1台販売した。この事実を譲受人である株式会社かいた屋本店の証明書(乙第8号証1)及びこの販売による代金請求事実を示す被請求人得意先元帳(乙第8号証2)により立証する。

(2−5)被請求人は、共和サイクルへ、平成15年6月27日に、本件商標が使用された自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−22O B30」を1台販売した。この事実を譲受人である共和サイクルの証明書(乙第9号証1)及びこの販売による代金請求事実を示す被請求人得意先元帳(乙第9号証2)により立証する。

(2−6)被請求人は、ミナミサイクルヘ、平成15年6月23日に、本件商標が使用された自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 B30」を1台、及び自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 SL」を1台、販売した。この事実を譲受人であるミナミサイクルの証明書(乙第10号証1)及びこの販売による代金請求事実を示す被請求人得意先元帳(乙第10号証2)により立証する。

(2−7)被請求人は、酒谷 くみの木店へ、平成15年6月25日に、本件商標が使用された自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 R2」を1台、自転車「トライクロス24」車種略号「CTC−240 R2」を1台、及び自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 B30」を1台、それぞれ販売した。この事実を譲受人である酒谷 くみの木店の証明書(乙第11号証)により立証する。

(2−8)被請求人は、リンリン甲子園店へ、平成15年7月18日に、本件商標が使用された自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 R2」を1台、販売した。この事実を譲受人であるリンリン甲子園店の証明書(乙第12号証)により立証する。

(2−9)被請求人は、平成15年6月26日に、加納トミタサイクルヘ、本件商標が使用された自転車「トライクロス24」車種略号「CTC−240 R2」を1台、及び自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 B30」を1台、それぞれ販売した。この事実を譲受人である加納トミタサイクルの証明書(乙第13号証)により立証する。

(2−10)被請求人は、平成15年7月12日に、CSサトウヘ、本件商標が使用された自転車「トライクロス24」車種略号「CTC−240 R2」を1台、及び、自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 B30」を1台、販売した。この事実を譲受人であるCSサトウの証明書(乙第14号証1)及びこの販売による代金請求事実を示す被請求人得意先元帳(乙第14号証2)により立証する。

(2−11)被請求人は、株式会社長生運送(以下「長生運送」という。)へ、平成16年9月18日に、本件商標が使用された自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 R2」を2台、及び自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−240 SL」を1台、それぞれ販売した。この事実を譲受人である株式会社長生運送の証明書(乙第15号証)及びこの販売による代金請求事実を示す被請求人得意先元帳(乙第16号証)により立証する。

また、長生運送に、在庫状況につき問い合わせたところ、上記自転車「トライクロス22」車種略号「CTC−220 R2」について、包装箱の状態で在庫があるので、店舗であるMCS湘南店内において、撮影を依頼し、証明書(乙第17号証)を作成してもらった。

なお、長生運送が、社名より運送会社と認識され自転車の販売に関する業務を行うことへの疑問を生じさせる心配があるため、長生運送の登記簿謄本(乙第18号証)により、自転車の組立及び販売が業務範囲であることを立証する。

(3)次に、被請求人は、車種(MBCTC248/228)の「TRYCROSS」貼マーク仕様書(乙第19号証)により登録商標の使用事実を立証する。その仕様の貼マークの現品(乙第20号証1)は、現在、在庫の貼マークを部品振替伝票(乙第20号証2)により出庫したものであることを立証する。

(4)前記販売自転車(CTC240/220)に使用している本件商標「TRYCROSS」の貼マークを、貼マーク仕様書(乙第21号証)により使用の事実を立証する。そして、その仕様の貼マークの現品(乙第22号証1)は、在庫中の貼りマークを部品振替伝票(乙第22号証2)により出庫したものであることを立証する。貼マーク仕様書で、車種がMBCTC240/220と記載されるが、カタログ等では、車略記号と表示するように「MB」の記号は省略され、前記のように、CTC240、CTC220と記載されるものである。

(5)以上のように、本件商標は、被請求人により、指定商品「自転車」について、本件審判請求登録日の平成17年11月21日以前より三年以内に使用がなされているから、商標法第50条第1項に該当しないものである。

4 当審の判断

被請求人より提出された乙各号証によれば、以下のことが認められる。

(1)乙第2号証は、商品カタログ(抜粋)と認められるところ、表紙の上部には被請求人のハウスマークと認められる「miyata」のマークが表示されている。また、裏表紙には同じく「miyata」のマークと図形商標が上部に表示され、その下に被請求人の商号「宮田工業株式会社」が表示されていて、裏表紙の横隅に「平成13年6月8日発行」、また、その最下部には「仕様は2001年6月1日現在」と表示されている。そして、このカタログの中頁(45頁)には、4種(ブランド)の自転車が掲載されており、その左下に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付された自転車が掲載され、「タイヤサイズ22」、「シフト段数6段」、「車種略号(CTC−220)」及び「タイヤサイズ24」、「シフト段数6段」、「車種略号(CTC−240)」の2台の商品説明が「カラー」、「標準現金販売価格」等と共に記載されている。

乙第3号証1は、「2003年度トライクロス(CTC)売り上げ明細」(写し)、及び、乙第3号証2は、「2004年トライクロス(CTC)売り上げ明細」(写し)と認められるところ、これらの書類には10店舗の販売代理店別の「受注No」、「受注日」、「売上日」、「車種」、「色」等がそれぞれ記入されている。そのうち、「受注日」は、2003年4月30日から2004年9月7日の間の日付であり、「売上日」は、2003年4月30日から2004年9月18日の間の日付である。

乙第7号証2は、「得意先元帳」(写し)と認められるところ、この書類の上部には、先の販売代理店の一である「(株)第一商会」が表示され「2003年5月31日締」と記載されていて、同代理店の受注日、受注No及び品名等が一覧できるように作成されていることが認められる。

そして、これらの記載事項を見ると、乙第3号証1の「2003年度トライクロス(CTC)売り上げ明細」に記入されているものと同じ受注No(H0430)、車種(CTC220)等が品名と共に記載されており、車種については、カタログに記載されている車種略号と符合するものである。

さらに、乙第8号証ないし同第16号証(枝番号を含む。)の各「得意先元帳」(写し)には、上記乙第7号証2の「得意先元帳」と同様に、乙第3号証1又は乙第3号証2に記入されているものと符合する受注No、車種等がそれぞれ記載されていることが認められる。

(2)前記(1)で認定した事実によれば、上記商品カタログ、「2003年度トライクロス(CTC)売り上げ明細」、「2004年トライクロス(CTC)売り上げ明細」及び各「得意先元帳」は、その掲載内容及び記載内容から、商品「自転車」が取引の実際に使用されたと認め得るものであり、かつ、カタログに表示されている「TRYCROSS」及び「トライクロス」の各文字は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

また、商品カタログの発行年月日は、平成13年6月8日であるが、裏表紙の最下部に表示されている「仕様は2001年6月1日現在」の記載内容からすれば、単なる消耗品ではない該カタログの掲載商品が「2003年度トライクロス(CTC)売り上げ明細」、「2004年トライクロス(CTC)売り上げ明細」及び各「得意先元帳」上で記載されている年月日に、受注され、売り上げられたと認め得るものであるから、これらの記載年月日よりすれば、いずれも本件審判の請求の登録日(平成17年11月21日)前3年以内と認め得るものである。

そうすると、本件商標は、被請求人(本件商標権者)によって本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品中に含まれる「自転車」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。

(3)したがって、本件商標は、その指定商品中の「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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