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Trademark Appeal Case

薬剤称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2006−89123(T2006−89123/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4928009号の指定商品中「薬剤」についての登録を無効とする。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4928009号商標(以下「引用商標」という。)は,「LINABEC」の欧文字と「リナベック」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり,平成17年5月31日に登録出願,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」を指定商品として,同18年2月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人の引用する国際登録第823900号商標(以下「引用商標」という。)は,「IMABEQ」の欧文字を横書きしてなり,2003年10月16日にドイツ国においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し,また,2004年(平成16年)4月6日を国際登録の日とし,さらに,第5類「Pharmaceutical preparations for human use in the field of oncology.」を指定商品として,平成17年1月14日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は,請求の趣旨を「結論同旨の審決を求める。」とし,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし同第7号証を提出した。

医療の現場において,事態は,緊急を要する場合が少なくなく,また,結果の発生において人命にかかわることもあるため,医薬品の名称は,これを聞き誤ることが許されない(甲第7号証)。このことは,本審判においても考慮されるべきである。

してみれば,本件商標と引用商標とは,称呼において類似のものであるから,その指定商品中「薬剤」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

よって,同法第46条第1項の規定により,指定商品「薬剤」の登録は無効とされるべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人(商標権者)は,答弁しない。

5 当審の判断

本件商標は,前記1に示したとおり,「LINABEC」の欧文字と「リナベック」の片仮名文字よりなるものであるところ,下段の「リナベック」の片仮名文字が本件商標の称呼を特定しているものと無理なく認められるものであるから,これよりは,「リナベック」の称呼を生ずるものというべきである。

他方,引用商標は,「IMABEQ」の欧文字よりなるものであるところ,語尾が「Q」で終わる英語はないが,無効にかかる指定商品「薬剤」の取引の実情に照らして,ドイツ語風又はローマ字風読みにより,これよりは,「イマベック」の称呼を生ずるというを相当とする。

そこで,両称呼を比較するに,「リナベック」と「イマベック」は,共に4音より構成され,後半の「ベック」の音を同じくし,異なるところは,語頭音「リ」と「イ」,第2音「ナ」と「マ」にあるものと見られるところ,「リ」と「イ」は,「リ」が母音〔i〕に影響されやすい子音〔r〕よりなるやわらかい音であるから,両音は,比較的近似する音であるということができ,また,「ナ」と「マ」は,「ナ」が歯茎で発する有声鼻音であるのに対し,「マ」が唇で発する有声鼻音であるから,両音は,調音位置が隣接するばかりでなく,調音方法及び母音を共通にする極めて近似する音というべきものである。

ところで,「薬剤」は,家庭用常備薬ばかりでなく,医療機関においても大量に用いられ,その場合,名称のみにおいて特定されて取り扱われるのが一般的であり,その名称において取り違えが生ずる(甲第7号証)等,識別機能上,称呼の果たす役割が大きく,称呼において商品の混同を生じやすい取引の実情が認められるところである。

したがって,「薬剤」のかかる取引の実情等を考慮すれば,語頭音「リ」と「イ」の違い,第2音「ナ」と「マ」の違いを考慮してもなお,本件商標の称呼「リナベック」と引用商標の称呼「イマベック」とは,これらを一連に称呼した場合,その語感,語調が近似し,聴き誤るおそれがあるものというを相当とする。

してみれば,本願商標と引用商標とは,外観において相違し,観念において比較すべきところがないとしても,その称呼において,相紛れるおそれのある,全体として類似する商標であるといわざるを得ない。

したがって,本件商標は,その指定商品中の「薬剤」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効とすべきである。

よって,結論のとおり審決する。

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