Trademark Appeal Case
ストロングの効能表示
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−17424(T2004−17424/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「ストロング」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年7月30日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同16年5月6日付け提出の手続補正書において、第5類「消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),芳香消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),防臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりもの専用シート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液,食餌療法用食品及び飲料」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、「ストロング」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字は「強いこと、丈夫なこと」等を意味する外来語として親しまれているものであるが、本願指定商品との関係よりみれば、効き目などが強力(強い)であることの意味合いで、一般に使用されている。そうとすれば、本願商標をその指定商品中の、例えば、「消臭剤、芳香消臭剤、脱臭剤、防臭剤」等に使用するときは、単に商品の品質、効能等を誇称するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したとして、その結果の通知を行った。
1 「strong」の語の有する意味
(1)「研究社 新英和大辞典」(2002年3月 株式会社研究社発行)において、「strong」の項に「(薬など)成分の強い、よく効く」の記載がある。
(2)「ジーニアス英和大辞典」(2001年4月25日 株式会社大修館書店発行)において、「strong」の項に「(薬が)強い成分の、よく効く」の記載がある。
(3)「コンサイス英和辞典第13版」(2001年11月15日 株式会社三省堂発行)において、「strong」の項に「作用の強い(薬など)」の記載がある。
(4)「コアレックス英和辞典」(2005年11月1日 株式会社旺文社発行)において、「strong」の項に「(薬などが)効き目の強い」及び「a strong painkiller 強力な鎮痛剤」の記載がある。
(5)「アドバンストフェイバリット英和辞典」(2002年12月10日 東京書籍株式会社発行)において、「strong」の項に「(薬などが)効き目の強い」及び「a strong painkiller よく効く鎮痛剤」の記載がある。
(6)「Eゲイト英和辞典」(2003年1月 株式会社ベネッセコーポレーション発行)において、「strong」の項に「(薬・化学薬品が)強力な;(接着剤が)強力な」及び「a strong painkiller 強い鎮痛剤」の記載がある。
(7)「ユニコン英和辞典」(2003年2月1日 株式会社文英堂発行)において、「strong」の項に「(アルコール分・薬の成分が)強い」及び「strong medicine 強い薬」の記載がある。
(8)「英語語義語源辞典」(2004年4月10日 株式会社三省堂発行)において、「strong」の項に「薬などが強い」の記載がある。
2 「ストロング」の語が上記1の意味で、「薬剤」をはじめとする各種商品に使用されている事例
(1)「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2004改訂版」中の「別添3 ステロイド外用剤のランク」として、「ストロンゲスト ベリーストロング ストロング マイルド ウィーク」の記載(http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med24/atopy/ADguideline.pdf#search=%22%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%BC%E6%80%A7%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%82%8E%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%22)及び「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002」中の「付表3.主なステロイド外用薬の臨床効果分類の1例」の「薬効」として、「ストロンゲスト ベリーストロング ストロング マイルド ウィーク」の記載(http://w
ww.kyudai-derm.org/atopy/fuhyo_3.html)。
(2)「連載 アトピーと闘う 広瀬クリニック(5) 強弱5種類あるステロイド」の見出しのもと、「ステロイド剤は作用の強い順からストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、マイルド、ウイークの5種類に分けられる。ストロング以下の薬剤は比較的肌にも優しいといえる。ストロンゲストは効果と同時に副作用も強い。一説によれば、最も強いストロンゲストと最も弱い作用のウイークでは、1000倍も副作用の強さが違うという。」との記事(1998.03.16 日刊スポーツ 29頁)。
(3)「日産化学、抗高脂血症薬「リバロ」、スタチン市場で3番手狙う」の見出しのもと、「リバロは悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールを強力に低下させるストロングスタチン。また善玉コレステロールのHDLコレステロールを上昇させるほか、薬剤相互作用が他のスタチンに比べ少ないというメリットがある。」との記事(2006.01.05 化学工業日報 6頁)。
(4)「酵素脱臭剤 モンブラン ストロング」の商品写真(http://8722.teacup.com/megumikhobho/shop/01_01_01/MNB1000/)。
(5)「消臭DRYスプレー」の見出しのもと、「ストロングブレンド 強いにおいを消したい場合お使いください。」の記載(http://www.deodor.co.jp/dryspray_main.htm)。
(6)「男性身だしなみ市場、商品戦略でつば競り合い――洗口液、リステリン・モンダミン。」の見出しのもと、「同社では昨年春にアルコール度が高いストロングタイプを発売しており、それまでの女性層を主要ターゲットに据えていた戦略から男性消費者の取り込みにも本格的に乗り出している。」との記事(1991/11/30, 日経流通新聞, 3ページ)。
(7)「花王 カビとりハイター」の見出しのもと、「「カビとりハイター ストロング つけかえ用400ml」は、根深く育ったゴムパッキンのカビもすっきり落とせる、強力カビとり剤「カビとりハイター ストロング ハンディスプレー400ml」のつけかえ用です。」との記載(http://www.kenko.com/product/groupwords/gw_107986.html)。
(8)「かびとり剤」の見出しのもと、「泡状ストロングタイプ。塩素臭を抑えたレモン系の香り。ガンコなカビをスッキリ落とします。」との記載(http://www.sanikleen.co.jp/service/products/sell/tlt03.html)。
第4 職権証拠調べに対する意見の要点
本件商標は薬効の強さを表すものとして使用されるものではなく、用法としては商標表示として通例用いられるごとく、パッケージなどにおいては正面部において「ストロング」と大きく表示されるものであり、薬効表示のごとく、主たる商標に比して比較的小さく表示されるようなものではないから、該表示に接した場合、取引者・需要者はこれを薬効の強弱を表したものと受け取るというより、商品提供者が自他商品を識別するために使用している商品識別標識、すなわち商標と観念することは疑いのないところであり、「ストロング」の文字が、薬剤等の成分、効き目の強いことを表すものとして使用されている例はあるというものの、これらは正に薬剤等の成分、効き目の強いことを表すような態様で使用されているものであって、単に「ストロング」を商標として使用する場合とは自ずから看者をして異なった認識をもたらすものである。
第5 当審の判断
本願商標は、「ストロング」の文字よりなるところ、前記第3に示した事実よりすれば、その指定商品中「薬剤」等との関係において、「成分が強い、よく効く」等の意味合いを有するものとして、取引者、需要者に、認識、把握されているというべきである。
ところで、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であるか否かについては、「商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商標の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである。」(昭和54年4月10日判決言渡 最高裁昭和53年(行ツ)第129号)と判示されていることからすれば、その指定商品中の「薬剤」等との関係において、「成分が強い、よく効く」等の意味合いを有するものとして、すなわち、商品の品質、効能を表示するものとして認識される本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるというべきである。
また、出願人(請求人)は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきであると主張するが、いずれも、本願指定商品とは異なる商品及び役務について登録されたものであり、上記証拠調べの結果との関係において、その事例をもって、本願商標の登録の適否についての判断基準とすることは適切なものではない。
その他、出願人(請求人)の主張は、内心的な事情を述べるにとどまるというべきものであり、これを採用すべき確証の提出もない。
してみれば、本願商標をその指定商品中、「成分、効き目の強い薬剤」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、効能等を表示するにすぎないものと認識するにとどまり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、上記認定と同趣旨で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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