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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2006−89082(T2006−89082/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4827000号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成16年4月7日に登録出願され、第30類「クッキー」を指定商品として、同16年12月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が引用する登録第1825284号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和58年9月1日に登録出願、第30類「せんべい、だんご、その他本類に属する商品」を指定商品として、同60年12月25日に設定登録され、その後、平成7年11月29日及び同17年12月20日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年4月19日に指定商品を第30類「菓子及びパン」とする書換登録がされたものである。

3 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の登録を無効にする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

(1)本件商標は、引用商標と同一又は類似であって、引用商標に係る指定商品と同ー又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。以下、その理由を詳述する。

(2)本件商標と引用商標との類否について

(ア)本件商標の外観構成は、穀物の発芽状態を思わせる図形の中に、「芽吹」の文字と「クッキー」の文字とを併記し、第30類「クッキー」を指定商品としたものである。

本件商標は、上記の外観構成より「メブキクッキー」及び「メブキ」の各称呼が生じることは、その出願・登録経過検索情報に示されている称呼表示の項の記載に徴して明らかである。

そして、本件商標の構成中「クッキー」の文字は、商標法施行規則第3条の別表に第30類「クッキー」と例記され、商品の普通名称を直感させるから、指定商品との関係より見た場合は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

したがって、本件商標において特別顕著性を有する部分は、「芽吹」及び「めぶき」の文字に存しているものといわなければならず、本件商標より「メブキ」の称呼及び「芽吹き」の観念を生ずる。

(イ)引用商標の外観構成は、大略、矩形状枠図の上部枠内の「草萌ゆる自然の味」の文字(スローガン文字)と下部枠内において大きく顕著に書してなる「芽吹き屋」(屋号文字)との組合せによるものである。

そして、引用商標は、上記の外観構成より、「クサモユルシゼンノアジメブキヤ」又は「メブキヤ」の称呼が生じることは、引用商標の出願・登録経緯検索情報の〔称呼〕の記載が示している。

引用商標を精査すると、引用商標の要部は、専ら「芽吹き屋」の四文字に集中しており、なかんずく、「芽吹き」の語尾に「屋」の文字を結合させた店名表示名称である。

すなわち、引用商標は、商号屋号の一部分として通常使用される「屋」、「家」等の文字が、出願商標の要部である「芽吹き」の文字の語尾に結合されている。

それ故に、引用商標の称呼及び観念は「屋」の文字を除外した「芽吹き」の文字より判断されて然るべきである。

(例)「株式会社三幸」と「山幸」、「日邦タイプライターKK」と「日邦タイプライター」

しかして、引用商標の称呼は「クサモユルシゼンノアジメブキヤ」、「メブキヤ」等の称呼にとどまらず、「屋」の文字部分を省略して「メブキ」とも称呼され、「芽吹き」の文字部分と称呼によって自他商品の識別標識としての機能を果たし得る場合も決して少なくないと理解しても過言ではない。

(ウ)そうすると、本件商標と引用商標とは、「メブキ」の称呼及び「芽吹き」の観念を共通にする互いに類似の商標である。

(エ)なお、請求人は、本件審判審理の際の参考資料として、引用商標の使用実態等を明示する。

・使用商標:本件商標と同一態様

・使用商品:大福、もち、まんじゅう、だんご、ゆべし、せんべい、パン、汁粉、煮豆、おこわ、そば等

・使用地域:添付の岩手阿部製粉株式会社のホームページ情報が示すように、同社が全国展開しているフランチャイズチェーン(芽吹き屋チェーン、北上京チェーン)の各店舗及び香港、シンガポール、米国、オーストラリア等の海外販売網を駆使して大量販売されている。

・使用開始時期:引用商標の登録出願日(昭和58年9月1日)以前であり、本件商標の登録出願日(平成16年4月7日)以前に使用している。

(3)結び

本件商標と引用商標とは、「メブキ」の称呼及び「芽吹き」の観念において共通し、両商標の指定商品も同一又は類似の関係にあるので、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

5 当審の判断

本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲(1)のとおり、上端に小さな楕円状図形を有する縦長の楕円状図形の中に「芽吹」(「芽」の文字の右側に振り仮名風に小さく「めぶき」の文字が書されている。)及び「クッキー」の文字を二列に縦書きした構成からなるところ、上記図形は、具体的に何を表したものか一見して直ちには理解し得ないものであり、かつ、上記図形と上記文字とが常に不可分一体のものとしてのみ認識し、把握されなければならない格別の理由も見いだし難いものであるから、読み易い文字部分をとらえ、これより生ずる称呼をもって取引に資されるものというべきである。

そうすると、本件商標は、上記文字に相応して、「メブキクッキー」の称呼を生ずるものである。さらに、本件商標の指定商品が「クッキー」であるところから、本件商標は、上記文字部分中の「クッキー」の文字が商品の普通名称を表示したものとして認識し、理解され、自他商品の識別標識としての機能を果たす要部は、「芽吹」(めぶき)の文字部分というべきであり、これより、単に「メブキ」の称呼をも生ずるものといえる。

他方、引用商標は、別掲(2)のとおりの構成からなるところ、上部の四角形内に小さく書された「草萌ゆる自然の味」の文字は、商品販売に当たってのキャッチフレーズとして認識されるにとどまり、それ自体は、自他商品の識別力がないか極めて弱いものというべきであって、自他商品の識別標識としての機能を果たす要部は、その下段の四角形内に表された図形及び「芽吹き屋」の文字部分というべきである。しかして、上記図形は、具体的に何を表したものか一見して直ちには認識し得ないものであり、かつ、上記図形と「芽吹き屋」の文字とが常に不可分一体のものとしてのみ認識し、把握されなければならない格別の理由も見いだし難いものであるから、読み易い「芽吹き屋」の文字部分をとらえ、これより生ずる称呼をもって取引に資されるものというべきである。

ところで、上記「芽吹き屋」の文字については、その構成中の「屋」の文字が、屋号ないしは店名を表すために、しばしば他の文字の後に付けて用いられるものであることからすると、全体で一種の屋号ないしは店名を表し、一連一体のものとして認識し、把握されるというべきである。

そうすると、引用商標は、上記「芽吹き屋」の文字部分から「メブキヤ」の称呼を生ずるものというのが相当である。

この点に関し、請求人は、引用商標は、商号・屋号の一部分として通常使用される「屋」の文字を結合したものであり、「屋」の文字部分を除外して判断すべきである旨主張するが、商号・屋号として認識されるのであれば、なおさら一体のものとして認識し、把握されるのが自然であるし、商号・屋号からなる商標において「屋」の文字が省略されるのが一般的であるとの証左もない。また、請求人は、引用商標が本件商標の登録出願前から使用されており、需要者間に広く認識されている旨主張し、その使用実態を示す資料を提出しているが、これらの資料によっては、引用商標が取引者・需要者間に広く認識されているものとは到底いえないし、その使用態様はいずれも「芽吹き屋」の文字が一連一体のものとして使用されているものであり、「屋」の文字を省略して使用されているものは見当たらない。よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

しかして、本件商標から生ずる「メブキクッキー」及び「メブキ」の称呼と引用商標から生ずる「メブキヤ」の称呼とは、構成音数を異にするのみならず、相違する各音の音質の差、音構成の差等により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、明瞭に区別し得るものである。

そして、本件商標と引用商標とは、その構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、本件商標は、「樹木が新芽を出すこと。また、その芽」の意味合いを想起するのに対し、引用商標は一種の屋号、店名として認識し、把握されるものであるから、両商標は、観念上も明確に区別することができるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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