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Trademark Appeal Case

地名+発の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−25103(T2005−25103/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「根室発」の文字を横書きしてなり、第31類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)」を指定商品として、平成16年12月9日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、同17年12月14日付け手続補正書において、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『根室発』の文字を横書きにしてなるところ、構成中の『根室』の文字は『北海道根室市』を、『発』の文字は指定商品を取り扱う業界においては、地名や産地を表す文字に付して使用することで、当該地で生産、製造されたことを表すものとして使用されていることが認められる。よって、本願商標全体よりは『根室産』程度の意味合いが認められ、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の産地、品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「根室発」の文字よりなるところ、構成文字中「根室」の文字は、「もと北海道11ヵ国の一。根室市を含み、根室支庁の管轄。北海道東部、日本最東端の市。根室支庁の所在地。北洋漁業の基地。」(岩波書店発行 広辞苑第五版)を表すものとして、また、「発」の文字は、「出ること。出すこと。」等(岩波書店発行 広辞苑第五版)を意味するものとして、いずれも普通に使用されている語であるから、本願商標は、「根室から出ること」あるいは「根室から出すこと」を表すものと容易に理解されるものである。

ところで、食品を取り扱う業界においては、地名・地域名を表す文字に「発」の文字を付し一体に表して、商品の産地、販売地を表示するものとして普通に使用されている。

このことは、例えば、以下のインターネット及び新聞記事情報の使用例からも、これを認め得るところである。

(1)インターネットのホームページにおける商品紹介

(ア)「楽天市場」における「菓子工房 フラノデリス」の商品紹介において「北海道 富良野発 牧場から届いた新鮮な牛乳をたっぷりと瓶のそこまでおいしいプリンです」(http://www.rakuten.co.jp/delice/601139/)

(イ)「楽天市場」における「楽天食品館」の商品紹介において「礼文島発!うにの香りを楽しんで。甘塩一夜漬」(http://event.rakuten.co.jp/food/super/)

(ウ)「株式会社 サンマリ」のホームページにおいて「宮城発 精米したてをお届けします!!おいしいお米の業務用販売店 宮城から全国へ向けて、手軽においしい宮城のお米(業務米)をお届けします。」(http://www.4147navi.com/gyoumuyou/)

(エ)「こいしや食品株式会社」のホームページにおいて「栃の味ブランドは、そんな栃木の自然の恵みを存分に生かした、こだわりの商品群です。どうぞ、栃木発の自信作の数々をご堪能ください。」(http://www.koishiya.co.jp/order/tochinomi/index.html)

(オ)「オンラインの酒屋さん 寿々屋酒店」の商品紹介において「京都発 伏見の本格焼酎・・・焼酎といえば九州ですが、伏見の良質の地下水を使って、京都の酒蔵が丹精込めて造った焼酎もまた美味です。ぜひお試しください。」(http://www.sake-suzuya.com/kyoto-S.htm)

(カ)レストラン「プラムガーデン 『梅椿』」における梅酒の紹介に「本日のおすすめ梅酒は『高麗人参梅酒』です。・・・和歌山発の健康・元気・強壮・強精を主眼にした高級梅酒です。・・・産地は和歌山。梅の本場を味わいますか。」(http://www.cafs.jp/web/shopinf/umetsubaki_jingu.php)

(キ)「こんなの堂」の商品紹介において「九州発ご当地ラーメンセット・・・博多ラーメン・・・久留米ラーメン・・・肥後ラーメン・・・」(http://www.konnanodo.com/shop/tarumiya/)

さらに、「根室発」の文字が、産地、販売地を表示するものとして使用されていることは、以下のインターネットのホームページ、新聞記事等の情報から、窺い知ることができる。

(2)インターネットのホームページにおける「根室発」の表示について

(ア)根室市役所水産経済部商工観光課のホームページにおける「味覚観光都市ねむろ」に「根室発 美味カタログ・・・・豊潤な漁場に囲まれた根室は市内に根室港、花咲港をはじめ9つの港湾、漁港をもつ日本でも有数の漁業都市です。・・・四季を通じて水揚げされる根室の海の幸はどれも逸品揃い。おいしさは根室から。自慢の特産品の数々をご覧ください。」(http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/section/kanko/bussan/bussann1.htm)

(イ)gooショッピングの商品紹介において「【かにの本場北海道根室発!】しまえび500gパック」(http://shop.goo.ne.jp/store/nosappu/goods/010900-005.html)

(ウ)「根室物産館 光風」のホームページにおいて「根室発 昆布塩・・・根室産のアツバ昆布を粉末にし、自家特製のさんまの魚醤を沖縄天日塩と合わせて出来た健康塩の逸品です。」(http://www.marimo.or.jp/~keramui/index2f.html)

(エ)根室商業協同組合のホームページにおいて特産品紹介に「日本最東端の街、根室発、根室ブランドの根室昆布焼酎として販売いたしました。」(http://www.nemuro-syoukumi.com/site/syokai.html)

(オ)「活蟹屋の毛がに」のウェブサイトにおいて「【本場 北海道産 蟹の街根室発!】☆大型毛蟹1.0kg(ボイル重量)」(http://katsukani.com/dir/10/12.html)

(3)新聞記事における「根室発」の文字の使用について

(ア)「100年前のマチ、包装紙で再現−根室」(1992.11.11 北海道新聞朝刊全道)の見出しのもと「根室市内の大手食料品店『シーガル』(〇〇〇社長)が、今から百年近く前の、明治から大正にかけての根室市街をあしらった包装紙を作った。根室郡役所や根室駅など当時、本道を代表する商業都市として繁栄した根室の様子を再現した。・・・約一万枚印刷し、根室の商品を扱う『根室発コーナー』用の包装に使用している。」の記載。

(イ)「<そこが聞きたい>Q 北洋サケ・マス 加工業界の課題は*答える人 根室水産協会会長、〇〇さん*水揚げ減れば再編も*現状見直しの時期に輸入物への転換も模索」(2003.06.18 北海道新聞朝刊地方)の見出しのもと「根室水産協会会長の〇〇さんに加工業界が抱える課題と展望を聞いた。・・・ 根室の加工業界はどうなるのでしょう。『水揚げが減れば業界再編は避けられないだろう。しかし、北洋サケ・マスを手掛けてきたからこそ、今のわれわれがある。根室発のブランドとしてこだわり続けたい』」の記載。

以上、これらの事実を総合的に勘案すると、食品を取り扱う業界において、「根室発」の文字に接する取引者、需要者は、全体として該商品が「根室産、根室で製造、販売された商品」程の意味合いを把握し、理解するということができる。

そうすると、「根室発」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、単に商品の産地、販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

なお、請求人(出願人)は、「本願商標は、既製の用語ではなく、商品の産地、販売地表示として通常に用いられていない特殊な表現であり、間接的な表現あるいは示唆するにすぎない表現に止まるものである。」旨主張するとともに、商標登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨述べている。

しかしながら、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の産地、販売地表示に該当するというためには、「必ずしも、その商品が当該商標の表示する土地において現実に生産等がなされていることを要せず、需要者又は取引者によって、その商品が当該商標の表示する土地において生産等がなされているであろうと一般に認識されることをもって足りるというべきものである」(最高裁判所昭和60年(行ツ)第68号(昭和61年1月23日言渡)参照)と判示されているところ、食品を取り扱う業界における、上記(1)ないし(3)の取引の実情を考慮すれば、本願商標「根室発」の文字に接する取引者、需要者は、全体として、商品の産地等を表示するものとして認識し得るものであること上記のとおりであり、また、商標登録出願に係る商標が上記条項に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録例の存在によってその認定は左右されないというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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