Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−4991(T2005−4991/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第16類「文房具類」及び第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成16年3月11日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
(1)引用登録第3227733号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年11月1日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録されたものである。
(2)引用登録第3280654号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成5年11月1日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同9年4月11日に設定登録されたものである。
(3)引用登録第3280655号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成5年11月1日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同9年4月11日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)に示したとおり、「le」と「cheval」の文字の間に1文字程度の間隔を空けて、「le cheval」の文字を筆記体風に横書きしてなるところ、本願商標の指定商品中、「かばん類、袋物」等のファッション関連の商品等を取り扱う業界においては、商標を欧文字で表す場合、英語とともにフランス語も少なからず使用されているのが実情である。
しかして、本願商標は、上記のとおり、「le」と「cheval」の文字との間に1字程度の間隔を有するから、両文字は、視覚上分離して把握されるばかりでなく、語頭部の「le」の文字は、フランス語の定冠詞「le」を表したものと容易に認識されるものである。
そして、定冠詞は、「名詞(単数・複数とも)の前(稀に後)に付して、その名詞によって表される類の中の特定の個体・メンバーに限定する働きをもつ」(岩波書店発行「広辞苑 第五版」参照)に止まるものであるから、取引者・需要者は、構成中の「cheval」の文字部分を本願商標の主要な部分と認識し、これより生ずる称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して、フランス語読みに「ルシュバル」の称呼を生ずるほか、「cheval」の文字部分に相応して「シュバル」の称呼をも生ずるものというべきである。
なお、フランス語の定冠詞に関しては、図形と「bel」の文字からなる商標と「LA BELLE」の文字商標との類否において、後者の「LA」の文字部分がフランス語の定冠詞であり、識別標識として顕著な部分は後半の「BELLE」の文字であるとした上で、両商標は、共に「ベル」の称呼を共通にする類似の商標であると判示した例が存する(東京高裁 昭和60年4月30日判決言渡 昭和58年(行ケ)第257号)。
これに対し、引用商標は、別掲(2)ないし(4)に示したとおり、やや特殊な態様で書した「CHEVAL」の文字部分と図形部分よりなるものであるところ、該文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものということができるから、該文字に相応して、フランス語読みに「シュバル」の称呼を生ずるものということができる。
そうすると、本願商標と引用商標とは、共に「シュバル」の称呼を共通にし、また、観念においても、「cheval」は、わが国において格別に親しまれた語ということはできないが、フランス語で「馬」の意味を有する語であること、及び本願商標中の「cheval」の文字と引用商標の文字部分「CHEVAL」とは、小文字と大文字の相違はあるものの、その綴り字を同じくすることから、両商標は、図形部分の有無等外観において相違する点を考慮しても、共に「シュバル」の称呼において類似する商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
なお、請求人(出願人)は審決例を挙げ、本願商標と引用商標とは類似しない旨主張しているが、商標の類否は、商標の文字構成・使用される商品(役務)等を個別具体的に検討して認定・判断すべきものであり、本願商標と引用商標の類否については前記のとおりであるから、該審決例は、上記判断を左右するものではない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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